そして、ぼくは旅に出た。: はじまりの森 ノースウッズ

著者 :
  • あすなろ書房
4.39
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本棚登録 : 255
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751528686

作品紹介・あらすじ

東京で育った一人の若者が、なぜ大きな自然に憧れ、写真家を目指すようになったのか。
そしてなぜ、他でもなく、北米に広がる森と湖の世界へと旅立ったのか。
その先で、なにかに導かれるように出会った、常識を超えたスケールで生きる二人の巨人——
世界的な写真家ジム・ブランデンバーグと、探検家ウィル・スティーガー。
彼らと暮らす中での決定的な体験。そしてそこから学んだこと。
森の香り、波の音、動物たちの気配……。
フィルムに収めきれなかったすべてもまた、体にしっかりと刻み込まれていく。
——写真には写せない、けれども、一歩一歩たぐり寄せるように進んだ、たしかな旅の記憶。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカのノースウッズにおけるノンフィクション(実体験)でありながら、自然に満ちた表現に溢れた穏やかな内容だった。

    筆者の大竹氏がノースウッズに渡るまで、様々な動物たちの活動風景、自然だけの過酷で静かな環境、アメリカ人のワイルドな日常、人種を超えた絆など、ほっこりとした暖かさを感じた。

    ナショナルジオグラフィックという自然特集番組の名前が各所各所で登場するが、本書はその番組とほぼ同じと言ってもいい。

    カメラを片手に日本を飛び出す人なら読んでほしい一冊。

  • 自然科学を研究する人たちが多い職場経験によって、「スピリチュアル」という言葉をなるべく避けて通ってきていたが、著者の研ぎ澄まされた感覚と嘘のない文章によって、忘れていた言葉を思い出した。夢を重要視して夢日記をつけていた頃を思い出す。生きるとは、次世代に受け継ぐものとは何かを、純粋に考えさせられる。そして、その人にしか為し得ないものは何かとは、と。

  • この本を読んでから、今回土門拳賞を取った「ノースウッズ」の写真集を見ると、著者である大竹さんの存在をより感じた。大竹さんの視点で、その光景を見ている気持ちになるというか…。動物たちの毛の一本一本まで見えるような迫力ある写真を見ていると、息を潜める大竹さんの様子までもが想像できるような気がして、写真に引き込まれた。写真を見るってこういう面白さがあるのか!と新発見でした。

  • 行動力と少しの勇気、人や自然に対する敬意・感謝。瑞々しい若者の特権とは思いたくない。42歳を迎える自分もまだまだ参考にしたい。人生を大切に良きものとするためには、自分が本当に好きなことから目を逸らしてはいけないのだ。四十にして惑わず。なるほど。

  • 小説とも思わせるほどの紀行文。
    大学の先輩というのを後から知って親近感が急に湧いた。
    やはり人生を変えるのは行動のみであり、興味、心の声に従う事が人生を豊かに遠くまで行く助けとなる事がよくわかる。

  • 人との出会い
    旅する風景

  • 夢に向かって進む若者の姿はいいねー

  • ミニコメント
    ライフワークとして通い続ける北米の「ノースウッズ」。森と湖。特別な場所になった旅の話。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/602132

  • 満点の星空を見ていた時に頭の奥で鈴の音が鳴った
    という一節を読んで、ああこの人も視覚と聴覚がリンクする共感覚者なんだなあと、なるほどだから読んでいてこんなにも気持ちいいのかと腑に落ちました

    あとMBTI診断したら絶対自分と同じINFPの方だと思う
    比喩表現がすごく的を得ている感じ?がして、滑らかで摩擦がないのに強烈に記憶に残る刺激的なエッセイでした

  • 写真家の大竹英洋さんが写真家を志し、北米のノースウッズへと向かう運命的な旅路が、極めて精緻な筆致と豊かな表現によって、ありありと描かれている。浅学ゆえ、読む前まで大竹英洋さんも存じ上げなければ、写真家のエッセイも読んだことはなかったが、見る見る引きこまれ、筆者やジム・ブランデンバーグの写真集と見比べながら、また読んでみたいと思わされた。これを読んで自分も日記をつけ始めるようになった。

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著者プロフィール

大竹英洋 1975年生まれ。写真家。一橋大学社会学部卒業。北米の湖水地方「ノースウッズ」をフィールドに、野生動物や人々の暮らしを撮影。写真絵本に『ノースウッズの森で』『春をさがして カヌーの旅』(ともに福音館書店)などがある。第40回(2021年)土門拳賞受賞。

「2021年 『もりはみている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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