- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751527566
作品紹介・あらすじ
世界的ベストセラー『クロニクル千古の闇』(評論社)のミシェル・ペイヴァー最新作!青銅器時代のギリシアを舞台に、12歳の少年ヒュラスが活躍する壮大な物語。
感想・レビュー・書評
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3500年前の青銅期の古代ギリシア。リュコニアの森に妹と二人で暮らす「よそ者」の12歳の少年ヒュラスは、ある日突然黒い戦士たちに襲われ、飼い犬を殺され妹ともはぐれた。逃亡の中、墓に隠れた折、死を待つケフティウ人から青銅の短剣を渡され、彼はヒュラスに海に行くと告げて息絶えた。その短剣こそ、カラス族と呼ばれる黒い戦士たちの力の源で、彼らはそれがある限り無敵と言われていたが、「よそ者がその短剣を振るうときコロノス一族は滅びる」とのお告げも出ていた。その「よそ者」がヒュラスではないかと疑うカラス族は、彼を殺すべく追いつめていく。イシを探すこともできぬまま彼は運命の渦に巻き込まれていく。
神々や精霊が人々に影響を与えていた時代、自らの運命を拓くべく奮闘する少年と少女、支える動物たちの姿を描くアドベンチャーファンタジー。
*******ここからはネタバレ*******
「クロニクル 千古の闇」の作者らしく、しっかりした時代考証に安心して物語の世界に浸れる。
ただ神々の裁量が大きすぎるので、物語が都合よく展開しすぎ、興醒めになる点も多々あった。
また、ヒュラスの元親友テラモンの変容の理由や、テラモンの父が一族の中でどのような立場だったのかも最後まで明かされず残念。
さらに、ヒュラスに短剣を渡したケフティウ人が、カラス族にとってどのような存在であったのか、どうして短剣を盗んだのか、これも最後まで不明で、未消化感が残る。
中学生以上とされているが、高学年で十分いけます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今から3500年くらい前の青銅器時代のギリシアを舞台にしたファンタジー。
よそ者として集落の外でヤギを飼っていた少年ヒュラスは、ある日青銅の鎧を見にまとい灰を顔に塗った男たちに襲われる。命からがら逃げたヒュラスはひょんなことから青銅の短剣を手にすることになるのだった。その短剣に秘められた運命も知らずに。
作者ミシェル・ペイヴァーの前作『クロニクル千古の闇』でもそうでしたが、ファンタジーとしての要素はあるものの、その時代に生きる人たちが見ている世界そのものなのではないかと思わされるのです。
その時代の人々が持つ自然に対する畏怖、それを元にした神への敬虔な想い。それらが現代の我々から見るとファンタジーとして映るのではないか。そのように思わされるのです。生きる人々の衣食住や宗教心や自然に対する気持ちが克明に描写されているからこそ、ごく自然とファンタジー要素もそのようなものだと読むことができるのです。
何故追われるのかもわからず逃げるヒュラス。辿り着いた島で出会う大巫女の娘ピラとの奇妙な関係。助けてくれて心を通じ合わせるイルカのスピリット。追いかけて来た灰色の男たちの中にいた親友。様々な想いに巻き込まれながら、ヒュラスは生きるために前に進む。 -
よそ者として蔑まれながら、ヤギ飼いをし山に住む少年・ヒュラス。
ある日、妹のイシとヤギ飼いの仕事をしていると、カラス族という黒ずくめの戦士たちに襲われる。
ヒュラスは傷を負いながらも逃げおおせたが -
2018.11.14
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青銅器時代のギリシアが舞台。孤児の12歳少年ヒュラスと妹イシ、族長の息子テラモン、巫女の娘ピラ、イルカのスピリット、様々な登場人物たちが、”力の短剣”をめぐり繰り広げる冒険。
謎あり、友情あり、戦いあり…で、面白く、あっという間に読み終わった。ジャンルはファンタジー。続きがあるそうなので読みたいです。
表紙のイラストがあんまりなぁ。もっと重厚な感じだったらかっこいいのになぁ。 -
ちょっと子供じみていますが、ファンタジーでなかなか面白いです。
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7月19日読了。図書館。