ぜんぶ運命だったんかいーーおじさん社会と女子の一生

著者 :
  • 亜紀書房
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本棚登録 : 497
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750517049

作品紹介・あらすじ

「#検察庁法改正に抗議します」のTwitterデモ仕掛け人による、初の著作!


男性中心の広告業界でがむしゃらに働いてきた20代。
気が付けば、同世代の男性は結婚し、仕事でも飛躍している。
なのに自分は彼氏もできない。
焦って婚活したものの、高学歴・高所得・仕事での成功が壁となる。

容姿で判断されたり、会議で意見が通らなかったり、男性との賃金格差だったり、ーーなんだか辛くて生きにくい。


あるとき、その理由がわかった。
それは、女性がひとりで生きていくことが難しくなるように、男性に依存しなければいけないように、この社会が作られているからだった。

「…………ぜんぶ運命だったんかい。私の運命は、この社会の構造の上に敷かれたものだったんだ」


ひとりの女性がフェミニズム、そして社会活動に目覚めるまでを涙と笑いで綴るエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • わたしのような一人で生き抜く収入のあるアラサーには、響きすぎました。。

    小さい頃、女の人は、ママになるかママにならないか、フルタイムかパートタイムか専業主婦か、選べるものだと思っていました。
    今、この国が求めているのは、家事をこなしつつ、夫の稼ぎを超えない範囲で働き、子どもを2人以上産んで育てられる女性。それ以外は負け組。

    恋人との結婚を意識した途端、目の前は暗くなります。恋人との未来、ではなく、世間の描くわたしたち2人の未来、に吐き気を覚えるのです。

    男女問わず、自分らしい生き方を認める社会になることを切に願います。。

  • 苦しかった。学生の頃、女性蔑視に怒っていた自分は何処へやら 社会人になった途端、社会に適合するためモテない自分を下げて、男性をたててバカなキャラを演じて寂しさをアピールするようになっていた。それが楽だから。
    社会の構造のせいで「私なんかが生きていてごめんなさい」と思うこと本当にすごく多い、女性として認められることもなく、男性のように仕事で頑張っても稀有な存在として“なんかすごい”みたいなカテゴライズ。
    男性だって自分らしく生きていいし、頑張り過ぎなくていい。どっちかに どちらからしい生き方を強要することが間違っている。
    フェミニズムの書籍史上、一番泣いた

  • 広告業界で感じた女性の生きづらさの正体『ぜんぶ運命だったんかい――おじさん社会と女子の一生』笛美さんインタビュー - wezzy|ウェジー
    https://wezz-y.com/archives/92622

    亜紀書房 - ぜんぶ運命だったんかい おじさん社会と女子の一生
    https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=1023&ct=33

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「基礎的な会話ができない」28歳の私が結婚相談所で出会った男性に持った強烈な違和感 1日に3、4人…婚活したけれど | PRESIDENT ...
      「基礎的な会話ができない」28歳の私が結婚相談所で出会った男性に持った強烈な違和感 1日に3、4人…婚活したけれど | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
      https://president.jp/articles/-/48870
      2021/08/24
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「専業主婦がいるから成り立つ」そんな男社会に絶望した30代女性が選んだ"社会を変える方法" "キンピラの女"に負かされてばかり | PRES...
      「専業主婦がいるから成り立つ」そんな男社会に絶望した30代女性が選んだ"社会を変える方法" "キンピラの女"に負かされてばかり | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
      https://president.jp/articles/-/50185
      2021/10/02
  • この世は男の人が生きやすいようにできている。この数年で痛いくらい感じていました。フェミニズムは自尊心を取り戻す思想。それを奪おうとする方が過激じゃない?

  • ぜんぶクソくらえと思った。

    私自身が幼い頃から思春期まで女の子らしくいないと価値がないと刷り込まれてきたことも、一生懸命に勉強していい大学に行って、いい会社に入って、いいお給料もらっても、子どもがいて、家事もできなきゃ、自分は足りない人間だと思い込んでしまっていたことも。

    悩んだって、もがいたって、それが社会のせいだと気がつかずに、自分自身の、女性たちの心の持ちようで、無理矢理、前を向かせようとさせられていたことも。

    ぜんぶ、ぜんぶ、運命だったんだとしたら。
    重すぎる。

    知らないってだけで、辛い人がいるなら、自分の価値が低いと思い込まされている人がいるなら、どうかどうかこの本に辿り着いてほしい。知って欲しい。伝わって欲しい。それで少しでも、心が軽くなったなら、一歩動きだそうとしてみて欲しい。私が今まさに、この本と出会って、感じているように。

  • フェミニズムって食わず嫌いせず性別問わず読んでほしい。
    みんな読んで痛いとこ突かれて。
    問題のある社会構造の一部に自分もなってるんだと気付かされる。
    それが手っ取り早い生きやすくなる方法なんだが、
    押し殺してる自分に気づけなくなっていく

  • 「ジェンダー目線の広告観察」の対談を読んでその存在を知り、本書を手にとってみました。
    笛美さんって、変わった名前だな、と思ったら、フェミニストのフェミだそうです。
    20代女子としてガンガン仕事しながら婚活もしていた時代を経て、なんで同期の男子は家庭を持って幸せそうなのに私はそうなれそうにもないんだろう、とフェミニズムに目覚め、さらに政治に目覚めていった様が、とてもわかりやすく書かれています。

    通帳を見た人が驚くほどの高給で、ファッションも持ち物も美容にもお金かけて、自愛に溢れ人生を謳歌してても、30過ぎるとフェミニズムに目覚めるのか、、、
    いや、フェミニズムに目覚めることがどうこうではなくて、フェミニズムが当たり前になって、ある年齢以上でやっと実感するという今の社会(若い女子は男たちにチヤホヤされるが、一定年齢を超えると男たちから存在を軽くみられるようになる?)の方が、変わってほしいな、と思います。

    立ち位置としては、高橋まつりさんの先輩(接点はなかったようですが)であった方です。
    「ニュースでは残業月100時間という労働環境の悪さばかりが注目されたけど、私はどこかピントがずれているような気がしました。実際、広告業界では月100時間残業している人なんてざらにいました。まつりさんを苦しめたのは長時間労働に加えて、女性だからこその終わりのない苦しみだったんじゃないか?そんな思いが頭を離れませんでした。女性として日常的に上司にバカにされ、男性より圧倒的に下の存在であることを自覚しながら、そこに長時間労働が組み合わさったときに、人はどれだけ自尊心を削られるだろう。(P111)」
    まつりさんの件では、多くのメディアが(男性にも論じ易い)「長時間労働」という視点で報じたからこそ、働き方改革へまで発展していけたのだろうけれど、彼女が生きる気力を失ったのはそこだけが原因ではないだろう、ということは、働く女性なら、誰しも感じていたことと私も思います。

    笛美さんがおこしたツイッターの政治的言動については、正直なところ、私にはピンとこなくてよくわからないのですが、政治も思っているよりもずっと身近で、誰だって発言できるし、波を起こすこともできるんだよ、と教えてくれる本です。

  • 笛美について何も知らずに読み始めたが、手にとって良かった。女性である自分も、知らず知らずに女性蔑視をしていたことに気付かされた。悲しい。また、政治にもあまり関心がなかったが、危機感を持つことができた。一気に読めた。女性蔑視のない国に生まれて育つと、どういう精神状態になれるんだろうと羨ましく思う。

  • 政治に興味のない人の視線も知ることができハッとした。

  • 著者の考えや行動の変化は、社会問題の大きさや堅固な性差別の構造と比べれば微々たるものかもしれない。しかし、世の中にいる多くの人は、選挙に立候補したりシュプレヒコールを上げたりするどころか、友人とのランチタイムの話題に社会問題を上げることすらできなかったりする。
    だからこそ著者の考えや行動の変化は、「あるある!」と共感し「自分にもできるかも」と行動する希望を与えられたのだと思う。

    Twitterで発信する、身近な人との話題にフェミニズムや社会問題を上げる、地域の政治家へ意見を送る…「自分にもできそう」な一歩を踏み出す勇気と知識をくれる一冊。

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著者プロフィール

2020年5月8日にTwitterに広がった「#検察庁法改正案に抗議します」を作った張本人。ハッシュタグは瞬く間に拡散し、400万を超すツイートを生み出し、Twitterトレンド大賞2020の2位に。現在も広告関連の仕事をしている。

「2021年 『ぜんぶ運命だったんかい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

笛美の作品

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