- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750516653
作品紹介・あらすじ
神秘と技術と才能が生まれる場所、諏訪。
——多くの仕事や人が、どうしてこの地から生まれたのか?
長野県の諏訪は、諏訪湖を中心に八ヶ岳や霧ヶ峰も含む広大な地域。
諏訪湖は中央構造線とフォッサマグナが交わるところ。
まわりには縄文の時代から人が暮らし、諏訪信仰がいまも息づく。
江戸時代の繰越汐による新田開発、近代に入ると片倉製糸が栄華を極め、その後、東洋のスイスと言われるほど、精密機械の会社が数多く興った。
― セイコーエプソン、ワシントン靴店、ヨドバシカメラ、すかいらーく、ポテトチップスの湖池屋、岩波茂雄、島木赤彦、新田次郎、武井武雄、伊東豊雄…… 。
多くの仕事や人は、どのように生まれたのだろうか。
ただならぬ場所、諏訪の地力を、丹念な取材で掘り起こす歴史ノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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もともと諏訪大社に関係する諏訪特有の信仰体系については興味を持っていたし、諏訪には一度訪れたこともあった。しかし、諏訪に生きていた人たちのことはほとんど知らなかった。この本は、諏訪に限らずどの土地もそこに生きていた人たちの積み重ねてきた風土があるのだということを再認識させてくれた。
諏訪は岩波書店の創設者である岩波茂雄、作家の新田次郎や建築家の伊藤豊雄などのさまざまな人材を輩出したという。それだけでなく、諏訪は富岡製糸場が作られたように明治政府の掲げた殖産興業の主力として扱われた製糸業の中心地であっただけでなく、諏訪で独自に開発された諏訪式器械が可能にした高品質かつ大量の生産が日本の近代化に大きく貢献したという(http://web.tuat.ac.jp/~jokoukai/kindainihonnoisizue/archive/sangyo/sangyo.htm , http://www.naro.affrc.go.jp/archive/nias/silkwave/hiroba/Library/SeisiKD/60SKD2007/2_Shimazaki.pdfなど)
そこから精密機械業・ハイテク産業へとシフトしていく様を、あくまで土地の人びとの目線に立って行った丹念な取材に基づいて丁寧に記述しているところに好感が持てた。
新型コロナを機に地方へと移住する人が増えているようだが、著者の都市の価値観をそのまま地方に持ち込むことは慎重になってほしいという提言が印象的だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2020/11/28ジュンク堂
●長野県諏訪地方の経済史。
・多くの経営者を排出している地方として注目されている。
・今で言うところの、ITベンチャー社長を排出する福井みたいなものか。
・日本各地、こういう地方がまだ沢山あるのだろうな。
セイコーエプソンが諏訪に誘致されたのは、関東大震災がきっかけらしい。
関東大震災や第二次世界大戦時に、疎開で移転した企業が地元に根付くパタンは、過去にも多い。
今回のコロナ禍の場合、拠点の移転でなく、在宅勤務という拠点の分散化。
その影響は、どのようになるのか?
在宅勤務、リモートワークで地方に回帰みたいな、期待論がある中、移転しても東京近郊で、必要なときには都心にすぐに出られる距離、こういうところが有利になるという識者の声も多い。
コロナで●●式、、みたいに成功する地方がでてくるのだろうか?楽しみである。 -
<長野大学附属図書館のコメント>
長野県には魅力ある観光地が多くあります。 諏訪は古くは縄文時代より人々が生活を営み、諏訪湖を中心に独自の信仰が息づいています。歴史的にも産業が盛んで多くのすぐれた会社が発展を遂げています。併せて、諏訪から多くの偉人が輩出されています。この図書には、諏訪の歴史、土地に根差した文化及び先人たちの英知や思いがわかりやすく綴られています。この図書を読んでから訪れると諏訪の魅力を深く感じることができると思います。
◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC03752893 -
<長野大学附属図書館>
長野県には魅力ある観光地が多くあります。 諏訪は古くは縄文時代より人々が生活を営み、諏訪湖を中心に独自の信仰が息づいています。歴史的にも産業が盛んで多くのすぐれた会社が発展を遂げています。併せて、諏訪から多くの偉人が輩出されています。 この図書には、諏訪の歴史、土地に根差した文化及び先人たちの英知や思いがわかりやすく綴られています。この図書を読んでから訪れると諏訪の魅力を深く感じることができると思います。 -
長野大学附属図書館の推薦図書です。
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