中国 古鎮をめぐり、老街をあるく

著者 :
  • 亜紀書房
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本棚登録 : 66
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516127

作品紹介・あらすじ

北京でも上海でもない、中国の奥深さを行く。

国を挙げて大開発が進む中国。地方都市には高層ビルが建ち並び、人々の生活は豊かになっている。しかし同時に数百年単位で続いてきた「暮らし」が一瞬で消えていく。
天空に浮かぶ村「窯洞」、昔日の繁栄を今に残す城壁の街、伝統劇や伝統武術を継承する人たち、変わりゆく水郷、その地方ならではの味……。
独特な文化が残る町や村の変わりゆく姿を丹念に描いた味わい深い紀行エッセイ。

【目次】
はじめに
1章 キャラバンの通った道
2章 埠頭でつながる港町
3章 脈々と続く伝統文化
4章 商人たちの汗と涙
5章 開発と保護の狭間
6章 今と昔の交差点
7章 信仰が支えた町
8章 消えがたい戦の記憶
あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 紹介されている街や通りを想像すると、歴史の中へタイムスリップできるみたい。ワクワク
    昔と変わらぬ一瞬がそこにはあるのかな。
    でも、日本の古い街もそうであるように、その多くが観光地として買い占められ開発されたり、反対に過疎化して風化していったり
    今あるうちに早く行ってみたいと思いました。
    でも、中国はとっても広い!!
    どの古鎮も遠くて、きっと個人では行けない‥
    張全さんの写真、もっと見たいな〜

  •  しばらくの間中国へ行っていないとまた行きたくなる。特に本書に紹介されているような、メジャーではないが何かひとつでも歴史の輝きがあるような街へ。新型コロナウイルスが収束して終息になるまで行けそうにないのが口惜しい。
     城壁の上に立って街を眺めてみたくなる、そんな気分になる。

  • タイトルと装丁、そして著者が女性ということから、
    有名なところを写真付きで紹介する
    ゆるいガイドブックのような
    感じかと思っていたらとんでもなかった。

    昨今、文革とはまたベクトルの違った
    「古きものを新しく」というコンセプトで
    昔ながらの文化的なものを取り壊して
    新しい「風景区」に作り変えられる街が少なくない中、
    そう言った変化を憂いつつも
    有名・無名に関わらず歴史的・文化的な街の様子を
    紹介してくれていて読んでいてワクワクした。

    少しずつ「古き良き」に回帰しようとする動きはいいんだけど、
    なんていうか「やりすぎちゃう」んだよなぁ…あの国は。

    2000年代〜新しいものは2017年に訪れたものもあるが、
    たった3年ほどでも、今いくと街の様子は違っていたり
    するんだろうなぁ。と思うし、
    デベロッパーありきなので難しいかもしれないが
    作り直す際にもきちんと歴史的な専門家を入れて
    再現するように作り替えないと「本物」がなくなってしまう…

    色々と中国旅行に行ってはいるけれど、
    著者の懸念する事が本当に理解できる。
    そう言った意味でも面白かった。

  • 古い町並みが残る中国。見つけられて観光化すると町並みが破壊され、そうでなければ誰にも手入れされないままになってしまう。
    知らない町がたくさん紹介されていて楽しい。もっと写真を載せてほしい。
    コロナが話題になり始めたころに書って少しずつ読んでいたけど、まさかこんな大騒ぎになるとは。

  •  自分が行ったことがある街が少なくないので、個人的に懐かしさを感じながら読んだ。過疎化、保護、再開発、観光化・・・読むほどにこれらの語がぐるぐると頭の中を回り、注目されず朽ちていく様にも、逆に再開発され昔の風情が失われる様にも、共に物悲しくなる。その中でバランスを取っているいくつかの街の模様にはほっとするのだが、それも時間の問題なのかもしれない。
     写真がもっとあればいいのにとも思うが、本来エッセイ集だから仕方ない。一方で著者が聞く地元の人の言葉、その街の歴史や誇りや諦め等、がじんわり染みる。

  • また大陸の行きたいところが増えてしまう。
    どんな老街、古镇を載せているのか興味深く思っていたけれど、意外にもマイナーな場所が多く必ずしも「観光地」でない所も紹介しており、楽しく読めた。
    やっぱり山西省は魅力やなあ。河北、河南、安徽は近いうちに絶対行きたいなあ。あー次大陸いけんのいつかなあ。

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著者プロフィール

1973年生まれ。文筆家。京都大学文学部中国語学中国文学科卒業。同大学大学院在学中に北京外国語大学ロシア語学科に留学。2000年から北京に暮らし、北京の雑誌編集部に就職。その後、フリーランスのライター、翻訳者に。2018年からイルクーツクに暮らす。各種媒体で中国やロシアの文化・芸術に関する記事やコラムを執筆。著書に『老北京の胡同』『映画と歩む、新世紀の中国』(いずれも晶文社)、『中国 古鎮をめぐり、老街をあるく』(亜紀書房)がある。

「2022年 『シベリアのビートルズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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