リスクと生きる、死者と生きる

著者 :
  • 亜紀書房
4.21
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本棚登録 : 204
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750515205

作品紹介・あらすじ

「リスク論」からこぼれ落ちる生を探し求めて、東北、そしてチェルノブイリへ――。
若き記者による渾身のノンフィクション。

岸政彦さん、星野智幸さん、推薦!

「被災地」は存在しない。「被災者」も存在しない。
土地と人が存在するだけだ。
「それでも生きていこうとする人々」の物語が、胸を打つ。
(岸政彦)

ここには、あなたを含め、この本に書かれていない被災した人すべての物語が、ぎっしりと詰まっている。
その見えない言葉に目を凝らして、読んでほしい。
(星野智幸)

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/726790

  • 「語り」という観点においては岸政彦と同様の手法ながら、途中出てきた「死者に送る手紙」が新しかった。いや、新しくはないのかもしれない。むしろ古典的な手法なのだと思う。ただ震災や死者について人が言葉を紡ぐ時、ある種固定化してしまった言葉が手紙という方法論で違う様相を呈した時に見えてくる永遠性が切なく尊く、純粋なものに思えた。

  • たしか、重松清さんがインタビュー記事でお勧めしていた一冊。気になって図書館で借りてみた。

    報道と真摯に向き合おうとする筆者の姿勢に何度も胸を打たれた。
    感情移入しやすい私の性格も相まって、読みながら涙が止まらなかった。

  • 東2法経図・6F開架:369.3A/I72r//K

  • 死んだら「終わり」ですか。

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/detail?rgtn=094515

  • 幽霊に関する論文箇所が新鮮。
    それを面白おかしく書いているのではなく、臨床?精神科学?に近い形で結びつけているところに納得感。人生は説明しきれないことが起きる

  • リスクと生きる、死者と生きる

  • 社会
    原子力発電
    東日本大震災

  • 石戸記者のことはTwitterで動向を追っていて、その契機は忘れてしまったが、おそらくはやはり震災関連の情報発信だったのだと思う。彼の精緻な取材と、震災に対するスタンスを肯定していたので、本書は買う以外の選択肢がなかった。

    本書はルポルタージュではない。直接的な被災者ではない立場でありながら、震災とこの7年間実直に向き合ってきた人物が語るエッセイ、読み物であると思った方がいい。語り口は淡々としているが筋道がしっかりとしていて、静かな力強さで、彼の主張を物語る。

    この本はいわばオーラル・ヒストリーに近い。被災者という言葉ではすくい取れない個別の語り、物語を紡ぐものとして、とても貴重だと思う。科学は正しいが、それだけでは割り切れない。昨今はTwitterなどで、多くの人の「声」が直接聴けているような錯覚も覚えるが、それでも見えていないものは山のようにあるのだと、痛いほど思い知らされた。

    社会を、人々を救うというのは、無人格かつ匿名の集団に対して、わかったふりをして向き合うことではなく、個々の1人ひとりに対して向き合うことなのだ。そう考えたとき、自分にできることは何なのだろう、と思う。

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著者プロフィール

1984年生まれ、東京都出身。2006年立命館大学法学部卒業、同年に毎日新聞入社。岡山支局、大阪社会部、デジタル報道センターを経て、2016 年1月にBuzzFeed Japan に入社。

「2017年 『リスクと生きる、死者と生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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