愛しのオクトパス――海の賢者が誘う意識と生命の神秘の世界

  • 亜紀書房
3.68
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本棚登録 : 154
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750515038

作品紹介・あらすじ

心臓は三つ、退屈が大嫌い、生涯で一度だけ恋をする。
私はタコ。あなたは誰?

タコほど人間とかけ離れた動物はそうそういない――タコについて専門的な知識もほとんどなかった著者は、ある日ボストンの水族館で1匹のタコと出会う。アテナ、オクタヴィア、カーリー、カルマ……個性豊かなタコたちと、八本の腕と吸盤を通して交流を重ねるうち、著者は他者なるものが持つ「もうひとつの知性」の可能性を感じ始める。
愛すべきタコたちと彼らを取り巻く人々との思い出を綴った、2015年全米図書賞・ノンフィクション部門最終候補作。

感想・レビュー・書評

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  • うーむ、タコ、良い・・・
    ある日水族館でタコとふれあったがためにタコと恋に落ちた著者が、ニューイングランドの水族館にやってくる個性豊かなタコたちとの出会いと別れを綴る本書。読んでいるうちに、「タコとイチャイチャ!なんて羨ましい~~‼」と完全に布教されてしまいましたよ。元気いっぱいで愛らしいタコのカーリーちゃんなど、今までタコを食べ物としか思っていなかった人たちもきっと好きになってしまうはず。
    なかでもわたしがダントツに好きなエピソードは、タコたちが集住する「オクトポリス」を訪れたダイバーがそのうちの一匹に手を引いて町を案内してもらったという話。う、うらやましすぎる・・・
    タコ愛あふれるこの一冊。布教用によろしいかと思われます。

  • ニューイングランド州水族館を舞台としたタコと人間たちとの交流を描くノンフィクション。「研究対象への感情移入」は動物研究では通常タブーとされるが、本作では臆することもなく叙情的な文章が並ぶ。文学・哲学等からの引用も多く純粋に読んでいて楽しいが、タコに知性や意識をストレートに帰属させ、さらに友情の存在まで認めるのはさすがに著者自身の主観の投影が過ぎると思われ、やや興ざめ。しかし、タコが外殻を捨ててまで得た豊かな中枢神経系と運動可能性に触れれば、そのような「気分」が我々の中に生ずるのも無理はない話なのかもしれない。なお本書にも登場する哲学者ピーター・ゴドフリー・スミスによる「タコの心身問題(みすず書房)」が最近邦訳されている。意識や内的フィードバックシステムの成立について発生主義的な見地から考察した傑作であり、本書を読んで興味を持たれたら一読をお勧めしたい。

  • ぬるぬるぐねぐね苦手の私なんであるが、読んでいると、タコと触り触られ触れ合ってみたくなる。可愛い…に近い感情を抱く。

    著者のタコ愛と、ウィットの効いた文章が素晴らしい。

  • [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB23317459

  • 水族館のタコと人間の話。
    タコとのコミュニケーションが研究者やその友人によってどう感じとれたのかが書かれている。
    タコの魅力がたっぷりで、タコを好きになる本。

    オススメ度:
    ★★★★★

    さんろく

    所蔵情報:
    品川図書館 484.7/Mo38

  • タコに会いに行きたくなる本。

  • 『タコの心身問題』を思い出しながら読んだ。そちらと比べるとやや情緒的だが読みやすくはある。読む順番が逆だったかもしれない。

  • ふむ

  • 水族館でのタコたちとの交流を描いたドキュメントです。
    とにかく、タコ愛がすごい。
    原題が「The Soul of an Octopus」なので、タコに魂(感情)があるとの持論で話は進みます。
    タコのふるまいはペットのようでもあり、確かに感情があるようにも見える。
    タコが食べられなくなる日が来るのだろうか。

  • 読んでる途中から、タコを見に水族館に行きたくなります。タコも愛らしいですが、タコを愛でる著者や水族館関係者がもっと愛らしいキャラでした。
    しかし、タコは凄いですね。タコには心臓が3つあって、脳は9つあるらしい。ある脳外科医は人間はマルチタスクに向いてないと言っていたけど、タコは8本の腕で、それぞれ違うことができる。本書でタコのインテリジェンスと癒し効果を思い知り、昔タコとあだ名なされていた魚屋の幼馴染みにタコカフェを提案したら素っ気なかった。
    子供の頃、海に沈めてある蛸壺を引き上げて、中にタコがいたら掴んで近所の駄菓子屋に持って行くと、なぜかいつもところてんを出してくれた。だから、ところてんはタコで出来ていると思い込んでいた。とにもかくにも、もう「このタコ」なんて言葉は使えない。小林由香利さんの翻訳も良かった。

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著者プロフィール

ナチュラリスト、作家。大人向け、子供向けのノンフィクション20冊を執筆、高い評価を受けている。大人向けの『幸福の豚──クリストファー・ホグウッドの贈り物』(バジリコ)は全米ベストセラーに。オウムの保護活動を取り上げたKakapo Rescueで良質の子供向けノンフィクションに贈られる「ロバート・F・サイバート知識の本賞」を受賞。人食いトラの問題に迫ったSpell of the Tigerは彼女の仕事ぶりを追ったナショナル・ジオグラフィックTVの同名ドキュメンタリー番組の着想を与えた。アマゾンでの冒険をまとめたJourney of the Pink Dolphinsは「ラプソディーのような」(パブリッシャーズ・ウィークリー)、「心を奪われる」(ブックリスト)、「相手を知ろうとする真摯さがある」(ニューヨーカー)と評され、the London Times Travel Book Awardの最終選考に残った。その他、アメリカの動物愛護団体「全米人道協会(HSUS)」およびニューイングランド書店協会の特別功労賞、3つの名誉学位など、数々の栄誉に浴している。
現在、ボーダーコリーのサリー、放し飼いのメンドリの群れ、そして夫で作家のハワード・マンスフィールドと共にニューハンプシャー州で暮らしている。

「2017年 『愛しのオクトパス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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