- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750507057
作品紹介・あらすじ
普段、メディアを通して知る国際政治の動きや事件を手がかりに、国民と国家の安全とは何か、いまどんな脅威から何を守ろうとしているのか、どのようにして安全を確保するのかなど、「安全保障」に欠かせない論点を第一線の専門家が懇切丁寧に解説。ますます混沌とする国際情勢を「安全保障」の視点から読み解き、国際社会における日本の立場と将来像を浮き彫りにする。
好評既刊『最新版 安全保障学入門』がセミプロ対象とすれば、本書は一般読者対象の「超」入門書と言える!
感想・レビュー・書評
-
安全保障を、「何を、何から、何で、どのように、安全を守るのか」それぞれ切り分けて解説する。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Twitterで@Morgenthau0217が推薦しているのを見て購入。思考を深めるための問いかけに富んだ良い本だった。
要約すれば1)安全保障の課題となる脅威の発生源が多様化していることから、非伝統的安全保障の仕組みがもとめられつつあること 2)リアリズム学派とリベラリズム学派のスタンスの違い 2)SIGINTにおける米国の立場の特殊さ 3)集団安全保障と集団防衛の違い 4)生物兵器、化学兵器の拡散防止メカニズムの概要 5)協調的安全保障(なかでもCBMs)への批判 などについてメモをとりながら読了した。
サイバー兵器はよく核兵器との対比で論じられることがあるが、そのインパクト・保有の容易さなどを考えると生物・化学兵器に似た性質があるのではないかと思った。 -
国家が第一義的に安全保障の責任を負う対象は自国民であって他国の社会集団でも特定の個人でもない。国際社会が主権国家を主要な単位として構成される限り、他国への内政不干渉は国家の安全保障と国際社会の構造を維持する基本的な規範。
安全保障において、何を守るか、を問うとき、古典的な答えは国家の生存ということになる。
NTTの買収には安全保障の問題が生じる。例えば自衛隊の通信NWは一部をNTTから借り受けているが外国企業がNTTを買収すれば機密情報漏えいや有事の際の対応に大きな支障が生じることが予想される。
覇権国は国益の追求のために武力を行使する用意があり、武力の誇示によって周辺国に対して政治的発言権を強化しようとするから。
国家安全保障環境を分析するときには、国際規模で対立している国または国の集団を扱うわけだから、ここでの国とは当然ながら大国を指す。
安全保障を重視する人の中でも他国に対する軍事的優位を確保することが安全の確保に必要であると考える軍備増強論者がいる一方、国家間の軍拡競争が激化しないように自国の軍備増強を自制すべきであると考える軍備管理論者がいる。
軍事力は戦争の発生の抑止と戦争が起きた時の対処の2つの目的を併せ持っている。抑止とは侵略の意図を持つ敵対国に平時からメッセージを送り、侵略計画を断念させることである。
冷戦時代、欧米諸国の戦略目標は東西間の抑止の維持におかれ、戦争が起きた時の対処の問題が突っ込んで議論されることはなかった。
予防外交の拝啓にあるのは参加国の平等やコンセンサスを重視し、軍事力という強制的な手段に訴えない協調的安全保障の考え方。
ソフトパワー論者は9・11以降の世界ではソフトパワーが決定的に重要になると述べている。 -
安全保障の基礎がまとまった一冊。
-
本書のタイトルが十分に内容を言い表していると思う。あくまでポイントをつかむのに役立つというだけで、普段から新聞の国際欄や政治欄をながめ、紛争・テロ・安全保障といったキーワードに興味を持っている人ならばあまり目新しい知識はないのではないだろうか。全くこの分野に知識のない人(大学生とか)や知識を整理したい人におすすめ。
-
入門書の入門書。
安全保障の分野において何が論点になっているのかを大まかに書いている。これだけでは安全保障について深く知ることはできないので、別途さらに追求が必要。 -
2008.1