- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750353173
作品紹介・あらすじ
コロナ・ショックは移民社会をどう変えたか。気鋭のルポライターが訊いた、日本で生きる外国人ならではの偽らざる本音と生き抜き方――。2020年から21年末までの取材成果を結集。苦悩、絶望、悲惨さだけじゃない、ポジティブでしたたかな姿も垣間見えた旅の記録。
感想・レビュー・書評
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https://urbanlife.tokyo/post/32212/
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在日外国人の支援をしている人の中には、日本国内で困難な状況にある外国人を、無辜な犠牲者とみなして、日本社会の制度の犠牲者である外国人に対して、日本人は償う義務があるという寝言を本気で言っている人たちもいる。ひどい寝言である。当事者を内心では見下して軽蔑しているから出てくる発想としか思えない。少なくとも、一人の人間として認めているとは感じられない。
これは当事者にとっては都合の良い考えのように見えるので、入管で支援をしているボランティアから吹き込まれて、本当に日本人は自分に対して罪人であり、罪を償う必要があるのだと怒りを持つようになる当事者もいる。もちろん、そんな人はごく一部だけれど。これは本当に当事者の人生にとって有害だ。移民の人生はどこの国だって大変なのに、移民のサバイバルにとって、被害者意識(日本社会の犠牲者)と間違った特権意識(罪人である日本人は自分に対して償う義務がある)は毒でしかない。社会性や常識がなければ、日本に限らずどんな社会でもやっていけないのに。
この著者は、外国人を無辜な犠牲者だという見方に疑問を呈して、あくまで人間として見て取材している。その上で制度の欠陥によって困った状態に置かれる人に対する共感と、そうした制度への怒りを表現している。
フィリピンパブの章で、古き良き「企業戦士を癒やすやさしいフィリピン人女性」観を披露しているとこは馬鹿じゃないかと思ったけど、そこ以外は概ね良かった。性役割や性別規範が日本よりずっと厳しくて貧しい国から来た、社会的な後ろ盾がない弱い立場の外国人女性が、自分よりはるかに強い立場の顧客に対して気に入られるように過剰なサービスをするのは当然だ。社会的な上下関係に無関心で、強い立場の人の目から見て都合の良いことばかりを強調するのは、公平なバランス感覚が欠けていると思う。 -
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https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/653536 -
日経新聞2022226掲載
読売新聞202241掲載 評者:堀川恵子(ノンフィクション作家) -
東2法経図・6F開架:334.4A/Mu72r//K
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20220328-OYT8T50050/