日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション――人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別
- 明石書店 (2020年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750351179
作品紹介・あらすじ
現代社会には今なお根深い差別が存在する。「あからさまな」差別と対比され、あいまいな、無意識で見えにくいが重大な結果をもたらす差別を「マイクロアグレッション」として明確に位置づけ、その内容・メカニズムや影響、対処法を明らかにした、いま必読の書。
感想・レビュー・書評
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無意識のうちに誰かを傷つけてしまっていることがある。
全員がマイクロアグレッションの加害者であり被害者になりうる -
とにかく言葉選びを意識する。
常にマイノリティを念頭に置く。
それでもきっと、不用意な発言をしてしまうことはあるけど、とにかくいつも意識する。
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VOGUE CHANGE(2021年6月1日):無意識に誰かを傷つけないために。「マイクロアグレッション」を認識することの重要性。【コトバから考える社会とこれから】 https://www.vogue.co.jp/change/article/words-matter-microaggression
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マイクロアグレッションとは、ありふれた日常の中における、ちょっとした言葉や行動や状況であり、意図の有無にかかわらず、特定の人や集団を標的とし、人種、ジェンダー、性的指向、宗教を軽視したり侮辱したりするような、敵意ある表現のことである。あからさまな(害意のある)ヘイトクライム、ヘイトスピーチに対しては、対処のしようもあろうが、無意識(ときには善意)の下でなされるマイクロアグレッションに対しては、対処が困難である。差別をする側(本書では白人男性)が差別をしている自覚もないだけに、話はややこしい。自分は差別主義者ではないと自認していても、社会のあらゆる場面で特権的な恩恵を受けている者(マジョリティ)は意識せずとも、差別的な言動をしてしまう。この前提をまず、受け入れることが重要である。自分は差別などしないと思っている人にとっては受け入れがたいことかもしれないが、差別を構造的に含んでいる社会に生活するマジョリティは無意識に差別的な言動をしてしまう。この自覚をもつことがすべての始まりなのだろう。可視化されていない差別にマイクロアグレッションという概念を与えた功績は極めて大きい。無自覚な差別を自覚することができれば、それをなくすことができるからだ。
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中学の英語の教科書の例文"I am a Japanese."
例えば在日コリアンの人にとって、授業でそう言わなきゃいけない時、絶対苦しいと思う。
人間は、無自覚な差別から逃れることができない。
それをまず自覚すること。
誰かを無自覚に傷つけてしまったらせめてごめんと言う。傷つけた側の立場を分かろうとすること。
完全に共感して理解することはできないしむしろ傲慢だけど、無自覚であれなんであれ、マジョリティの当たり前を押し付けてはいけない。
差別について議論するときは、感情の整理が大事。 -
物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
東大OPACには登録されていません。
貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
返却:物性研図書室へ返却してください -
あらすじ(明石書店より)現代社会には今なお根深い差別が存在する。「あからさまな」差別と対比され、あいまいな、無意識で見えにくいが重大な結果をもたらす差別を「マイクロアグレッション」として明確に位置づけ、その内容・メカニズムや影響、対処法を明らかにした、いま必読の書。
(https://www.akashi.co.jp/book/b553556.html)
いまだにびっくりするほど差別的なことを言ってのける人もいるけど、今ある差別はこの本で説明されているマイクロアグレッションの形を取るものが多いだろう。
マイクロアグレッションは、目に見えてわかるほど明らかな差別ではないことから、問題視されづらく頻発する、さらに、被害者は相手が意図を持ってした発言か、たまたまか、頭を悩ませることにエネルギーを消費してしまうという厄介なもの。
SNS上でも「差別的だ」と糾弾された人が「そんなつもりはなかった」「考えすぎだ」と反抗(もしくは逆ギレ)するのをよく見かけるが、意図したものでなかったのならそれでいいのか。本人にとっては「たまたま」「言葉のあや」かもしれないが、相手にとっては人生を通して何度も苦しめられた行動なのかもしれない。また、本人にとってなぜ「たまたま」その言葉や行動が生まれたのか。そこに無意識の偏見があるのかもしれない。
自分が正しく生きている自信がある人こそ、差別的だと指摘されたことを許せず、怒りが勝ってそこまで考えが及ばない。そのような経験にあったら激しく抵抗するのではなく、自分の特権や無意識の偏見に向き合う機会としたい。もちろん全てを網羅することはできないが、まずは向き合って考えることが大事よね。
アジア人や女性へのマイクロアグレッションは共感できるところが多かった。
(アジア人移民ではないけれど、留学中に似たような経験をすることがあった)
考察するだけでなく、「その次の一歩」が示されているところが良い。
今後の考え方、行動の指針となる。 -
361.8||Su
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BLM運動の盛り上がりの背景にあるのは……。ヘイトスピーチ、ヘイトクライムの基層をなすのは……
いま新たに注目される差別概念「マイクロアグレッション」の全容がわかる基礎的かつ最重要文献。
「あからさまな」差別と対比され、あいまいな、無意識で見えにくいが重大な結果をもたらす差別を「マイクロアグレッション」として明確に位置づけ、その内容・メカニズムや影響、対処法を明らかにした、いま必読の書。
セクション1 マイクロアグレッションの心理的な表れ方とダイナミクス
第1章 マイクロアグレッションとは何か――人種・ジェンダー・性的指向に対するマイクロアグレッションの表れ方
第2章 マイクロアグレッションの分類
第3章 マイクロアグレッションにより生じる心理的ジレンマとそのダイナミクス
セクション2 マイクロアグレッションの標的と加害者に対する影響
第4章 マイクロアグレッションのプロセスモデル――発生から結果まで
第5章 マイクロアグレッションが引き起こすストレス――身体および精神の健康に与える影響
第6章 マイクロアグレッションの加害者と抑圧――野獣の本性
セクション3 集団固有のマイクロアグレッション―人種、ジェンダー、性的指向
第7章 人種/民族に関するマイクロアグレッションとレイシズム
第8章 ジェンダーに関するマイクロアグレッションと性差別
第9章 性的指向に関するマイクロアグレッションと異性愛主義
セクション4 雇用、教育および心理支援におけるマイクロアグレッション
第10章 職場と雇用におけるマイクロアグレッションの影響
第11章 教育とマイクロアグレッション――教室での人種に関する困難な対話の促進
第12章 心理支援におけるマイクロアグレッションの影響