- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750340678
作品紹介・あらすじ
2011年、中東地域で激発した「アラブの春」は各国の権威主義的政権を崩壊させたが、長年イスラーム世界を支配してきたジェンダー秩序にはどのような変化をもたらしたのか。中東五か国への現地調査を通じて各国の現状をレポートし、今後について分析する。
感想・レビュー・書評
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SDGs|目標5 ジェンダー平等を実現しよう|
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アラブ各地で起こった民主化運動の中から、チュニジア、エジプト、サウジアラビア、バーレーン、モロッコを例にあげ、アラブの春とジェンダーの関連性について論じている。
共和制か君主制か、産油国か非産油国か、などの各国の大きな政治経済の特徴のみでは単純に分析する事は難しく、各国の家族法やフェミニズムの歴史、政府及び立法機関と宗教界との関係性、大統領や国王による采配や政治家の働きかけ、教育予算の大小、純粋な女性の社会進出の為、対外的なアピール、自国内での体裁、9.11の影響、それぞれの国で起きた女性への犯罪への対応、とにかく様々な要素と目的が絡まりジェンダー秩序は各国それぞれの変貌を遂げているし、それぞれの課題が残っているとの事。
あり得ない事だしアラブでもないけど、もしタリバン政権下で運動が起こったらどんな民主化が起こりその中でどんなジェンダー変革が起こったのか、あるいはそのような状況では本当に「100%あり得ない」事だったのか、ふと思った。それはそもそもフェミニズム視点だし、それこそ本著で言及されている男性性の危機という点も視野に入れるべき -
民衆が非暴力によって勝利を勝ち得た場所、タハリール広場において、外国人女性が性的暴行を受け、国際女性の日が排斥され、処女性を証明するための検査のなのもとにデモに参加した女性が性的屈辱を受けたことは革命のダブルスタンダードを示している。