- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652078457
感想・レビュー・書評
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罪と罰、冤罪、裁判員制度、死刑の4章で構成されている。
中高生向けに書かれているので丁寧にわかりやすく説明されており、日本の司法制度の欠点がかなり明確に見えてきたように思う。
昔から、死刑について漠然とした違和感を抱いていた。
人の命は何よりも大切なはずなのに、どうして国が人を殺すことは許されるのか?
その違和感を持つことは、正しいことなのだと思った。 -
やはり森達也はよりみちぱんせの看板著者だ!こんなにわかりやすく書いているのもすばらしい。子供にこそ、よりみちパンセを!!
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「子供にこそ、よりみちパンセを!! 」
賛成!理論社が潰れたのはショックだったけど、イースト・プレスから丸ごと復刊ですってホント目出度い!「子供にこそ、よりみちパンセを!! 」
賛成!理論社が潰れたのはショックだったけど、イースト・プレスから丸ごと復刊ですってホント目出度い!2012/03/07
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死刑だけでなく、司法制度全般の入門書に。中学生にはぜひ読ませたい。
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犯罪は憎い。一生を持って償うべく重い判決が降りて欲しい。
でも、冤罪が存在する限り、死刑制度は危険。冤罪が生まれるメカニズムを解くことが一番大事だと、中学校の頃からずっと思い続けていました。
免田事件や甲山事件など、長年の裁判の上無罪となった事件は、ギリギリのところの運と支援と被告人の健康がなければ、有罪になった可能性があります。
なぜ冤罪が起きるのか。
松本サリン事件で逮捕された男性が弁護士に言われた言葉が掲載されていて、合点がいきました。「警察は犯人を作るところなんだよ」
私は2時間サスペンスを見るのが好きですが、ほとんどのドラマで、2時間の間で誤った容疑が生まれます。
容疑を晴らすために、名探偵や名刑事が存在し、絶対に冤罪でドラマが終わらないことがわかっているから安心してみれるのですが、現在の社会ではこうはうまくいかないことが多いだろうと都度感じています。
昨今、検察のトップの不祥事が大きく報道されました。厳しく隙のない立証をすべき立場であるべき方です。三権分立が破られ、国家が司法に歪曲して介入しているように見えました。
昨今の日本のワイドショーは、冤罪推定無罪を踏まえて報道すべきところを、無責任に情報をリリースしています(判決が下りるまでは、犯人という言葉は使うべきではない)
自分も含め誰しもが、もしかしたら冤罪被害者になる可能性はあります。弁護人と接見できない代用刑事施設があり、取り調べ官が勝手に調書をまとめることが存在する限り。
この本は死刑についてどう思うかを問う本ではありますが、三権分立、刹那的なマスコミのあり方について思考を深めることができます。
個人的には、極東裁判を取り扱ったところが面白かったです。東條英機元首相の太平洋戦争ー死刑までの動きと心情、知りませんでした。
戦争は扇動で生まれるものだと感じました。
ワイドショーはもう見なくないな。。
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死刑制度や裁判員制度についての本。ルビがあるので小学校高学年から読める。中学生あたりにもおすすめしたい。
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資料番号:020201695
請求記号:326モ -
図書館で借りてきた本。
「死刑」の子供版なのかと思ったら、それ以上に「死刑廃止」を全面的に打ちだしている本だった。もちろん、そのことを森達也は分かっている(だって「自分の意見を描きすぎたかも知れない」って最後に書いてるんだもん)。
確かに「死刑」で森達也は、自分は「死刑廃止を唱えたいんだ」って分かって、その後のこれだから、仕方がないのかなーとも思う。あと、子ども向けなので、裁判の仕組みや裁判員制度のことも詳しくページを割かねばならなかったのだとも思う(この本は死刑について考える根拠として新しく導入された「裁判員制度」のため、今、子どもだって二十歳を越えたら裁判員に選ばれる可能性があるんだよ、という話が中心になってる)。
また、中でメディアについて触れているところがあるんだけど、こっちが本業のためやはり説得力はこっちの方があるんだよね(苦笑)「死刑」については、わたしもう「死刑」読んじゃってたので、子ども向けのこれは物足りないのと、死刑廃止の押しつけっぽく思えてしまってイマイチ。。 -
僕は死刑存置国の国民は殺人者だとおもう。法律で罪にならないから殺人犯ではない。だから読んでみた。だから死刑をやめろという結論には達していない。
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(2013.02.06読了)(2013.01.30借入)
裁判員制度についての解説書だと思ったのですが、裁判員制度の導入の前に警察の取り調べの方法や裁判での供述書偏重など、改めることが必要じゃないのか。死刑制度の廃止が必要ではないのか。マスコミの取り上げ方が現実に添った客観的なものではない。裁判で有罪が確定するまでは、容疑者の犯人扱いはやめるべきじゃないのか。といった、司法制度の批判がしたかったという感じの本です。
裁判員制度ではなく、司法制度の問題点を知りたい方にお勧めの本というところです。
国家の必要性、民主義の必要性、罪刑法定主義、等、基本的なところから説明しているので、予備知識がない人でも、理解が可能なようになっている親切な本です。
【目次】
「○○くんが、こんな悪いことをしました。」
第1章 罪と罰
第2章 冤罪
第3章 裁判員制度
第4章 死刑
●ルール(20頁)
できるだけ安全で平等で豊かな社会生活を、できるだけ多くの人が営むため、この社会にはルールができた。
●国家(49頁)
一定の限られた地域内に住む人たちの集団が、自分たちの生命の安全と生活の保障を求めて形成した政治的な共同社会
●民主主義(61頁)
基本的人権の尊重、国民主権の原則、普通選挙の実施、これらがしっかりと保障されることで、民主主義は実現される。
●国家や政府の必要性(63頁)
①もしも国家や政府などが存在しない社会があるとしたら、人は自分の命や財産を守るために、自ら武装せねばならなくなる。
②その結果、多くの人が武器を持つようになる。
③ならばその社会は、かえって危険なものとなる。
④だからこそ安全な生活を守るため、人は自分で自分の身を守る権利の一部を放棄して、武器を捨てねばならない。
⑤また武器を捨てることは、すべての人が一斉にやらなければ意味がない。
⑥すべての人に武器を捨てさせるためには、すべての人が従う共通の権力が必要になる。
この権力が政府や国家だ。
●無罪推定原則(84頁)
誰であろうと有罪と裁判所で宣告されるまでは無罪であると推定される
●日本の非常識(91頁)
「容疑者の顔や名前が当たり前のように画面に出ていました。韓国ではよほど重大な事件でないかぎり、こんな扱いは考えられません」
☆関連図書(既読)
「裁判員法」船山泰範・平野節子著、ナツメ社、2008.06.09
「裁判長!おもいっきり悩んでもいいすか」北尾トロ・村木一郎著、文藝春秋、2009.05.15
「あなたが裁く!「罪と罰」から「1Q84」まで」森炎著、日本経済新聞出版社、2010.11.05
(2013年2月6日・記) -
そういえば、陪審制度始まっているから、
いつ呼び出されてもおかしくないんだな。
玄人でも冤罪事件とか起こるのに、
素人のわたしとかが、
人を裁くことなどできるのだろうか?
言葉は簡略化され、思考も簡略化されて、
死刑が薄いベールに包まれて見えなくなったら。
スイッチ一つで人の命を吹き消せる様になる、のか。
ビヨーク目当てで観に行った「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。観終えたらヘトヘトにな...
ビヨーク目当てで観に行った「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。観終えたらヘトヘトになってしまった。やっぱりラース・フォン・トリアーは肌に合わない。合わないけど「死刑」は嫌だと心底思った。。。
でも陰惨な事件で子どもが被害に遭うと、考えを翻しそうになる。