江戸時代の医師修業: 学問・学統・遊学 (歴史文化ライブラリー 389)
- 吉川弘文館 (2014年10月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642057899
感想・レビュー・書評
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京都の医師文化に若干の興味があって読了。各藩での医師の確保事情や京都留学のあれこれも結構面白く読んだんですが、後半出てきた種痘法の普及史が面白かった。事実の羅列なのに反発も受けながら種苗を絶やさず世に広めていくさまが熱くてよしながふみ『大奥』の世界でした。
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■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001045935 -
【目次】(「BOOK」データベースより)
医師の身分と学問ープロローグ/医を学ぶ場所ー専門教育機関の設立(医療環境の成熟と専門教育機関/彦根藩医河村家の学問/「京学」-京都の医界に学ぶこと)/ある地方医師の京都遊学ー日記史料をよむ(名医を輩出した越前国府中領/府中領の医療環境/京都へ向かう、入塾先を決める/新宮塾の講義とテキスト/苦境をきわめた京都遊学/府中医師にとって遊学とは)/変質する医療環境ー近代医学への胎動(種痘普及という画期/安政期福井藩の医学教育改革)/医師環境の近代化を準備したものーエピローグ -
江戸時代の医療の実態を彦根藩・福井藩に焦点を当てて、説明しています。藩ごとに差はあるのでしょうが、当初の予測より、ちゃんとしていたという印象でした。勿論、当時の制度の中での限界が多いですが、良心的に運営されていたと思います。実際の実行は別として。19世紀のレベルで考えると、西洋と比べて遅れていることは事実ですが、いち早く種痘を実施するなど、維新前もなかなか頑張っている印象でした。
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よく調べています。
どこの学統に属して学ぶかが医師になるための道だったのですね。
学閥がすでにあって、お互いに競い合う世界だったようです。
遊学制度もあり、今よりも昔の人の方が学問に対する意欲はあったのかもしれないと思う。