マクロ経済学 (New Liberal Arts Selection)
- 有斐閣 (2010年4月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (742ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641053724
作品紹介・あらすじ
現代人と現代社会に対する全体的な洞察力を養うための、古典的「教養」の枠を超えた新しい大学テキスト。
感想・レビュー・書評
-
経済学の入門を終えたばかりの初級者でも本書にじっくり取り組めば、中級レベルまでのマクロ経済理論を理解することができるだろう。非常に丁寧な記述は独習者の良き羅針盤となり、彼らに多くの恩恵をもたらすに違いない。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すっかりマクロの知識が落ちてきたので復習を。数年前なら中谷マクロがど定番だったけど、今買うなら断然これなんじゃないかな(マンキューとかクルーグマンとかの翻訳もよい)。
これの良いところは、とにかく説明が手厚いところ。マクロで使われる概念の背後にある考え方や根拠がしっかり書かれている。通読して全体像を把握し、辞書的に細かいところを確認するというかたちで、学部の1年から4年まで使えそう。
また、国民経済計算とか国際収支統計に関する解説が充実してるのもいいところ。大概のテキストは、ささっと流してIS-LMモデルに入ってしまう。あまりわからないまま過ぎてしまうし、あとのIS-LMモデルとかAD-ASモデルとかとの関係もはっきりしない。その点手厚い説明であとの繋がりもよくわかる。新聞とかの時事問題に出てくるのも、結局はこのへんだからね。 -
マクロ経済学の入門~中級書。経済学者にも評価が高い(「経済セミナー」2010年12月号他)。
数式による証明と、グラフによる分かりやすさを両立している。また、実際のデータにより検証も行っている。以上の代わり、字が小さくなっている(特に後半)。
標準的なマクロ経済モデルから、近年有力となっている「ミクロ的基礎を有するマクロ経済学」(章末に文献案内有り)まで説明している。
筆者達は、新しいケインジアンと新しい古典派の最大公約数(不況の場合は財政・金融政策は正当化できるが、節度を保つべきである等)の立場に立っている。最近のマクロ経済学の批判に迎合せず、理論と現実のずれを丁寧に埋めていくしかないと主張している。 -
日本語で書かれたマクロ経済学の学部レベルの優れた中級書。マクロ経済学初心者には少しハードルは高いと思われるが、学生時代にマクロ経済学を学んだことのある社会人ならば、本書を自力で読み進めることは十分可能と思われる。
ボリュームがある本だが、特に第Ⅳ部のマクロ経済の動学的視点は必読。(自分もそうだが)昔々にマクロ経済学を勉強した人間の「マクロ経済学≒IS-LM分析」という時代錯誤も是正してくれる。
一部のいい加減なエコノミストの書いた本(新書レベル)を何冊も読むより、本書をじっくり読みこんだ方がはるかに役に立つことは間違いない。
難点は余白が少ないことと、第Ⅳ部以後の小さな字体 。厚さを抑えてできるだけコンパクトにまとめようという編集方針だろうが、これがかえって頂けない。余白に関しては個人差もあるだろうが、私は本にかなり書き込みをするので、ある程度の余白がある方が嬉しい。小さな字体は(若い方は問題ないと思われるが)、私のような多少年齢の高目の社会人にはややキツイ。余白はともかく、字体は大きい方が絶対読み易い。その結果、分量が増えたり分冊になったとしてもまったく問題ないと思うのだが。 -
大学院生まで使えると著者も言っている通り、初級者にはレベル高いです。今読んでる初級ミクロ、マクロ、国際貿易、金融の理論を終え、他のすそ野やを広げる本を読んだ後、戻って来ようと思ってます。スパイラルでいったら、2回目のスパイラルか。CFA LEVEL2ぐらいで役立ちそうな一冊です
-
もう二版が出ているのに初版を積ん読したままやっと読了。
大学4年分のマクロ経済学はこれで十分かもしれないがやや冗長で読み切るのに労。
持っておいて損はなく持っておくべき本だが主軸は別の本にしたほうがよいか。 -
331||Sa
-
2010年刊行の、micro-founded macroeconomicsを扱う中級くらいの教科書。本自体分厚く文章もやや眠たい感じながら、めちゃくちゃ整理されていて有用。
-
マクロ経済学の初級〜中上級までをカバーするとても網羅的な本。他の教科書では書いていないような、かゆいところに手の届く本でもある。反面、日本語がちょっと微妙なので「これどういう意味だ??」みたいなところでちょいちょい躓くのと、少しややこしい内容となっていて教育的にあまり宜しくない部分があったりする。とはいえトータルで評価すれば良書である事は間違いない。
-
大変、お世話になりました。