音楽の正体

著者 :
  • ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784636208788

感想・レビュー・書評

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  • 一言で言うと、非常にわかりやすい音楽理論の本。
    これ以上わかりやすい本、ないんじゃないの? (3冊くらいしか読んでないけど)

    楽典に関する本は2冊ほど読んだけど、レビュに書いたとおり、こういうのはこういう名前がついてるから覚えろ。
    という内容であり、だから(小学校での勉強的な)音楽は嫌いなんだよ。
    ということになりがちであった。

    「V度はI度に解決する。」
    とか言われてもなぁ。
    「なんのこっちゃ。」
    となるよなぁ。しかし!
    「シはドに行きたがるでしょ?」
    と言われれば、
    「確かに!」
    となるよなぁ。

    たったそれだけのことが大事なんだよね。
    V度の構成音を分解し、第3音の重要性と、V度の第3音が導音となっていることを説明するだけでなぜV度がI度に解決するのか。全終始となるのか。
    感覚的によくわかる。

    そんな感じで、(サブ)ドミナントとかドッペルドミナントとかイ音とか保続音とかカデンツとかヨナ抜きとかがひとつひとつ丁寧に説明されている。
    しかも誰もが知ってる曲で解説されているからわかりやすい。

    比喩も世俗的だがわかりやすい。
    特に標題音楽と絶対音楽の説明における、鳥の絵の比喩は秀逸。

    以前、「よくわかる楽典」を読んだときに落ちかけたが落ちなかった目のウロコがだいぶ落ちた。
    あと一息だ。

  • クラシックとポップスの基本的和音進行
    Iは何にでも進める
    IIはVにしか進めない
    IVはVI以外の何にでも進める
    VはIとVIにしか進めない
    VIはI以外の何にでも進める
    ただし、ブルースはG→F→Cで閉める。

    和音の第3音は、メジャーとマイナーを識別するために重要な音。ドミナント(V)の第3音のシは主音ドのひとつ下の音なので、導音と呼ばれる。導音を省略して、あえて不安定な印象を与えることができる(Let It Be、海を見ていた午後、ラベル、ドビッシー)。

    ドミナントのト長調に転調し、そのドミナント(D)を使うと楽曲の安定感を強調することができる。ト長調の主音からハ長調の主音に戻すことによってドッペルドミナントとなる(D→G→C)。
    V度の和音以外の和音のドミナント(副五度)を使うことで、臨時に転調した効果をもたらすことができる(A→Dm、B→Em、C→F、E→Am。赤いスイートピー、時代)。

    非和声音のうち、経過的、補助的、前の小節から続いて使われるのではなく、いきなり準備なく使われると渇望感を与えて泣きの印象を与える(倚音。津軽海峡冬景色、港町ブルース、Moon River、The Way We Were)

    長調の曲の中に同主短調を用いると、陰陽の抑揚を付けられる。よく使われるのは、Dm-5とFm(上を向いて歩こう、innocent world、Alone Again)。

    音楽の構造であるカデンツの基本パターン
    I→V→I
    I→IV→V→I
    I→IV→I
    和音の根音と第3音を共有する代理和音(I→VI、IV→II)に替えたり、後ろに加えることによってバリエーションをつけることができる。
    I→II→V→I
    I→IV→II→V→I
    VI→IV→V→I
    I→VI→IV→V→I
    I→VI→IV→II→V→I

  • 2016.4.16市立図書館
    和洋のポピュラー音楽の楽譜を紐解きつつ、音楽理論をわかりやすく楽しく説明してくれる本。
    もとは1993年の深夜番組だったものをまとめたらしい。
    音楽は将棋と同じで和音(コード)の進行にもルールがあるとか曲の終わり方は2種類しかない、ということを知って音楽を聞くとまったくちがう世界が感じられる。演歌のこぶしと倚音、サッカーの試合の組み立てとカデンツ、和音のIはトニック(夫)、Vはドミナント(妻)でIVはサブドミナント(愛人)というたとえ話も頭に入りやすい。
    (ドは父さんで、ソが母さん、あいだにいるミがこどもで、ラは愛人、という音階家族は宮川彬良説だけど、おたがいに知っているのだろうか? アキラさんもどれみふぁワンダーランドやハピリーくらしっくの内容を本にまとめたらいいのになぁ)

  • これはすごい。
    音楽をやる人は絶対損しない

  • 単に面白さという点で、☆5つ

  • みんなが知ってるヒット曲を例に取って、効果的に使われているコード進行とか(偽終止とか副五度とか導音省略ドミナントとかイ音とかカデンツとか転回形とか…)を、理論を全然知らない人でも読めるように非常に簡単に読みやすく解説するという本。コード進行以外の話もある。なかなかおもしろかった。

  • <p>昔フジTVの深夜に放送してたのを何度か見たことがあって書籍化されたら買おうと決めてたのにいつの間にか忘れて十数年経っていた。そして行きつけのブックオフでめでたく再会を果たしたのでした!</P>
    <p>何が書かれているかといえばポピュラー音楽理論なんだけど、これだけかみ砕いて分かり易い例えを多用したものは本書が初めてだったのではないだろうか? <p/>
    <p>ただし、音楽の知識が全く無い人、例えばギターが弾ける人でもコード譜を見て弾くだけとか、パワーコードばかりで3度なんて知らねーとか言ってる人には理解不能だと思う。最低でもコードの構成音くらいは暗記してから読みたいものです!</p>

  • 音楽の変遷を全ての分野についてわかりやすく説明した書物。フジテレビ深夜での番組にもなった。

  • 読み途中。

  • そうきたか?!という方向から攻めてくる音楽理論の本。
    とにかく読みやすいし、例えはおもしろいし、オススメです。

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