美しき小さな雑草の花図鑑

著者 :
  • 山と渓谷社
4.19
  • (36)
  • (26)
  • (14)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 635
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635550123

作品紹介・あらすじ

植えてもないのに勝手に生えて、どんどん増える厄介な草。そんな植物を、私たちは「雑草」と呼んでいます。庭や道端など身近な場所に生えているにも関わらず、人は目もくれずに通り過ぎます。雑草なんか見る価値もない。そう思ってはいませんか。いいえ。足を止めて手を伸ばし、目を近づけて見てください。雑草の小さな花がこれほど美しく繊細で、しかも個性豊かであることに、きっと驚くことでしょう。あなたのすぐ近くでけなげにたくましく生きている雑草たち。片隅で生き抜こうとする懸命さが、小さな花を美しく輝かせています。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なんと美しくて愛しいのでしょう。
    普段気にもとめない、それどころか邪険にしていた存在の雑草たち。
    いやいや、雑草なんて名前の植物なんてないですね。
    この本に紹介されているのはそれぞれ違う特性と小さくとも可憐なお花を咲かせる生き物。

    ブラックの背景にお花の写真がドアップで載っているのですが、この写真がちょっとスゴいんです。
    「大きさ数ミリから数センチの小さな雑草の花を被写体全面にピントがあう深度合成という手法で撮影」されたそう。
    いままで見たことのないような、くっきり鮮やかな姿が拝めます。
    ずうっとうっとりと眺めていられそうです。

    図鑑、というだけあって微に入り細にわたっての説明やコラムは知的好奇心も満たしてくれます。
    じっと観察し、分解したり、食べたり。
    文を書いている多田さんの愛情が伝わってきます。

    ラストの文にもあるように、まさに宝箱。
    子供の頃、お菓子の缶の中に、自分が綺麗だと思ったものを厳選して集めていた事を思い出しました。

    なんでもない、そこら辺にあるものがキラキラと輝く宝物になる。
    そんな本だと思いました。

    この本はブクログで出会いました。
    こんな素敵な本のレビューを書いてくださった方に感謝します。

    • 5552さん
      chikako0420さん、ありがとうございます。
      とても素敵な本です。
      機会があれば是非ご覧になってください!
      chikako0420さん、ありがとうございます。
      とても素敵な本です。
      機会があれば是非ご覧になってください!
      2018/09/07
    • nejidonさん
      5552さん、こんにちは(^^♪
      わぁお!この本をお読みになられたのですね!
      感動がしっかり伝わるレビューです。
      私が子供の頃は、図鑑...
      5552さん、こんにちは(^^♪
      わぁお!この本をお読みになられたのですね!
      感動がしっかり伝わるレビューです。
      私が子供の頃は、図鑑というとちょっとマニアックで退屈なイメージがあったのですが、
      この本を読んで時代がまるで変わったのを感じました。
      こんなに綺麗で楽しい図鑑なら、どんどん
      見てみたいものですね。
      5552さん、レビューありがとうございます。
      2018/09/07
    • 5552さん
      nejidonさん、ありがとうございます。

      いえ、ほんとうに一目惚れでした。この表紙に(^-^)
      コンセプトも好みで、すぐに注文して...
      nejidonさん、ありがとうございます。

      いえ、ほんとうに一目惚れでした。この表紙に(^-^)
      コンセプトも好みで、すぐに注文して少しずつ読んでました。

      そうですよね。
      今の図鑑は見た目もおしゃれで、なおかついろんな見せ方のものがありますよね。
      ブクログ見ていても、いろんな図鑑があるなあ、といつも感心します。
      また、今のものは写真がものすごく綺麗!
      技術の進歩に驚きますね。
      2018/09/07
  • 黒をバックにした写真がそれは美しい。
    驚くのは、被写体のすべての部分にピントがきっちり合っていること。
    咲いた花を真上から撮るなど図鑑ならではの撮り方であり、通常では考えられない。
    ところがこれが大成功しているのがこの本で、おかげでミクロの世界まで観察できてしまう。
    それも、目の前で息づいているかのように生き生きとその構造をとらえている。
    数々の植物図鑑と様々な山野草辞典や樹木図鑑を揃えて読んで来たけれど、もう脱帽。

    花は、全体像をとらえたものと、横向きと花の真上からの、3種。
    更に、花後の実の姿もとらえられている。
    それぞれに添えられた解説がまた素晴らしくて、とても図鑑に載せる解説とは思われないほど。

    例えば夏の宵口から咲き出す「カラスウリ」の花について。
    『野辺が夕闇に包まれるころ、花の白い婚礼衣装の裾は目に見えるほどの速さで広がります』
    で始まる。そして最後は、
    『わずか一夜の花ですが、めでたく逢瀬が成功すれば秋には小さな朱赤のハロウィンランタンが
     つるに灯されます。』
    と締めくくっている。
    愛しくてたまらないという、野の花に抱く思いがこちらにもストレートに伝わってくる。

    黄色い花、白い花、青・紫の花、赤色の花、緑・茶色の花、の順にまとめられており、それぞれの間にあるコラムも読みごたえがあって楽しい。
    小さな花たちへのたくさんの愛情をこめて作られた一冊。

    刈り取っても刈り取ってもホラーのように増え続けるヤブガラシの花を、ここで初めて見ることにもなった。こんなに可愛いだなんて、知らなかった。これじゃもう刈り取れないわ・笑

    • 5552さん
      nejidonさん、こんにちは!
      どストライクの本で若干興奮気味です(^-^)
      愛らしすぎる~とメロメロです。

      ちょっと前、気にな...
      nejidonさん、こんにちは!
      どストライクの本で若干興奮気味です(^-^)
      愛らしすぎる~とメロメロです。

      ちょっと前、気になる雑草がありました。
      道の側溝の鉄格子から真っ直ぐに延びていて、薄紫の小さな花がスパイラル状に並んでいる花。
      あの花の名前なんだろう、と思っていたら、Amazonのこの本の紹介欄にお姿とお名前が!
      『ネジバナ』....なんてストレートな。
      もっと可愛い、ロマンティックな名前がついているかと(笑)
      まあ現実なんてそんなものでしょうね(苦笑)
      「オオイヌノフグリ」や「ホトケノザ」も名前をつけた方の気持ちを知りたいです(^.^)
      でも名前を知るともっと愛しくなりますね。

      春はお花たちの季節ですねー。
      nejidonさんの『桜の本』の連続レビューも「一足早い桜祭りだっ♪」とちょっとはしゃいでました(*>∀<*)
      今週末は桜日和のところが多いですね。
      静かにうっとりと敬意をもって眺めたいものです。

      2018/03/24
    • nejidonさん
      5552さん、こんばんは(^^♪
      コメントありがとうございます。とても嬉しいです!
      どストライクでしたかー。良かった良かった!
      この本...
      5552さん、こんばんは(^^♪
      コメントありがとうございます。とても嬉しいです!
      どストライクでしたかー。良かった良かった!
      この本の写真は本当に綺麗なんですよ。
      レビューだけでは伝えきれない部分もありますので、ぜひ手に取ってみてくださいませ。
      ハンディサイズなので、持ち歩きにも便利だと思いますよ。

      私もさっそくAmazonに見に行ってみました。
      本当に画像付きで解説されてましたね、びっくりです!
      私の方では、この花は「もじずり」と呼びます。「ネジバナ」って呼ぶ人もたまにいます。
      ピンク色のが一般的ですが、白もあるんですよ。どちらも可愛いですよね(^^♪
      「さくら」からのシリーズレビュー(笑)は、季節の先取りです。
      咲く前に読んでいただくともっと良いかなと思いまして。
      5552さんはお花見に行かれますか?
      ほんの短い期間しか見られないので、なんとかこの眼に焼き付けたいものです。
      ありがとうございました。
      2018/03/24
  •  小学生の頃、植物図鑑を毎日のように眺めていた私。植物好きの父の影響もあり、植物を外で観るのが、今でも大好きです。
     雑草の小さい花もよく観察していたつもりでしたが、この本の写真には驚き!隅々までくっきりはっきり、まぁ何と美しいこと!こんなふうになっていたのね!と感動しました。
     毎日の散歩での雑草観察が、ますます好きになりそうです。ケータイのカメラにマクロレンズ付けてみたいです。

  • 雑草をミクロで見る世界は意外に華やか。見てて癒される。実用には不向き、愛でるのに向いている。

  • 背景が黒なのがユニーク。そこに惹かれて買った。一つ一つの花が大きく見ることができ、最高。キュウリグサ、かわいいぞ!

  • 深度合成という手法で撮影された、雑草の花の図鑑。
    白・赤と、色別に紹介、基本的な情報は簡潔。
    目立つのは、和名と大写しの花。実物大の写真もある。
    雑草は庭の大切な脇役・・・そんな彼らがこの本では主役です。
    よく見て!こんなに美しいのよって、雑草が主張しています。
    まさに自然の造形美で、生命の瑞々しさまで感じます。
    花ごとの解説やあちこちにちりばめられたコラムも楽しい(^^♪

  • Amazonプライムで無料でダウンロード。PC、タブレットでは非常に綺麗に見える。外出先で携帯で検索して見たいのだが、やはり小さくて難しい。本で見た方が良いかもしれない。不満としては、花の数が少ない事で、本の携行を考えると多すぎると難しいし・・

  • 【子ども科学電話相談 先生名鑑】多田多恵子先生 - 枕然記
    https://kokoro-afinadora.hatenablog.com/entry/2019/04/27/175841

    美しき小さな雑草の花図鑑 | 山と溪谷社
    https://www.yamakei.co.jp/products/2815550120.html

  • 題名のとおり、美しき、小さな、花々。力いっぱい生きている。

    表紙左、大きいピンクの花は「犬蓼(イヌタデ)」別名アカマンマ タデ科イヌタデ属

    これは庭の端とかたんぼの畔とか木の下とかよく見ます。小さい花瓶に挿して楽しんだりもしてますが、このピンクの花がいくつもついているので、こんな美しい顔をしているとは思ってもみませんでした。
     香辛料とされタデに似てから区内ので犬とついた、とあります。イヌなにがし、という名が植物ではよくありますが、本当の○○じゃない、という時にイヌ○○とつくみたい。

    水色の花は「胡瓜草(キュウリグサ)」
    ムラサキ科キュウリグサ属
    つぼみのうちは花々がまとまって、次第にまっすぐ伸びながら花がばらける。このばらけた写真で初めてわかった。あるある・・ 花壇に。ちょっときれいだな、とは思いつつ抜いていた。

    その下の黄色は「狐の牡丹(キツネノボタン)」
    キンポウゲ科キンボウゲ属
    これもよく見ます。全体像の写真をみるとわかる。丸いぷちぷちの実も記憶にある。が、花は黄色い花、としか認識してなかった。

    右上きみどりっぽいのは「藪からし(ヤブガラシ)」
    ブドウ科ヤブガラシ属
    これも全体をみて分かりました。この小さい花がいくつもついて咲きます。

    右下は「掃溜菊(ハキダメギク)」
    キク科コゴメギク属
    これも、全体像をみると、ああ、よく見るな。この花弁の付き方、こんなだったのか。街のほこりっぽい道路際でよく見かけるアメリカ原産のもの。たしかに塀際の少しの土に生えている。


    2018.2.15初版第1刷 図書館

  • 雑草の図鑑は多いのだが、その中でも「花」に焦点を当てて紹介した図鑑。
    小さい花々を拡大して見せられると、そこに美しい世界を見出すことができる。

全51件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東京都生まれ。東京大学大学院博士課程修了、理学博士。現在、立教大学、国際基督教大学、東京農工大学、早稲田大学非常勤講師。植物の繁殖戦略、虫や動物との相互関係などをフィールドでワクワク調べ、自然観察会やNHKラジオ「子ども科学電話相談」、本や図鑑、絵本の出版など広く啓蒙活動にも力を注いでいる。科学的な植物の知識の普及に貢献した功績により、第29回(2021年)松下幸之助花の万博記念賞松下正治記念賞を受賞。著書に『したたかな植物たち』(春夏篇・秋冬篇、ちくま文庫)、『美しき小さな雑草の花図鑑』(山と溪谷社)、『種子たちの知恵』(NHK出版)、『図鑑NEO 花』(小学館)など多数ある。

「2021年 『野に咲く花の生態図鑑【秋冬篇】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

多田多恵子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×