脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流

  • 山と渓谷社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635310413

感想・レビュー・書評

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  • 地球温暖化やプラスチック汚染の現状、積極的な取組をしている国や企業の話など、環境問題に関する情報が詰め込まれている。そして分かりやすい!

    先日読んだ『プラスチックスープの海』では、私達が使い捨てた(意図していなくても!)プラスチックが、遥か彼方の海を汚してしまっているという事実に驚いた。

    『脱プラスチックへの挑戦』はその7年後の出版ということもあり、世界中の国や企業が脱プラスチック・脱炭素に向けて既に様々な行動を始めていることが書かれていて希望が湧いてくる。

    しかし、環境政策では日本が国としては出遅れてしまっていることを残念に思う。なぜ海洋プラスチック憲章に署名しないのかな?なぜ火力発電所を新しく建設するのかな?
    日本の企業は国際的な枠組みで競争しようとしている。私達一人ひとりも、関心のある無しに関わらず、ゴミを分別したり、エコバッグを持参したり、節電したり…ちっちゃいことかもしれないけれど取り組んでいる。エコという言葉は私たちの身近に溢れているのに。
    いろんな利害関係もあり、政治的には難しいことがあるのかもしれないけれど、一般人の私は素朴に疑問に思う。せめて、外国の人に「なぜ日本は署名しないの?」と聞かれて理由が説明できるようにしてほしいな。

    最後に、地球温暖化については、現在の地球の状況が危機的かどうかに議論があるので、専門家でない私は温暖化危機派の主張を鵜呑みにせず、別の意見についても読んでみようと思っている。

  • プラスチック問題と気候変動についてとても分かりやすく世界の情勢も交えて書かれていた。太平洋ゴミベルトからゴミを回収する取り組みは画期的でさらに進んでほしい。また政策の力によって欧米では脱ブラの動きが加速しており、法律や予算など行政ができる力の大きさを感じた。「ピッチがなければサッカーはできない」ということばが印象的で、環境は経済を支えるものであるし、また、市場のルールなどをカーボンプライシング等も導入して環境対応を加速させていく整備がさらに重要になり、日本も力を入れるべきだと思った。一方で、公正な移行を実現するには一部の産業や雇用は縮小あるいは消滅していくと考えられるが、その産業を担った人が困らないよう職業訓練や新たな成長産業への移行を支援することが必要だろう。

  • 論点を経緯から分かりやすく解説してくれる良書。本著を読めば、いかに日本が遅れているか、小泉進次郎のエコバッグ論争も決して間違いだった訳では無いような気がしてくる。しかし、問題の多面的な考察が足りない事、課題が混同されている点が気になる。

    先ず、脱プラスチックの問題と、地球温暖化、気候変動が論拠定まらずに絡み合っている。後者は、海水温度上昇による水蒸気が最近の気候変動の原因としているが、因果関係をもう少し科学的に知りたい。それと、太陽の活動周期による影響、熱帯雨林のレジリエンス、または、脱プラスチックについて言えば、サーマルリサイクルを含むとしても80%以上はリサイクルされ、残りは廃棄される日本のプラスチックが、どうして海に流出するのか。2030年までに1.5度上昇が危険だとする基準は。

    確かにマイクロプラスチックが生態系に入り込み、体内に濃縮されていくのは怖い。だけれど、排泄されないの?という疑問もある。日本のエコバッグ論争にしても、実質的な効果が分からないから、こうした論が起きる。だからこそ、一方的な内容ではなく、こうした疑問を回収できる内容ならば、尚、良かった。

  • 戦後便利な生活にすっかり慣れてしまった私たちには耳が痛い話ばかり。

    高度経済成長期に某企業で働いていた母の話では、当時プラスチックの金型を作る部署にいたそう。そこで既に、廃棄プラスチックの問題は話題に上がっていたのだそうだ。にもかかわらず、当時は農家の副業として、さまざまなプラスチック製品を作ってもらうための部署だったという。地方から集団就職で都会に出た高卒女子の一証言である。

    ということは、そこかしこで現在の汚染の原因を作りまくっていたということだ。なんということか。

    この書籍はNHKの番組のまとめ的な一冊。どの章も読みやすい。そして、私たちが取り組むべき課題が何であるか、章末にまとめられているのが教科書的である。

  • プラスチックが海洋に流出することによる生態系への影響、マイクロプラスチックによる有害化学物質の生物体内への蓄積、古くなったプラスチックゴミのメタン排出など、プラスチックが適正に処理されないことによる環境負荷に始まり、これを回収しようとする取組、脱プラスチックのためのレジ袋やペットボトルなどの使い捨てプラスチックの禁止、ケミカルリサイクルなどの取組への言及を経て、地球の限界である「プラネタリーバウンダリー」を突破してしまう日は近いことが巨大な脅威として語られる。ティッピングポイントと言われる不可逆的な変化をもたらす閾値を超えると、極地の氷床の融解、永久凍土からのメタンガス放出、ジャングルの砂漠化がドミノ倒し的に生じ、海面の大幅な上昇と台風や豪雨災害の激甚化によって人類文明の危機まで訪れるというシナリオはそれなりの訴求力と説得力があった。
    必要なことはすぐに行動を起こすことであり、現在の人類社会を見るに、市場経済の仕組みのなかに環境負荷へのコスト(カーボンプライシングなど)を課する装置を含めることで劇的な変化も可能ではないかと希望を見いだす。携帯や禁煙の急速な変化と同じようなことを、循環型や脱炭素そのものを強力なブランドにすることで達成できるのではないかとの主張には希望を感じた。

  • 2023年1-2月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00549644

  • 堅達さんの脱炭素革命への挑戦の後に読んだ。2019年の本で少しだけ古い情報。脱プラと脱炭素、半々くらいの内容。我々人類に残された時間は少ない。回収されたプラがほとんどリサイクルされてない問題、なんとかして欲しい。海洋プラ、なんとか回収したい。オーシャンクリーンナップ社、応援したい。ケミカルリサイクルの技術すごすぎる、頑張ってほしい。日本も早くプラ禁止の法律作ってほしい。子供たちに未来を残したい

  • 【信大の方のみ】電子ブックはこちら
    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/Shinshu/bookdetail/p/KP00041921
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  • プラスチック問題で地球がどう変化しているか、世界がどう動いているか。プラスチック消費世界2位の日本。
    私達が分別している、家庭ゴミ【プラスチック】約98% が焼却されている。日本はコレを熱燃料とし、リサイクルされているとなっている。
    溶かして新しいペットボトルになると思っていたが、違った事にびっくり。ソレはリサイクル?の疑問。
    海に出来た、太平洋ゴミベルト。魚よりもプラスチックが海での比率を上回る未来。プラスチックを摂ることの食物連鎖で起こる、健康被害。
    もう他人事ではない。多くの人がこの環境問題を知り、個々が意識し、考えていかなければならない。

  • 【図書館の電子書籍はこちらから→】  https://kinoden.kinokuniya.co.jp/tit.library/bookdetail/p/KP00041921

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著者プロフィール

1965年、福井県生まれ
早稲田大学卒業
1988年、NHK入局。
金沢放送局勤務のあと、1991年より、東京の報道局でディレクターとしてドキュメンタリー番組の制作に携わる。
主な作品に
NHKスペシャル「故郷いのちの日々」(1993年5月放送)など。

「1994年 『失われた思春期☆(祖国を追われた子どもたち)☆』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堅達京子の作品

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