ドキュメント 道迷い遭難 (ヤマケイ文庫)

著者 :
  • 山と渓谷社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635047883

作品紹介・あらすじ

道に迷い、何日間も山中をさまよう恐怖は、計り知れないものがある。おかしいと思いながらずるずると先へ進み、引き返すことができず、そのまま沢を下降し続けて遭難してしまう。そうした誰もが陥りがちな道迷い遭難から、7件の事例を取り上げ、原因を探り、未然に防ぐ方策を検証する。実例から学ぶことで、遭難防止、安全登山を呼びかけ、大きな反響を呼んだシリーズの文庫版。

感想・レビュー・書評

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  • 私自身が単独行が多いので読んでいてとても怖かった。ありえると思います。気をつけてはいますがヒヤッとしたことも何度か。ガーミンやスマホでGPSはオンにしていますが、もっともっと慎重に行動しようと思います。

  •  山岳遭難でよく聞く、雪山での遭難などではなく、「道迷い遭難」が40%を示すそうだ。
     名前の通りちょっと道に迷い、そうしてそのまま遭難してしまう。
     この本は道迷い遭難に遭い、帰還した人たちから話を聞いたドキュメンタリーである。

     「家族に心配をかけると思って」「このまま頑張れば夕方までには帰れるんじゃないかと思って」というケースが多い。そして、沢を下る。遭難したときは峰に上れというが、不安なとき、安心できそうな道、帰れそうだからと下るケースは本当に多いのだろうなと思う。
     ダメなときはダメ、不安なら不安、引き返しても大丈夫な体力、余裕がないと山は危険なのだなぁと思った。
     この本を読んでよかったと思う機会にはあいたくない……。

  • ボーイスカウト活動の指導者の会合で紹介された本。本格的登山だけではなく気軽な山歩きでもふとしたことから遭難してしまうケースの実例が紹介されている。いずれも生還しているが本当に一つ間違ったらあぶないという件ばかり。私自身は一番小さな子たちの担当なのでそこまでの場面に遭遇することはまずないけれど、本当に「引き返す勇気」の難しさや「まさか自分がそんなことに」という人間心理をつきつけられた。ちょうど各地で災害が起きていて、その時にも同じ人間心理がテレビで紹介されていたので、ますますの戒めとして肝に銘じたい。

  • おかしいなと思ったら引き返せ。
    沢は絶対に下ってはいけない。
    一般的な人間の心理を知っておくことはとても重要だ。

    2017.8.26

  • 久しぶりに遭難本。
    リアルな話は登山をしない私も引き込まれて読んでしまう。
    色々遭難本をよんで知識だけは増えていく。

  • 山に登るのは止めよう、と言う感想しか出なかった。
    山で道に迷って遭難したけど運良く生き残った人たちのレポート。
    本当に良く生きてたなってだけの人もいれば、集団のはマスコミ遭難だし。

    そして私は道に迷ったらパニック起こすだろうしそもそも気付けないし、絶対に死ぬ側の人間だから最初から止めておくしかない、ってことはわかった。

  • 道に迷うのはあるけど。その時、地図で場所を確認する、頑張って来た道を戻る、沢に降りない。わかってはいるけどいざ実際、戻れるかと言われたら…その時に変なバイアスが働いて。このまま下れば温泉に着くはずとか全然違う場所を思って降りてしまうことがある。
    やはり人間の力なんて自然に入ったら本当にちっぽけだし、過信しちゃいけないなと思う。
    ハイキング気分で遭難した親子は助かって本当によかった。

  • 山に登らないけれど、目の前に遭難者の方がいるような本だった。怖い。

  • 山の中でのフィールドワークが多いため参考として。険しい冬山で異常気象に襲われての遭難からちょっとしたピクニック気分で行けるような道から深淵へ踏み入れてしまったパターンまで載っているが、いずれも理由は知識不足、本当に『ちょっとした』判断ミス、など誰の身にも覚えがあるような事。自分はそこまで深い山に入る事は少ないもののその意識こそが遭難に繋がりかねない、と感じた

  • 全員生還しているので安心して読めるが、凍傷で指を失った人の話は生還したからこそ、痛みや凍傷に至るまでの様子が克明で怖かった。
    迷ったと気づいたら登り返す、沢に降りない。本を読むまでもなく知っていることだが、それを知りつつ降りてしまった人達の心境が、ああ自分も同じ状況になったら同じことをやってしまいそうだ、と思わせる。
    ここに書かれている何件かの事故を読んでいて思うのは、やはり雪山でもなければ、怪我をしなければ生還できる可能性が高いなあ、と。
    この本で本格的に死にそうになっている人は皆、下に下に下り沢にあたって無理に沢を降り、滑落した人だった。つまりは、体力がなくて厳しくても、結局は迷ったと気づいたらすぐ引き返すことが重要……と最初からわかっていたことを改めて思った。

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著者プロフィール

1961年埼玉県生まれ。ノンフィクションライター。長野県山岳遭難防止アドバイザー。山岳遭難や登山技術の記事を、山岳雑誌「山と溪谷」「岳人」などで発表する一方、自然、沖縄、人物などをテーマに執筆活動を続けている。おもな著書に『ドキュメント 生還』『ドキュメント 道迷い遭難』『野外毒本』『人を襲うクマ』(以上、山と溪谷社)、『山の遭難――あなたの山登りは大丈夫か』(平凡社新書)、『山はおそろしい――必ず生きて帰る! 事故から学ぶ山岳遭難』(幻冬舎新書)などがある。

「2023年 『山のリスクとどう向き合うか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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