B.C.220年 帝国と世界史の誕生 (歴史の転換期)

制作 : 南川 高志 
  • 山川出版社
3.83
  • (1)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 89
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634445017

作品紹介・あらすじ

紀元前220年を中心とした世界的古代帝国形成の時代を、西はローマ帝国およびローマに征服された地中海西部、ヘレニズム諸国家に焦点をあて、東は秦漢帝国を取り上げ、同時代の人が「帝国」という現実にいかに対応したかをみる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 宮宅 潔:「中華帝国」の誕生、のみ読了。郡県制の整備で効率的な戦費・調達の兵員が可能となり秦の軍事的勝利を生んだのは確かだが、戦時非常体制のもとで採用された臨時の制度という側面にも注意が必要。統一により「平和」が実現した時、郡県制維持の可否は秦の執政者のあいだでも賛否両論。/本格的な大動員からたった9年間で六国の征服が完了したのは、秦の総合的な軍事力が六国を完全に凌駕していたから/史書の言い分を信じるなら、秦は当初統一を目指しておらず、友好や共存が敵国の裏切りで破綻したため、と。冷徹な計算ではなく生々しい怒りが歴史の転換の引き金を引いた可能性も/秦の地方役人の日記からは、秦の統一事業は記念すべき大事業の完成とは捉えられていなかった/文字や貨幣の統一政策の実効力は大きくなかった。だが政策とは別の次元で確かに進行していた。/といったあたりが気になったところ

  • 標題になっているBC220年からが世界史の始まりとするスタンスだ。これは一つの地域が他の地域と関わりを持ち始めたのがこのあたりの年代ということらしい。
    西洋ではローマがカルタゴと事を構え、東洋では秦が中国を統一して広大な地域の経営に入る。洋の東西を問わず民族も習慣も異なる人々を率いていくには、官僚制が必要だったということらしい。そう考えると日本なんて官僚機構がなくとも何とかなりそうなもんだけど。
    それはともかく、歴史というのは何を意味するのか。特に世界史というとき、それは何に目を向けるものなのか。当然だけど答えは見つかっていない。

  • 歴史

  • ローマが重くて秦漢が軽いのがちょっと不満ではあるが、面白かった。ローマは一日にして成らず、なのね。トーハクで横山大観五柳先生見たからか。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

京都大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科修士課程修了、ハイデルベルク大学哲学部博士課程修了(Dr. phil.)。専門はヘレニズム史、ローマ史、ギリシア語刻文学。京都大学大学院文学研究科西洋史学専修准教授。
主要著訳書
Imperial Cult and Imperial Representation in Roman Cyprus (Franz Steiner)、『古代地中海の聖域と社会』(共著、勉誠出版)、『歴史の転換期1 B.C. 220年』(共著、山川出版社)、『論点・西洋史学』(共編著、ミネルヴァ書房)『生き方と感情の歴史学』(共著、山川出版社)、『岩波講座 世界歴史3 ローマ帝国と西アジア』(共著、岩波書店)、クリストファー・ケリー『1冊でわかるローマ帝国』(岩波書店)

「2023年 『古代ローマ人は皇帝の夢を見たか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤井崇の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×