斎藤氏四代:人天を守護し、仏想を伝えず (ミネルヴァ日本評伝選 205)
- ミネルヴァ書房 (2020年2月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623088089
作品紹介・あらすじ
長井新左衛門尉(?から1533年?)・斎藤道三(1504年から56年)・義龍(1529から61年)・龍興(1547年から73年) 美濃国の戦国大名。
僧侶から土岐氏重臣に上り詰めた長井新左衛門尉。下剋上により美濃国主となった斎藤道三。父親を倒して国威を増した義龍。織田信長の攻勢により敗れた龍興。稲葉山城を舞台に勃興し没落していった四代の軌跡を描く。
感想・レビュー・書評
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義龍後室と濃姫の話が印象深い。信長に壺を召し上げられそうになった義龍後室が「無くした。取り調べを受けるぐらいなら死ぬ」と言い出し、濃姫やその兄弟も後に続くと大騒ぎ。流石の信長も妻らにここまで迫られたら、ギブアップ。
「斎藤義龍」「斎藤龍興」に関してはその名で呼ばれた事がないのが意外であった。信長との対比(龍興はそれに加え竹中半兵衛との対比も)で評価が低い義龍であるが、独力で政権運営していた父と違い、六人衆を用い安定した政権を作り上げた。それだけに早死が痛い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
美濃の戦国大名斎藤氏の評伝。従来の評価を一旦置き、信頼性の高い史料により勃興から滅亡までの実像を検討する内容。代ごとの事績や近世以降の評価との相違が分かりやすく整理されており、同氏の理解を助ける良書だと思う。
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これまでのイメージをかなり変えてくれる話ばかり。それにしても、敗者の歴史はこうも「謎」に包まれてしまうものなのか。
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東2法経図・6F開架:289/Mi43/205/K