アメリカ大統領は分極化した議会で何ができるか (MINERVA人文・社会科学叢書)
- ミネルヴァ書房 (2017年1月21日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623078271
作品紹介・あらすじ
アメリカでは、大統領が立法を通じて国をまとめる「現代大統領制」が20世紀半ばに確立されたが、今やそれが限界に達している。二大政党の分極化が進行するにつれて、大統領に期待される役割は「行政の長」から「政党の顔」へと移っているため、大統領が超党派的な立法を目指しても、かえって党派間の対立を助長してしまうのである。では、この変化に適応した大統領のあり方とは何か。過去60年にわたる大統領の立法活動の計量分析と6本の事例研究から考察する。
感想・レビュー・書評
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p253
大統領が積極的に立法に関わることって,これまで党派性を有していなかった争点が党派的なものになってしまうことが起こるのである。このことは,分極化によって行動を制約されるようになっている大統領が,逆にマクロ歴史的にみた場合,分極化の原因となっていることを意味する。これを本書では,「大統領に起因する分極化」と名づけた。現代大統領制は,立法における大統領の積極的な関与を要求する。しかし,その積み重ねによって分極化が歴史的に進行し、大統領の立法活動が難しくなっているとするならば,現代大統領制の限界は,皮肉なことに,現代大統領制によって生み出されたとさえ言えるのではないか。
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