海洋アジアvs.大陸アジア:日本の国家戦略を考える (セミナー・知を究める)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623075713

感想・レビュー・書評

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  • 海のアジアと陸のアジアと。日本は海のアジアの北端。一帯一路と東西回廊と。ベトナム外交もうちょっと頑張ってくれないかなあ。

  • 世界の長期の趨勢を述べたで、アメリカのアジア太平洋政策、中国の外交政策、東南アジア諸国の外交政策を記し、最後に日本のとるべき進路について示唆している。東南アジアを専門とするだけあって、東南アジア各国の簡潔な現代史と、外交政策について詳しく記述している。東南アジアのそれぞれの国について歴史や外交政策を単に羅列するだけでなく、東南アジアの外交政策を捉える枠組みも記載していて、国際情勢が変わっても(実際に本書の出版された2016年以降に、フィリピンではドゥテルテ政権が誕生し、ミャンマーはロヒンギャ問題で国際的に難しい立場にある)参考になるであろう一冊。

  • 『日本の国家戦略を考える』という副題があるが、特に私案を挙げる的な物では無く、『日本の国家戦略を考える』上での現状認識、歴史的経緯、ASEAN各国の現状を列挙している。
    セミナーの書籍化なので、それでいいのかな?
    ロバート・D・カプランの「南シナ海が“中国海”になる日 中国海洋覇権の野望」を読んだ直後なので、併せて、ASEAN諸国の現状を違う視点で読むことが出来た。

  •  セミナーが基なので読みやすい。書名の『海洋アジア vs. 大陸アジア』を直接示している箇所は見つけられなかった(島嶼部東南アジアと大陸部東南アジアの区別は出てくるが)が、前者は日米及び米国中心のシステム、後者は中国及び大陸部東南アジア諸国、ということだろう。ただし、本書で過度に両者の対立を煽っているとまでの印象は受けない。多層的に描いており、しかも軽々に断定的でもなく、知的好奇心を大いに掻き立てられた。
     米国については、オバマ政権での「リバランス」、関与とヘッジを述べている。
     中国については、2007年以降、南シナ海問題で対立する東南アジアの国々を日米豪印の側に追いやってしまったと述べると同時に、今後10~15年の間に中国自身が国家戦略上重要な決定をせざるを得ない一方で党国家の正統性危機、という中国内部の危うさも指摘している。
     そして東南アジアについては、専門家の著者だけあり、島嶼部と大陸部のみならず、うち6か国については各国別の近年の動向まで詳しく述べている。総じて言えば、中小国の集まりであり、ASEANを「てこ」に自らの立場を強めようとしている、と指摘している。
     そして日本の国家戦略としては、大国だが超大国ではないという自己認識の下、外交・安保では米国中心のシステムを基礎に力とバランシングの政治をする、対外経済政策では経済連携・自由貿易のルール作りに積極的に参加する、世界の金融秩序の進化に貢献する、言い換えれば「自由主義的国際秩序」と結論付けている。

  • 日本の周辺の国際環境(国家間のパワーバランスなど)に焦点を当て、これからの日本がどのような戦略を組むべきかについて、書いている本。
    パワーバランス、国際社会の二極構造、多極化といった議論には正直全く興味がなかったが、本書は、一つの見方(二国間関係、特定地域に限定した多国間関係)のみならず、様々な関係を多層的に分析してある点に好感が持てる。このような分析枠組みで議論することによって、初めてパワーバランスや国家戦略を話せるのではないかと思った。

  • 未(ま)だ読んでは居(い)無い!ので、軽い評で終えます!が‥タイトルの副題では?…日本と対岸の視点から検証されてます!けども、日本以外でも島国対大陸と言う構図はアジアの地域には?…非常に多い(対外国はおろか国内同士でも結構多い)!ので、そう言う続編等も?…複数ヶ国向けとして販売(出版)して欲しいです!けどね?‥。

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著者プロフィール

2016年1月現在政策研究大学院大学学長・日本貿易振興機構アジア経済研究所所長

「2016年 『海洋アジアvs.大陸アジア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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