孝謙・称徳天皇:出家しても政を行ふに豈障らず (ミネルヴァ日本評伝選)

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  • ミネルヴァ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623071814

感想・レビュー・書評

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  • 女性の積極的な登用に強い意志を感じます。権力闘争の激しい天平ですが、ここまで執拗に足を引っ張る者がいるのに驚きです。父聖武が掲げた鎮護国家の理念を引き継ぎ、絶対的な孤独のなかで、矜持を持ち、思索を重ね、行動に移した異色の女帝でした。丹念に調べられていて、孝謙・称徳天皇に対する理解が深まりました。やはり対で理解すべき道鏡の考えや行動も書いて頂き、天平を立体的に知りたくなりました。

  • 今書かれる古代史の評伝は、やはりこの時代を反映するものになるのだなあ。

  • 孝謙・称徳天皇(718~770、在位:749~758、764~770)
    異例の女性皇太子を経て即位し、藤原仲麻呂ら多くの政敵と闘い、父聖武天皇の仏教政策を継承しつつも、道鏡を重用し独自の政治を行った孝謙・称徳天皇。本書では「王権と仏教」「女性と仏教」という視点から、その実像に迫る。

    [ここがポイント]
    ◎ 道鏡を重用して独自の政治を行った背景に何があったのか。
    ◎ 「王権と仏教」「女性と仏教」という視点から実像に迫る。
    恵美押勝の乱に勝利した孝謙太上天皇は、称徳天皇として重祚するが、宣命第二十八詔で「出家しても政を行ふに豈障るべき物には在らず」と述べ、前代未聞の出家天皇としての政治を宣言した。これはまさに称徳による最終的な「崇仏天皇」の確立であった(本書184〜185頁参照)

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著者プロフィール

1951年、京都府生まれ。1981年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。高知女子大学助教授、東京女子大学教授を経て、現在、東京女子大学名誉教授。博士(文学)。 ※2022年9月現在
【主要著書】『女の信心―妻が出家した時代』(平凡社選書、平凡社、1995年)、『日本古代の僧尼と社会』(吉川弘文館、2000年)、『孝謙・称徳天皇―出家しても政を行ふに豈障らず』(ミネルヴァ日本評伝選、ミネルヴァ書房、2014年)

「2022年 『橘嘉智子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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