スミス・マルクス・ケインズーーよみがえる危機の処方箋

  • みすず書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622088677

作品紹介・あらすじ

経済危機はなぜ起こるのか?貧富の差はなぜ固定するのか?経済成長はどこから来るのか?こうした問いを理解するために、スミス、マルクス、ケインズに立ち返ってみよう。三人が出した答えから、経済学の核心が見えてくる。スミス、マルクス、ケインズの生涯・著作・理論をコンパクトに記述。複雑な経済の論理を明確に説明してくれる。

感想・レビュー・書評

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  • 経済学、マジでフィクションの塊やんけ

  • 新古典派経済学がいかに現実離れした前提に基づいて構築されているかを、やや戯画化している印象もあるが、鋭く指摘、批判して、主流派経済学において忘れられた3人の巨匠(タイトルの3人)を現代に甦らせようという警世の書。
    新自由主義を強力に推し進めて世界をグローバリズムに引き摺り込み、とてつもない格差社会へと陥らせたシカゴ学派の親玉ミルトン・フリードマンが、ノーベル賞授賞式のスピーチで、経済学の科学性を物理学のそれになぞらえたという逸話には笑えた。
    個人的にはケインズの卓越した現実感覚とバランスをあらためて学ばねばならないと感じた。

  • 経済学の3大巨人の物語 著者の造形の深さも巨人並み
    近代経済学が問われている
    経済体制論はケインズで封印してしまった
    現在は「静的最適経済論」
    中世の宗教学と同じ、呪文の世界
    時代は間違いなく「資本主義経済体制」を問うている

  • アダム・スミス、マルクス、ケインズの生涯をたどり、彼らが見据えたものを再確認しながら経済の捉え方を考え直す試みである。現在の経済学が全くの無用の長物とは思わないが、あまりにもそれが幅を利かせすぎているのが問題だ。そういった意味で、著者の主張には一見の価値がある。

  • 東2法経図・6F開架:331.2A/H53s//K

  • 『スミス・マルクス・ケインズ――よみがえる危機の処方箋』
    原題:KEIN KAPITALISMUS IST AUCH KEINE LÖSUNG: Die Krise der heutigen Ökonomie oder Was wir von Smith, Marx und Keynes lernen können
    著者:Ulrike Herrmann
    訳者:鈴木直

    四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/408頁
    定価 3,960円(本体3,600円)
    ISBN 978-4-622-08867-7 C0033
    2020年2月17日発行

     経済危機はなぜ起こるのか? 貧富の差はなぜ固定するのか? 豊かさはどこから生まれるのか? お金の役割とは? こうした問いを理解するために、経済学の最重要人物スミス、マルクス、ケインズに立ち返ってみよう。彼らが出した答えから、経済学の核心を見ることができる。
     資本主義はたえざる流動的なプロセスである。彼らはそれぞれの時代において資本主義の本質をつかみ、経済学を刷新した。スミス『国富論』、マルクス『資本論』、ケインズ『一般理論』のポイントと彼らの生きた時代を記述し、資本主義という逆説に満ちた社会システムを明らかにする。いま新たな段階に進み、危機を孕み持つ資本主義への処方箋。
    https://www.msz.co.jp/book/detail/08867.html


    【簡易目次】
    第一章 はじめに――現代経済学の危機
    第二章 経済を発見した哲学者――アダム・スミス
    第三章 パン屋から自由貿易まで――『国富論』(1776)
    第四章 資本主義を分析した共産主義者――カール・マルクス
    第五章 科学となった社会主義――『資本論』(1867)
    第六章 資本主義には無関心――新古典派
    第七章 貨幣はどこに?!――ジョン・メイナード・ケインズ
    第八章 確実なのは不確実性だけ――『一般理論』(1936)
    第九章 今日の主流派――資本主義を取り除いても解決にはならない
    第十章 スミス、マルクス、ケインズから何が学べるか

    訳者解説
    参考文献

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著者プロフィール

ドイツの経済ジャーナリスト。1964年生まれ。銀行勤務を経て、ベルリン自由大学で歴史学と哲学を専攻。2006年より日刊紙『taz』で経済部門を担当。著書にHurra, wir dürfen zahlen - Der Selbstbetrug der Mittelschicht, Frankfurt a.M., 2010(『バンザイ、払ってもいいんだね――中間層の自己欺瞞』)、『資本の世界史』(猪俣和夫訳、太田出版)、『スミス・マルクス・ケインズ――よみがえる危機の処方箋』(鈴木直訳)、Deutschland, ein Wirtschaftsmärchen: Warum es kein Wunder ist, dass wir reich wurden, Frankfurt a.M., 2019(『ドイツ・経済物語――われわれが豊かになったことは、なぜ奇跡ではないのか』)などがある。

「2020年 『スミス・マルクス・ケインズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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