- Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622088127
作品紹介・あらすじ
ナチスの経済政策が、いかに付け焼き刃に過ぎなかったかを、圧倒的データで描ききった決定版、ついに邦訳。「大傑作」(N・ファーガソン)
感想・レビュー・書評
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・ドイツの経済が常に綱渡りだったことが驚き。
・大著。読了に上下巻合わせて15時間を要した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
個人的には難しかったけど,ある程度知識がある人なら先入観を砕いてくれる良書だと思います
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これは、凄い一冊です。上巻の本書ではヒトラーが総統に就任する直前からの1940年までのナチスドイツの経済状況を詳細なデータを基に、分析しています。例えば、ヒトラーの公共事業では高速道路の「アウトバーン」が有名ですが、それも詳細な雇用データによると、公共事業と呼べるほどの雇用は生み出しておらず、経済政策としては、殆ど成り立っていないことが本書では分かります。その他、ドイツが常に外貨不足で苦しんでいる状態で、幾つもの苦肉の策を編み出しては、失敗していく様が詳細に著されており、只々瞠目しました。蛇足ですが、本書の文章はやや難解な印象を受けるので読みにくさを感じる方は多いかもしれません。
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内容は面白いが翻訳が読みにくい
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【書誌情報】
『ナチス 破壊の経済 〈上〉1923-1945』
原題:The Wages of Destruction: The Making and Breaking of the Nazi Economy (Allen Lane, 2006)
著者:Adam Tooze(1967-) 経済史。
訳者:山形 浩生
訳者:森本 正史
出版社:みすず書房
四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/504頁
定価:5,184円(本体4,800円)
ISBN 978-4-622-08812-7 C0022
2019年8月8日発行
ナチスの経済政策が、いかに付け焼き刃に過ぎなかったかを、圧倒的データと史料で描ききり、通俗的理解を覆す決定版、ついに邦訳。
「本書の第一目的は、経済をヒトラー体制理解の中心に据え直すことだ…20世紀経済史の決定的な特徴として突出しているのは、ドイツ、あるいは他のヨーロッパ国の特異な優位性ではなく、一連の新経済大国、なかでもアメリカによる「旧大陸」の失墜だ…アメリカは私たちの第三帝国に対する理解の中心軸となる…東部で最後の一大領土掌握を行うことで、ドイツは、国内の豊かさと、来るべきアメリカとの超大国競争に勝つために必要な基盤の両方のための、自給自足基盤を作り上げようとしたのだった…だがヒトラーといえど、根底にある経済力や軍事力の均衡を変えられはしなかった。要するにドイツ経済は、アメリカはおろか、イギリスとソヴィエト連邦両国を含むヨーロッパの隣国すべてを圧倒できる軍事力を作り出せるほど強くはなかったのだ…ヒトラーの内心では、アメリカが第三帝国に与える脅威は、よくある単なる超大国間の対立ではなかった。ヒトラーのユダヤの世界的陰謀に対する不変の恐怖と絡み合っていたのだ」(序文より)
上巻では、シュトレーゼマン政権(1923)から、ヒトラーの政権掌握、再軍備と戦争準備、そしてポーランド占領後(1940)までを扱う。
雇用創出、アウトバーン建設といったナチ経済政策につきまとう神話の実像を暴きつつ、戦争遂行に向けた、外貨確保を中心とした金融経済政策、および兵器、食糧、労働力、資源の動員体制の確立を、あますところなく詳述する。
〈https://www.msz.co.jp/book/detail/08812.html〉
・下巻
〈https://booklog.jp/item/1/4622088134〉
【目次 上】
目次 [iii-vi]
謝辞 [vii-xi]
序文 [xiii-xxii]
1 序章 001
第一部 回復
2 「すべての労働者に仕事を」 043
3 決別 077
4 パートナーたち──政権とドイツ企業 113
5 安上がりの民衆共同体 155
6 農民救済 189
第二部 ヨーロッパの戦争
7 1936年──開戦まで4年 229
8 危険な領域へ 277
9 1939年──待てど得るものなし 323
10 一か八か──戦争最初の冬 369
原注 [1-62]