日本の長い戦後――敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか

  • みすず書房
4.00
  • (3)
  • (13)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 168
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622086215

作品紹介・あらすじ

憲法や歴史認識問題をめぐる軋轢はなぜこれほど深刻なのか。アメリカの大学で教える気鋭の社会学者が、戦争体験者や戦後世代の「記憶」を分析する。戦争の記憶は子や孫に主観的に選び取られ、家族内の調和が最優先されて再構成される。こうして日本独自の「敗戦の文化」が、日常生活に深く埋めこまれた。高校の歴史教科書の分析からは、若い世代が自国に自信をもてない理由が見えてくる。タイムリーな問題提起の書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 貴重な試みとは思うが、著者の傲慢で不遜な姿勢が目に付く。

  • 2017.12.25 朝活読書サロンで紹介を受ける。

  • 中道視点に立ち客観性もあって良い。語り口も柔らかくてわかりやすい。

  • 英雄の語り 被害者の語り 加害者の語り

  • 筆者は日本人だが米国に拠点を置く社会学者。原題はThe long defeat、コレは翻訳書。カズオイシグロみたいなもんか。
    ヴェトナム戦争後のアメリカ、アルジェリア戦争後のフランス、大戦後のドイツと、敗北の記憶の共通点を探るとまえがきにある。
    英雄の語り=「グリーンベレー」「永遠の0」「プライベートライアン」に見る、誇るべき功業としての過去。被害者の語り=「アンネの日記」「はだしのゲン」「火垂るの墓」に見る、忌まわしい惨禍としての過去。加害者の語り=「地獄の黙示録」に見る、恥ずべき蛮行としての過去。とあまりにも美しく整理されてる感もあるけど、映画・漫画だけでなく、NHKのドキュメンタリー・日刊5大紙・多くの英語/日本語の参考文献・社会科の教科書からと、手広く網羅しての考証には説得力がある。

  • 東2法経図・開架 210.76A/H38n//K

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1952年東京生まれ。幼少期・青年期をロンドン、東京、ハンブルクで過ごす。1975年、ロンドン大学(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)社会学部卒業。東京のソニー本社勤務を経て渡米。1984年、イェール大学大学院社会学部博士号取得。東京の国連大学本部勤務を経てふたたび渡米。1989年以降、ピッツバーグ大学社会学部で教鞭をとる。現在、米国ボートランド州立大学客員教授、イェール大学文化社会学研究所客員研究員を兼任。

「2017年 『日本の長い戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

橋本明子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×