父が子に語る世界歴史 1 [新装版]: 文明の誕生と起伏

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622085218

作品紹介・あらすじ

本書は1930年代前半に、インドの数か所の刑務所内で執筆された。ネルーはイギリスの植民地支配に抗して、インド解放闘争に参加し、それを理由に禁固刑に処せられていた。かれは、このおしつけられた休息、「余暇と隔離」を、世界歴史の執筆にあてる。そして、自分の周期的な投獄による不在のために気がかりだった、幼い一人娘インディラの教育のためにと、手紙のかたちにし、たえず彼女に語りかけた。

第1巻は「お誕生日を祝う手紙」にはじまり、合計43通。インド、ギリシア・ローマ、中国、ペルシアにおよぶ文明の勃興と諸国の興亡、そしてキリスト教、ヒンドゥー教、仏教の起源と展開を語り、「生存のためのたたかい」とは何かを説く。
[全8巻]

感想・レビュー・書評

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  •  父から娘への、「早く本を読めたと言っても、字面だけを追っていないか?読むのに時間がかかっても、内容が良い本もある」というメッセージ、ぐっときました。

  • 独立機運の高まる「英領インド」で書かれた歴史の視点としてかなり面白かった。鬱屈としたヨーロッパへのコンプレックスとかが、いわゆる明治日本よりもストレートでかなり面白いし、好印象だった。

  • ジャンヌ・ダルクに憧れた娘に書き綴る世界歴史の独自の再話には愛国心が満ちている「私が自由になろうと、インドが自由にならなければ何になろう」。文明の起源を「農業発明で定住するようになった」「必要な物、貴重な物を独占するものが権力を持つようになった」「インドは煩瑣なカースト制度により停滞した」社会主義的な態度が感じられる。

    8分冊の第1巻でインドはマウリヤ朝〜グプタ王朝(同名でチャンドラ・グプタ)。へのフン族の侵入(5C。約50年後撃退)まで。仏陀とその教説流布に敬意を払い「イスラム教については次巻」。インドは産業の先進国であったのに何故没落したのだろう?/ヨーロッパは(共和制から)ローマ帝国の勃興と、(キリスト教化による)世界国家の理念、東西分割、(なぜ滅びたのか問題提起)、ビザンティン帝国の繁栄、中世暗黒時代/支那は秦の始皇帝から唐まで。

    朝鮮(19Cまで大陸の属国)と日本(侵略を撃退し続けた武威の国)は19世紀までを総括、『日本と朝鮮』で一章(1通信)を設け「朝鮮民族は独立を目指して闘っている」とあるのは間島パルチザンのことか。「日本人は粗暴で教養がない。中国人は温和で道徳的」は現在と逆だがネルーの経験ではそうなのか。

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著者プロフィール

1889年生まれ。インドの政治家、民族独立運動の指導者。英国の支配に抵抗、1945年までに下獄9回、人生の最盛期を獄中に過ごした。この間、ガンディの不服従非暴力運動にも協力した。1947年の独立とともに、首相、外相および連邦関係相を兼ねた。49年連邦首相会議、55年バンドンのアジア・アフリカ会議と内政に外交に多面的な活躍をした。その反帝国主義、反植民地主義、反人種差別主義には戦後世界をリードしていく歴史感覚と民衆への愛情があった。1964年歿。おもな著書 『自叙伝』(「世界の名著」63、中央公論社、1967)、『インドの発見』(全2巻、岩波書店、1953-56)ほか。

「2016年 『父が子に語る世界歴史 8 [新装版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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