- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622079880
作品紹介・あらすじ
人間は昆虫をどう考えてきたのか、という問いに科学哲学から答えようとするアリストテレスはクモやサソリまで昆虫に入れていたし、18世紀フランスの博物学者レオミュールはワニまで昆虫に分類することを提案していた。また、人間に比してはるかに小型なその存在は、スケール効果にかんする議論のきっかけとなった。ハチやアリの巣に君臨しているのは王か女王かも、さんざん論じられた謎だった。昆虫学者の文体はプルーストのような作家にも影響をあたえ、社会生活をする昆虫は、共和制、王制、奴隷制度、労働といった人間社会の制度をめぐる議論とかさねられた。
本書は「法の哲学」「芸術の哲学」「科学の哲学」「自然の哲学」などと同じ意味で「昆虫の哲学」だ、と序文にある。古代から現代まで、昆虫をめぐって人間が考えてきたことを、ダーウィン、ファーブルはもちろん、多角的にふりかえり、生物多様性、ユクスキュルの環境世界論、デリダの動物論にまで言い及ぶ、刺激的な科学エッセー。
感想・レビュー・書評
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非常に興味深い内容だったが、少し難しくて理解するまでには至らなかった。しかし昆虫学というのが小説家や政治、あらゆるジャンルへ影響を与え比較され重ねられという点がとてもおもしろく、そう言った切り口は私にはとても斬新だった。
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昆虫がどのように捉えられてきたか、交えられる多様なエピソードが楽しい。
例えばノミを人間の大きさにしてみると、という無邪気な想像と、スケールの問題を基にした思考実験による実際のはなし。
昆虫同士を戦わせるファーブルの熱狂。蜂の巣の完璧な合理性などなど序盤から中盤で語られる。
また、この本の醍醐味である、対昆虫の人間の歴史は、昆虫を通して見る自我像である。
素朴な擬人化から、合理的な遺伝子、ユクスキュルの多様なシャボン玉世界、さらには、動物への法律の適用まで、特に後半目まぐるしい。
昆虫の生態や、社会性(この本ではカッコに入れられる)に興味を持って読んだのだが、期待以上だった。 -
読みにくいためじっくり時間かける必要あり。
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