英語化する世界、世界化する英語

  • みすず書房
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 27
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622078012

作品紹介・あらすじ

グローバルな言語として不動の王座を手にしたかにみえる英語。5世紀の英語の出現以来、正統で純粋な英語を作り上げ、守ろうとした人々は絶えることはなかった。一方で、英語は生きもののように、彼らがはめようとした枷をするりと抜けだし、形を変え、地球上いたるところに広がり、生き延びる道を自ら見つけてゆく。変化し、混ざり合い、多様性をもつことで豊かになってきた英語〓言葉の力を多角的に展覧する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ふむ

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1376067

  • 英語化する世界、世界化する英語
    原題:THE LANGUAGE WARS: A History of Proper English
    著者 ヘンリー・ヒッチングズ
    訳者 田中京子

    【版元】
    A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/400頁
    定価 6,696円(本体6,200円)
    ISBN 978-4-622-07801-2 C1098
    2014年4月25日発行

    21世紀、地球の共通語として不動の王座を得たかに見える英語。が、その英語は英語が母語でない人々の話すエイゴ、新しいデジタル・テクノロジーやカジュアル化してゆく生活の影響を受けて混ざり合い、姿を変えてゆく。綴りや句読点、文法の絶え間ない変化、語尾上げなどゆゆしき流行……英語はどうなっていくのだろう?
    5世紀の誕生以来、「ちゃんとした」英語をつくり、それを固定化しようとする人々の論議は絶えなかったが、英語は彼らのはめようとする枷をするりと抜けだして、形を変えつつ世界にひろがり、生存の道を見つけてきた。あたかも生き物のように。
    話され、文字に書かれて人の心へ届き、その思考や行動をも変えてゆく言葉の力。英語の豊かな歴史を縦横無尽にめぐり、その未来像をスリリングに描く異色の英語史。
    https://www.msz.co.jp/book/detail/07801.html

    【メモ】
    ・15章が興味深い。183頁では『シカゴ・スタイル』が言及されている。この章では、巷の人びと(アメリカ人)が、ありもしない確固たる英語の原則(発音・表記・文体等において)を信じ、自分の英語に不安を抱きがちで、文体指南書に引き寄せられることを(皮肉気味に)指摘している。

    【目次】
    目次 [i-vi]
    謝辞 [vii]

    1 「大胆に進もう」 英語にまつわる真実と神話 001
    2 生存機械 言語の力と英語への闘い 015
    3 英語の出現 チョーサー、カクストン、クランマー 026
    4 エリザベス女王からジョン・ロックまで 言葉の爛熟、正統性、そして意味の不確かさ 036
    5 大当たり アカデミーについての議論 050
    6 英語綴りという出来損ないの魔術 「ほとんど信じられない」物語 060
    7 よい英語の多くの利点 文法の改革と十八世紀的正しい用法 075
    8 「ラウス主教はおバカさん」 規範主義者をいらいらさせる 057
    9 おお、わたしのアメリカ、新しく見つけた土地よ! トマス・ペインから朝食のシリアルまで 103
    10 リンドリー・マリーの長い影 衒学趣味……と俗語の「現実的な美しさ」 120
    11 国の由来 言語、アイデンティティー、葛藤 131
    12 フィッシュナイフとフィストファック ヴィクトリア朝英語の慎み深いカリスマ性 140
    13 「われらが血、われらが言葉、われらが制度」 純粋主義と無知なるがゆえの快適さ 158
    14 ヴィクトリア時代の宝庫を作り上げる 正しい語法の計画、大きいものから小さいものまで 166
    15 英語の番人 ヘンリー・ワトソン・ファウラーと現代英語活用法 179
    16 「君が見えるように話しなさい」 方言とアクセントについて 188
    17 ちゃんと話す アクセントを聞けばどんな連中かがわかる  199
    18 アルファベットと女神 読み書き能力、ジェンダー、性差別主義的言葉 210
    19 どうしようもない今の時代 言葉の「現状」と向き合う 222
    20 とんでもないくそ野郎 検閲と卑猥さ 232
    21 「ここでは英語だけです」 問題ありのハイフン 246
    22 コンマはパタパタと翼をはためかす 句読点の過去、現在、未来 255
    23 規則をみせびらかす なんというか、現代生活の意味深長な悩みの種に無関心にならないことについて? 265
    24 テクノロジー曰く「まあ何でもいいけど」 ネットに繋がったワイアード・ライフ……無線ランでワイアレス・ライフ……そして生活がなくなるライフ・レス? 287
    25 「英語を征服して中国を強くしよう」 英語の国際化 296
    26 流れゆく自然界とどう向き合うか 言葉と思考の形 306
    27 楽しき日々 政治、ジョージ・オーウェル、そして英語 317
    28 結びの言葉――言葉は「まさしく自分自身」  329

    注 [333-362]
    訳者あとがき(2014年3月 田中京子) [363-365]
    事項索引 [xv-xxiii]
    人名・作品名索引 [i-xiv]

  • おすすめ資料 第264回 (2014.12.19)
     
    本書の原題は The Language Wars: A History of Proper English。

    「ちゃんとした」英語の変化について語られたものです。
    ディケンズからスタートレックまで扱う幅広い引用で興味を誘い、英語史の本とは思えない面白さです。

    現代では、ビジネスや文化の共通語として世界に広まることでさらに状況が変化していますが、その事をどう考えたらよいかについての手がかりが含まれています。

全3件中 1 - 3件を表示

ヘンリー・ヒッチングズの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×