シュテットル――ポーランド・ユダヤ人の世界

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622077923

作品紹介・あらすじ

ポーランドの小さな町(シュテットル)から見た、800年にわたるユダヤ人の壮烈な歴史。ポーランド人とユダヤ人は共存していたのに、なぜホロコーストが吹き荒れたのか。ナチ占領下、ポーランド人は多くのユダヤ人を密告したが、ポーランド人の何らかの助けがなければ、ユダヤ人は一人も生き残ることはなかった。記憶を呼び覚ますには想像力が必要だ。民族同士の葛藤と共存社会の可能性は、現代世界へとつながっている。珍しい写真多数。

感想・レビュー・書評

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  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001154147

  • ソビエト軍の出現はブランスクの住民の2つの部分で極めて異なる迎えられ方をした。ポーランド時にとってロシア人は、ほとんどドイツ人と同じく嫌われた宿敵だった。ユダヤ人にとっては、赤軍は何よりもまずもっとずっと大きなドイツの脅威からの解放軍とみなされていた。そのうえ、ユダヤ人住民の一部はソ連邦にイデオロギー的親近感を抱いていた。シュテットルには共産主義の信奉者はごくわずかしかいなかったが、他の人にとっても、インターナショナリズムや全ての階級と民族集団の完全な平等というスローガンは極めて魅力的だった。金持ちから奪い取り、プロレタリアートに権力を委ねるというロビンフッド的約束は、貧しい人々と不満を抱く人々に訴えかけた。そのためユダヤ人共同体のかなりの大部分がソ連兵を花と横断幕と歓呼の声で迎えた。

  • 東2法経図・6F開架:234.9A/H81s//K

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著者プロフィール

1945年、ユダヤ人の両親のもとにポーランドのクラクフに生まれる。13歳でカナダに移住。アメリカのライス大学で英文学を学び、ハーバード大学大学院で博士号を取得。1979年より1990年まで『ニューヨーク・タイムズ』の編集者として活躍。1989年にノンフィクションとして高い評価を得た自伝Lost in Translation: A Life in a New Languageを出版し、作家生活に入る。代表作『記憶を和解のために――第二世代に託されたホロコーストの遺産』(2004、早川敦子訳、みすず書房2011)のほか、小説The Secret (2001)、『シュテットル――ポーランド・ユダヤ人の世界』(1997、小原雅俊訳、みすず書房2019)、Illuminations (2007)、『時間』(2009、早川敦子監訳、みすず書房2020)、How to Be Bored (2016)、東日本大震災後の日本を訪れ、メッセージを託した『希望の鎮魂歌――ホロコースト第二世代が訪れた広島、長崎、福島』(早川敦子編訳、岩波書店2017)など。現在イギリスに在住。

「2020年 『時間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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