マックス・ウェーバーの日本―― 受容史の研究 1905-1995

  • みすず書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622077091

作品紹介・あらすじ

なぜマックス・ウェーバーは日本の社会科学にかくも大きな影響を及ぼし続けたか。受容の始まりから三木清、レーヴィットをへて大塚久雄、丸山眞男、現在まで。詳細な追跡からその意味を明かす。

感想・レビュー・書評

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  • マックス・ウェーバーの日本―― 受容史の研究 1905-1995
    (和書)2013年04月20日 09:55
    ヴォルフガング・シュヴェントカー みすず書房 2013年1月19日


    柄谷行人さんの書評から読んでみました。

    ウェーバー「職業としての学問」「職業としての政治」カール・レーヴィット「ウェーバーとマルクス」

    マルクスとウェーバーの比較など面白かった。「自己疎外」と「合理化」など。

    ウェーバーの宗教的姿勢とマルクスの宗教の批判というところを考えてみるとなかなか面白いです。

    そういう読み方を意外と思いついていなかった。

    ウェーバーのいう労働価値(善行・合理化)からこぼれ落ちてしまうものがあるように思えた。たとえば相互扶助とか利他的とか無支配とか連帯に関するものがこぼれ落ちそれが平等や平等としてある自由という社会思想のようなものに悲観的展望を与えているように思えた。

    それはホッブスについてルソーが「社会契約論」で指摘しているものと同じに読めるようにも感じた。

    マルクスとヘーゲル、マルクスとウェーバー、ルソーとホッブスを比較し関連させ考えながらそれらの著書を読んみたらなかなか有益だろうなと思いました。

  • W・シュヴェントカー『マックス・ウェーバーの日本 受容史の研究1905‐1995』みすず書房、読了。出版部数の2/3はドイツではなく日本で売れた! 大正時代から現代まで--本書は日本のウェーバー研究とその受容を詳細に検討する一冊。 http://www.msz.co.jp/news/topics/07709.html

    その嚆矢は1905年、福田徳三による紹介。広汎に読まれるようになったのはマルクス主義が退潮し天皇制ファシズム確立期。64年の生誕百年がクライマックスだ。その理論が時にはマルクス主義を代補し、日本的資本主義解読のしるべとなった。

    ウェーバー受容の全体像を明らかにする本書は日本におけるウェーバー受容の消息と特徴を明らかにするだけでなく、本国以上に読まれた意義は、(ウェーバーだからこそ)学問や大学のあり方を問い直す労作となっている。

    ウェーバーの著作はほとんど翻訳されているし、日本語の著書・論文は2千点を超えている(巻末に「マックス・ウェーバーの著作の日本語訳一覧(1905-2012)」。近代理解に専念したウェーバー受容辿る本書は良質な日本思想史の一冊である。

  •  マックス・ウェーバ(1864‐1920年)をご存知でしょうか?人文社会系の学問では彼の名前を耳にする機会も少なくないように思われます。社会学・政治学・経済学…といったように彼の議論の射程は広く、現在でも私たちに多くの示唆を与えてくれるに違いありません。
     とはいえ、日本におけるウェーバー熱は桁違いに熱いと言われています。驚くことに、彼の著作は母国ドイツ以上に日本で読まれてきたというのです。何故これほどまでに彼の議論が必要とされたのでしょうか。本書では日本におけるウェーバーの受容史(1905-1995年!)を跡づけることにより、ウェーバーの人気の背景に迫っています。そこには近現代日本の社会科学の特質も見て取れるように思われます。
     「ウェーバーってよく耳にする!」とか「人文社会系の分野を専攻してる!」といった方々にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。
    (ラーニング・アドバイザー/国際 OYAMA)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1473708

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4622077094
    ── ヴォルフガング・シュヴェントカー/野口 雅弘・他訳
    《マックス・ウェーバーの日本 ~ 受容史の研究 1905-1995 20130119 みすず書房》
     

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