いち病理医の「リアル」

著者 :
  • 丸善出版
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本棚登録 : 145
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784621302392

作品紹介・あらすじ

『いち病理医の「リアル」』は、その名の通り、「いち病理医」の日常を書いた本。病理診断の根幹を解説していません。

感想・レビュー・書評

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  • 病院には行ったことがあるし、治療してもらったこともあるけど、病院の全体像って患者からはわからない。

    この本では、病理医であるヤンデル先生が、病理医の視点から見た「医療の全体構造」を見せてくれたあとに、その中で病理医がどんなことをできるのかをヤンデル先生の視点から書いてくれていて、面白かったしわかりやすかった。

    「診断」「治療」「維持」

    結構分量のある本なんですが、読み始めたら、あっという間に読んでしまいました。さすが、ヤンデル先生の文章は読みやすい。そして、するっと脳みそに入ってくる。ある意味危険(笑)。


    しばらく前に買って、ちょっと積読しちゃってたんですが、ちゃんと読んで良かった。書籍デザインもちょっとおしゃれですよね(ワタシには珍しく、紙の本を買った)。本文読み終わって、ふと表紙のカバーを取ったときの色のギャップにびっくりして楽しかった(本文は薄ーい水色なのに、表紙は真っ黄っ黄なんですもん)。たまには「紙の…リアルの本」を買うのもいいですね。

  • ゴールデンウィークらしい読書になったから良かった。そして私は勉強になる、タメになる読書が好きなんだな。
    病理医って、病理診断て、さらには医学生の病理の授業とかは知れたか。病理のテスト眠かった...とか、テスト再試だったとか思い出した。

  • 伝えたいメッセージはおおまじめなひとりごととほぼ同じ。
    おおまじめなひとりごとより、シンプルに書かれているので読みやすい。

  • 病理医…というと、もう十年以上「アフタヌーン」読みの身としてはまっさきに思い浮かぶのは「フラジャイル」。以前、読んでて唐突にでてきたうさ耳がまったく意味不明だったけど、ヤンデル先生のエピソードがかんでいたとは。/ある病理医の一日、といった感じで、会話、思考、行動が時系列に連ねられているセクションが興味深かった。また講義の1コマ目まるまる使って、Twitterの使い方を力説しているところ、バリウム技師さんとの研究会の様子も。/看護師さんの仕事は「維持」という言葉で表せられること。(患者が、今までより悪くならないよう、少しでもよくなるように、自分の生活が保てるように、診療・治療・その後の生活に向けて、病院として必要な準備、処置ができるように)。それを説いてくれたエクレアさん(あだ名)の気っ風のよさ。/医療の三本柱は、診断、治療、維持/診断とは、病名を決める、病気に侵されている場所を確定する、病気の重症度を調べる/臨床と基礎研究の心理的な距離感を橋渡しするのが「病理」/病理医を雇えない場所、雇えない規模、雇う気がない部門の方々は、いち検査として病理を処理して、特に不自由もなく診療を終えてしまっているわけで/今まで外注で病理診断を充足させていた病院にとってはAI病理診断さえあれば、病理医は必要なくなるのでは/AIがほとんどやってくれるなら、若い医師がやりがいを見失い、病理の道を歩むことを躊躇してしまう未来/といった論点も興味深かった。/(病理に限らず、医療に限らず、専門家側が、AIになんかとってかわられないよ、と思っていても、それを目指す層が、大半がAIにとってかわられるなら…と目指すのをやめてしまう、という視点は重要、と感じた)

  • 大好きなヤンデル先生の著書。
    目線を医者と患者(というか、医療の専門家と素人)の両方に置ける人だから好き。とは言え、文章がツイッターっぽすぎる感じがしてちょっと読みにくいと感じる部分もちらほら。
    ただし、内容については最高だった。ブログとかツイッター読んでいれば重複する内容も多数だけど。こういうお医者さんの友達が欲しい。

  • まず装丁、フォント、索引などに驚きました。あまり普通の本では見ないフォーマットです。
    内容は…著者のTwitterと似た感じといったところでしょうか。

  • 素晴らしいです。これだけ難しい異世界のことを、これだけ面白くかつリアルに(ここで知ったリアルしか知らないのに)書けることに感動しました。人類にとってとても大切な崇高なお仕事だと思います。

  • 文章は大変読みやすく、丁寧に作られた本だなぁという印象。医師の集中力とメリハリの凄さ。「フラジャイル」のお伴にはもってこいだし、9章はラストテーマか。

  • Twitterで有名なヤンデル先生の本。とても読みやすくユーモアのある文章でした。

    病理診断や画像診断はAIにかなり影響される分野だと思います。診断業務の多くはAIが行ってくれるようになるのかもしれません。しかし、先生のおっしゃるように病理医や画像診断医の真価はやはり臨床との対話だと思います。これからのAI時代、形態診断を行う医師に求められていくのはコミュニケーターとしての役割…なるほど納得させられました。
    対話を尊重されるヤンデル先生のような病理医なら、臨床医も病理診断科を訪ねやすく、AI時代においても重宝されていくのでしょうね。

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著者プロフィール

1978年生まれ。札幌厚生病院病理診断科主任部長。医学博士。病理専門医・研修指導医、臨床検査管理医、細胞診専門医、病理医ヤンデル。

「2022年 『ココロギミック 異人と同人3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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