宇宙へ「出張」してきます ―古川聡のISS勤務167日―

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620321202

作品紹介・あらすじ

100を超える科学実験やミッション、プログレス事故、スペースデブリ衝突の危機を乗り越え帰還した笑顔の宇宙飛行士、古川聡、167日の全貌。

感想・レビュー・書評

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  • 自分が文系人間なので、度々子どもから理系分野のことを聞かれても分からない、答えてあげられないことにむずむず。
    図書館に行った時に、宇宙なら自分も興味持って読めるかも?と思い手に取ったのがこの本でした。

    古川聡さんの別の本「宇宙飛行士から学ぶ心の鍛え方」の紹介文に"あらゆる極限状態のストレスに耐え、職務を全うする究極の職業が宇宙飛行士"との記載があった。
    「宇宙に行けたら楽しそうだな」くらいにしか考えたことがなかったけれど、夢のような職業宇宙飛行士は、頭の良さはもちろん、極限の精神力が求められる。

    昨日ちょうどテレビで糸川さんのロケット開発についての番組を見て、糸川さんや古川さんや様々な人が宇宙開発に貢献してきたのだなと知りました。

    宇宙での無重力の地球での重力の対比、ISSでやっていること、宇宙飛行士になるためには、宇宙飛行の危険性、すべての話が知らないことだらけでわくわくしなからこの本を読むことができました。
    知らないことだらけだったのでメモが最長です。

    ◆メモ
    ・宇宙から地球に帰還するとき、1%死ぬ確率がある。1%まで確率を下げた技術力を称賛しつつも、100人に1人が死ぬということ。100人宇宙飛行士が宇宙に行けば、1人は死ぬということ。
    ・宇宙帰還後は物をすぐ落とす。宇宙では手を離してもそのまま宙に浮かんでるからその感覚でふと荷物を手から離してしまう。
    ・身体が重い、首が重い、重心は思ってたより重い
    ・宇宙人から地球人の戻り方
    ・過去にNASAやロシアの宇宙ステーションでシャワーが設置されたのとがある。しかし使用後の水滴の拭き取りが大変。水滴が残るとカビが生えやすい。
    ・車の運転ができるかどうかが回復の目安
    ・ロケットでISSまで水を運ぶと運搬料含めコップ1杯30万円になる。尿等水のリサイクルが必要になる。
    ・ISS滞在中、100以上の実験を行う。事前に実験の意義や目的を理解し、時には研究者の論文も読み、疑問点があれば質問のやり取りを重ねる。
    ・宇宙では足元に集まっていた体液が無重力状態になると体全体に移動する。足やウエストが細くなる一方で、首が太く丸顔になる。数センチ身長が高くなる人もいる。その影響で腰痛がおこることも。
    ・頭は身体の10%の重さ。宇宙では肩こりがなくなる。
    ・宇宙飛行士に求められる大事な資質「どこでも寝られること」
    ・宇宙で地上と同じような感覚でボールを投げると、上の方に飛んでいってしまう。地上では重力の影響を計算して、無意識に上向きに投げているから。
    ・宇宙でおなかを開けるような大手術はできない。全身麻酔用の機器はない。脊椎麻酔で下半身のみの麻酔は重力を利用した麻酔範囲の調節が、無重力の宇宙ではできないため。
    ・宇宙飛行士第三選抜のメインは一週間ファイナリスト8人が閉鎖空間に一週間缶詰になって過ごす長期滞在適正検査。死角がないよう設置された五台のカメラが24h稼働し、審査員がモニターする。緊張や疲労、不安など眠れないような状態も体につけたセンサーが反応し、熟睡できていないこおを審査員に知らせる。
    ・宇宙飛行士候補に選ばれてから10年後、ISS長期滞在員に任命された。
    ・ISSの周りでは90分ごとに昼がやってくる。昼は100度以上、夜は-100度以下。宇宙服の中を流れる水の量を変えて温度調節する。
    ・日本人は仕事中にあまり冗談を言ったりしないが、肩の力を抜くためにジョークはとても効果的。
    ・今日できることを積み重ねていけば、明日はきっと今日よりよくなる。
    ・宇宙や天文に関する記事は人気が高い。役にたつ、の価値観ではなく、知りたい、という素朴な欲求に動かされて宇宙記事と向き合う。
    ・諸外国にとって、宇宙技術は軍事技術と表裏一体。憲法で戦争を放棄している日本は、純粋に科学目的で宇宙開発を進めてきた。

  • ソユーズが、熱で溶け落ちる為に強化プラスチックで覆われていると初めて知った。宇宙からの帰還は、厄介で、映画やアニメのようにはいかない事を思い知らされる。星間航行を考えると、人工重力は、必須だろう。

  • 図書館で借りて。
    今まで読んだ野口さんや大西さんの体験談に比べるとスペースシャトルがまだ現役だったころの話もあったり少し古い。

    ソユーズの着陸について他の本より詳しく書かれていたのが嬉しかった。
    また、大西さんが言及していたすぐ満腹になる点についても、医師ならではの推論をしていて興味深い。
    大西さんの本を読んでISSでの任務は意外と作業が多いと感じたが、大西さんのバックグラウンドによるものなのかなと改めて思った。古川さんの書き方では実験が主な仕事という感じ。

    野球ってそんなに面白いのかなぁ。
    これは永遠の疑問。

    なんだか無重力状態での移動に類似した経験がある気がするのだけれど、これは何?妄想?

  • 地球帰還後の「紙1枚でも重い」「座るとお尻が痛い」といった感覚の変化、地球生活へのリハビリが、さすがお医者様らしい視点で語られ、面白い。また、ロシア「ソユーズ」宇宙船での離発着時の様子も、興味深い。
    スペースシャトルのように翼がなく、ゆるやかに着陸するのでなく、パラシュートを開いて、ドーンと落ちてくるのだそう。ISSでの実験、日常の暮らし、トラブル対応など、読み応えのあるページの連続だった。

  • 面白かった。生の声が分かりやすく書いてあり読みやすかった。
    私は宇宙兄弟やその他諸々の本や漫画を読まずにこの本を読んだので、
    より面白かったと思うかもしれない。

    2016年10月の名古屋市科学館プラネタリウムのテーマが
    「国際宇宙ステーション」。それを見た後にこの本に出会って、
    即買った本。鉄は熱いうちに打って正解だと思う(笑)。

    宇宙には興味あるし、第三次選抜やサバイバル体験は面白そうだと思った。

  • 宇宙兄弟

  • 2013年3月14日 夫からのプレゼント。

  • 宇宙飛行士の活動が良く分かったけど、あまり魅力的なものではなかった。話もつまらなかった。でも、宇宙へは行ってみたいなぁ!!

  • ソユーズ宇宙船による地球への帰還から始まるこの本は、日本人最長にして世界第三位の宇宙滞在記録を持つ古川聡さんのISSでの活動記録と、毎日新聞科学環境部の取材をまとめたもの。映画『ゼロ・グラビティ』を観た後なので、第1章の着陸のくだりは興味深く読んだ。ISSの運用期間は2020年まで、
    その後の宇宙開発の方向性は未だに模索中というが、文中で古川さんも指摘しているように、日本の技術力を宇宙事業に生かし、それを発展させるような方向へ迎えるといいと思う。お金がかかるのは承知だけど、宇宙にはまだまだロマンも進歩もあるからね。

  • 一気に読めた。途中で記者のカザフスタン日記のようなものがあったが、この本にとっての必要性がわからなかった。その他は興味深く面白かった。

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