- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620321141
作品紹介・あらすじ
検察の世界へ足を踏み入れた青年を待っていた"地獄"。良心が否応なくすり減らされていく日々の中、佐賀で、ある独自捜査事件の主任を命じられる。"許されぬ大罪"を犯した彼が出した、人間としての「答え」とは-元"暴言検事"が実名告白。検察庁の内部・教育体制を暴く、"冤罪加害者"による衝撃ノンフィクションが登場!刑事裁判有罪率99%の裏側。不当逮捕・違法捜査が生まれる理由がここに。
感想・レビュー・書評
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2018.08―読了
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どんな組織であれ他人事ではないのかもしれない
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佐賀市農協背任事件の主任検事だった人の手記
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読み物としてのレベルは低いが、検察の実態を捉えた資料としての価値あり。
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小説やドラマのなかの「検事」とは、ことなり、人間ならではの葛藤を抱えているんだな、と、学べます。
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検事の実体
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佐賀市農協背任事件の主任検事を務めた筆者が事件の実態を明かす。
自分のことを「良心を捨てた検事」と表現されているが、現代の多忙な社会の中で、「良心」を失っていることを気づかない人が多い中で、検事を辞めることで、「良心」を取り戻せたと思うと、良かったと思う。 -
ただの内部告発本ではない。自らの過ちと真剣に向き合い、人生をかけて、よりよい検察組織、検事のあり方を追求する。
九州大学
ニックネーム:すず -
大推薦です!検察の問題点を指摘した本は多々ありますが、類書に無い特徴をいくつか挙げます。①検察官が書いているということ。例えば村木厚子さんや佐藤優さんの著作は被告人の立場から書かれています(勿論それはそれで価値があるのですが)。この本は検察官がどのような論理と感情で捜査を行ったのかが手に取るように分かるように書かれており、冤罪の起こった理由がよく分かります。②冤罪事件以外の事件の捜査についても詳しく書かれていること。これは前半ですね。冤罪事件が起こるとニュースになりますし、起きた理由もよく論じられるのですが、特殊な事例ばかり注目されている感が否めません。この本は市川さんが担当した他の事件についても書かれており、検察という組織の実態を鮮明に捉えることができます。③市川さんは自分を含めて検察官を厳しく糾弾していますが、検察官に対する希望を捨ててはいません。私は冤罪事件以外の箇所では「検察官ってすごいな」と何度も感じましたし、あとがきでは市川さんはこれからの検察官への期待も書かれていました。そんな著者の姿勢にも好印象です。