- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620318264
作品紹介・あらすじ
ジュゴンの見える丘、普天間基地、平和の礎、ひめゆりの塔、家族、失くし物、歌、仲間、花、明日、野生、生きていけたら、愛、夢…。沖縄の写真と共に送るCoccoの祈り。
感想・レビュー・書評
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生きろ生きろ、愛してる愛してる。そんな魂の叫びが聞こえてくる。
今も沖縄は基地の島で世界にはテロと戦争が果てなく続く。けれど人は平和を求め立ち止まってはいけない。この本が書かれた9年前に願った沖縄はまだまだほど遠く、それでも未来は少しづつ変わっていると信じたい。
人間は野生動物だったら30年以上は生きられないらしい。30代を無事迎えることの出来た人間は新種の文明人として人生を歩いていく。それはでっかいおまけ人生。せっかくもらったおまけを大事に生きよう。
そうかかれた『Human being』が胸にズンと響いた。
わたしのおまけ人生は上手くいけば、あと50うん年。やさしくなりたい。周りの人を大切にしたい。胸を張って生きていきたい。本当にそう思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本気の想いは力強い。
嘘が無い言葉は痛いけれど優しい。
それまで見てきた虚飾が全て馬鹿らしく思えるぐらいの真実が詰まっている本だった。
沖縄の現実を私は知らない。
それは沖縄だけに限らず、広い世界のそこここに転がっている現実のほとんどを、私は知らないのだろうと思う。
知ろうとも思わなかったから。
興味という言い方は良くないかも知れないけれど、興味・関心をまず持つきっかけがあることは、人生に於いて結構重要。
この本は、そういうきっかけを与えてくれる本だと思う。
飾ることなく真実を伝えられるようで在りたいと思う。 -
触るだけでほろほろ涙が出てくる。
質感。情感。想い。祈り。
「大丈夫?」
「きっと大丈夫。」 -
沖縄。美しい島国。
地上戦が行われた悲しい過去。
しらゆり部隊のことば。
基地のない沖縄を望む心と、
それが叶えば他の地域に基地ができるだけという苦しい心。
こっこちゃんのことばで、
こっこちゃんの目線(写真)で、
語られる沖縄への温かくも切ない想い。 -
大学院修了祝いに戴いた1冊。
Coccoちゃんが大好きだったあの頃は
私はどこか窮屈で終わりの見えないような
毎日が本当に嫌で嫌で
どうにかそこから抜け出したかったけれど
その時の私にはあの世界だけが全てで
もうどうしようもなくて
痛々しすぎる彼女の曲を聴くことが
そういった世界と隔絶できる唯一の術だったこととか
Coccoちゃんのこれまでの日々が
これまでの出来事が
あの曲や、この曲に反映されていることとか
単なるエコブームで沖縄を守っているんじゃないこととか
楽園としての沖縄を求めるような人たちに吐き気がすることとか
そういった色々な気持ちがぐるんぐるんと頭を巡るような1冊でした。
大切な人に送りたい作品です。 -
空けない夜も、止まない雨もない
と誰か言ってなかったけ。
芸術家は常に、弱者の側に立つと言ったのは、村上春樹?
こっこも同じことをやっている。
届かない沖縄の声を。
絶対、朝日新聞の記者には書けない、沖縄の声を。
現代のゲルニカ。
または、Riot Act. -
歌以外でCoccoの感性に触れられて嬉しいです。
本屋を探し回ってやっと買えた嬉しさで
じっくりゆっくり味わいたい本です。 -
〝前に進む決断を否定はしない。
ただなくし物は戻らないことも確かだ。
私たちはいつも失くして初めて気付く。〟
わたしは失くしものが多すぎる気がする。
物的なものも、精神的なものも、経験値も。
ずいぶん前にこれを読んで、感化されて、自分も写真集を作った。
見返してみると、Coccoの写真集の写真に似通っているなと思う。こういう写真が大好きだ。
初めの方は暗さの中に色があり、真ん中はカラフルで、後半は優しい色になったのが印象的。
あ、また本を作りたい。
誰にも見られることがない本。 -
再読。次に読もうと思った本に入ってた新刊案内に、文庫版が載っていたので思い出して。私、大人になったんだわ、とか色々思うけど。好き、と言うか嫌いにはなれない。昔のような共感はなくても、いとしく抱き締めたい気持ちになるような。