ほとほと 歳時記ものがたり

著者 :
  • 毎日新聞出版
2.83
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本棚登録 : 72
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108384

作品紹介・あらすじ

忘れられない愛しい人、死者たちとのいまひとたびの邂逅─ 。
人生の〈四季〉を切なくあざやかに描いた髙樹文学の最高傑作!

感想・レビュー・書評

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  • 歳時記の季語をタイトルにした24の短編集

    四季の移ろいがある日本には、その季節を感じ表現する美しい言葉がたくさんある。一度、歳時記をじっくり読んでみたいなと思っていた矢先、図書館でこの本を見つけた

    著者もあとがきで
    「日本人の心性は、季節に大きく動かされます。豊かな情緒が濃縮された季語は日本の宝です。その濃く煮詰まった一語を水に浸してゆるゆるとほどき、思いのままに物語として解放できる幸せを、噛みしめ味わった」
    と語っている

    もっと現実的な話かなと思ったが、あの世とこの世を結ぶ幻のような話や亡くなった愛する人への切ない思いが溢れた話が多かった

    この本で、新年の季語の『ほとほと』という言葉を知った
    「ほとほと愛想が尽きる」の『ほとほと』ではない
    木製のものを叩く音、木戸を叩く音を『ほとほと』と表現し、中国地方以西の新年の言祝ぎの行事を『ほとほと』と言ったことから、新年の季語に分類されるそうだ
    こんな繊細な感性を表現している日本語、大切にしていきたいなと思う

  • ほとほとという柔らかい言葉に惹かれて本書を手にしました。
    柔い青色のようなお話の数々に気持ちがほぐれます。

  • 文章が美しくて
    うっとり読んだ
    歳時記の季語から語られていく物語は
    この世のものではないような

    二年の季節を追う短編

    ≪ 移ろいの 季節を流れ 命生き ≫

  • 短編集 様々な時代 少しホラーのような、昔話のような不思議なお話
    竹林の翁 栗の字が入った戒名 ほとほと が印象的
     

  • 高樹のぶ子・歳時記:ほとほと /福岡 - 毎日新聞
    https://mainichi.jp/articles/20180110/ddl/k40/070/377000c

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    人生の四季を切なくあざやかに描く、  髙樹文学の最高傑作!
    二度と会えない大切な人と、ほんの一瞬でも再び触れ合えたら......。「季語」を縦糸に、忘れられない人との邂逅を横糸に、幻想的に紡がれた24のストーリー。
    ほとほと/猫の恋/春の闇/エイプリルフール/翡翠/鳴神月/出目金/笹まつり/秋出水/月の舟/銀杏/牡蠣殻/寒椿/夜の梅/小町忌/帰雁/竹落葉/紫陽花/滝壺/星月夜/虫時雨/栗の実/身に入む/寒苦鳥
    http://mainichibooks.com/books/essay/post-644.html

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著者プロフィール

作家
1946年山口県生まれ。80年「その細き道」で作家デビュー。84年「光抱く友よ」で芥川賞、94年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、95年『水脈』で女流文学賞、99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨、10年「トモスイ」で川端康成文学賞。『小説伊勢物語 業平』で20年泉鏡花文学賞、21年毎日芸術賞。著作は多数。17年、日本芸術院会員、18年、文化功労者。

「2023年 『小町はどんな女(ひと)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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