- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620108384
作品紹介・あらすじ
忘れられない愛しい人、死者たちとのいまひとたびの邂逅─ 。
人生の〈四季〉を切なくあざやかに描いた髙樹文学の最高傑作!
感想・レビュー・書評
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歳時記の季語をタイトルにした24の短編集
四季の移ろいがある日本には、その季節を感じ表現する美しい言葉がたくさんある。一度、歳時記をじっくり読んでみたいなと思っていた矢先、図書館でこの本を見つけた
著者もあとがきで
「日本人の心性は、季節に大きく動かされます。豊かな情緒が濃縮された季語は日本の宝です。その濃く煮詰まった一語を水に浸してゆるゆるとほどき、思いのままに物語として解放できる幸せを、噛みしめ味わった」
と語っている
もっと現実的な話かなと思ったが、あの世とこの世を結ぶ幻のような話や亡くなった愛する人への切ない思いが溢れた話が多かった
この本で、新年の季語の『ほとほと』という言葉を知った
「ほとほと愛想が尽きる」の『ほとほと』ではない
木製のものを叩く音、木戸を叩く音を『ほとほと』と表現し、中国地方以西の新年の言祝ぎの行事を『ほとほと』と言ったことから、新年の季語に分類されるそうだ
こんな繊細な感性を表現している日本語、大切にしていきたいなと思う詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ほとほとという柔らかい言葉に惹かれて本書を手にしました。
柔い青色のようなお話の数々に気持ちがほぐれます。 -
文章が美しくて
うっとり読んだ
歳時記の季語から語られていく物語は
この世のものではないような
二年の季節を追う短編
≪ 移ろいの 季節を流れ 命生き ≫