- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620108261
感想・レビュー・書評
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達者な書き振りで序盤は面白く読んだ。
だんだん虚構が勝ってくると読み続けるのが苦しくなる。
中島京子の「長いお別れ」を読んだ後だったため、余計にばかばかしさを感じた。私の軍配は「長いお別れ」に上がる。
しかし本当のお金持ちの老後、こういう世界もあるのだというセレブ世界の紹介は若いころからの林真理子の得意技だったはず。「格差」を強調せずその世界の紹介だったらもっと面白かっただろう。格差は読者が自分で比べればおのずと浮かび上がるものだから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ルンルンを買ってお家に帰っていた林さんも
とうとう介護小説を書く様になられたのですね。
根っからの恋愛小説家だと思っていた林さんだったけれど、ムムム・・・これは面白い。
これからは老人・介護問題小説家として活躍して頂きたいものです。
介護の何が辛いのか、読んでいてヒシヒシと伝わって来ました。
大好きだった親が壊れていく。どうして齢を重ねるという当然の現象で人間の尊厳を損なうような扱いを受けなければならないのか。
女性に社会に出て働けという割に、介護が押し付けられているのはどういうことなのか、、、
こういう事態が起こらないように介護保険というものが出来たんじゃなかったっけ?!
介護のことはあまり詳しくない自分でも
『介護では、優しい人間が負けるのだ』の一文に
打ちのめされてしまいました。
介護問題をシリアスに描くことなく、エンターテイメントに仕立て上げたのは
新聞の連載小説だということもあるのかな?
後半は盛り上がり過ぎてハラハラし通しでした^^;
続編も読んでみたい。 -
林真理子さんの介護小説、興味津々で読み始めた。
メチャクチャな突拍子もない事だらけだけど、とても痛快でそして物悲しい気持ちになった。
誰もが行く道。介護が必要になった老人たちのパラダイス、期待したい。 -
さすが林真理子。
暗くなりがちな介護の話もこんなに明るく面白く扱えるなんて凄い!
この後続きがありそうな終わり方が楽しみ。 -
介護の話は身につまされる。後半はドタバタ。
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他人事とは思えないが、ちゃっかりした人は苦手。
勝入れ替えは自分のことしか考えてない。 -
さすが林真理子さん!
現代社会の問題を色々な視点から書いています。
結末はめちゃくちゃだったけど、答えはまだないってことかな。 -
テレビドラマを見てからの読了。
ドラマも、前半はらはらして面白かった。
「我ら」が望むパラダイスとは一体どんなものかを問題提示し、社会に投げかけた…と思うことにしよう。 -
広尾の有栖川公園の近く、300坪の土地に建つ、超高級老人ホーム、セブンスター・タウン。入居のためには、八千万円、夫婦だと1億二千万円かかる。下の階は、自立型マンション、上の二つの階は、介護付き居室六十室、七十五床。金持ちも金持ち、人生の勝ち組とそれを捕まえた妻たちのみが入居できる施設。その施設で働く3人の女性。丹羽さつきは、ダイニング担当、田代朝子は、看護師、細川邦子は、受付で。それぞれが自分の年老いた親の事で問題を抱えている。邦子は、少しボケ始めた父親、朝子は、施設に自分から入ると言った母親、さつきは、父親が亡くなり、長年住んでいた家から引っ越さなければならず、ようやく、見つけた物件は、ペット禁止、愛犬を手放さなくてはならない状況に陥る。ある日、住人の星野喜美子が、倒れ、一命は、取りとめたものの、意識が戻らないまま介護付き居室に運ばれてくる。手続きを進めている途中で朝子は、自分の母親と星野喜美子を入れ替えることを思いつく、そして、邦子の父親も。さつきは、アルツハイマー病に罹っている、施設の住人遠藤に求婚され、なぜか施設の住人に。人生のパラダイスは、どうやったら手に入れる事が出来るのか、何もかもが至れり尽くせりの高級老人ホームがはたしてパラダイスと言えるのか、年老いていく自分の親を介護するという大変さをどうやったら軽減出来るのか、悩ましい問題は山積みだなぁー。