- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620104843
作品紹介・あらすじ
失明という運命と闘い、ひたむきに、華麗に、愛と情熱をつらぬいた女、烈。雪ふかき新潟の酒造家を舞台に、生きる哀しみと喜びを全身全霊で描きつくした宮尾文学畢生の傑作。
感想・レビュー・書評
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きのね、に続いて読んだ本。これもまた懸命に生きる女性の話。
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丁度20年前に読んだこの本を作者が亡くなった事もあり、読み返してみる事に。当時も主人公の生き様や、理不尽な運命、人間関係の中まっすぐ生きていく姿に胸を熱くして読んだものだが、再読してもそれは変わりなかった。
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上下巻の長編小説だが、一気読み。
烈、賀穂、左穂、むら、それぞれの女性の強さ、愛が印象的。烈が成長し、盲目でありながら自らの意思と行動力で運命を切り開く姿が、周りの空気も変え、ストーリーを進めてゆく。
最後は足早に終結してしまい、烈と涼太についてあまり描かれていないのが残念。
読みながら泣いていたら、主人に大爆笑され、心外! -
主題ではない「家」というものをここまで書くのかと。
良い悪い、外聞、ゴタゴタ、つながり、親戚。
圧巻。 -
大正から昭和の酒蔵でのお話。方言がやや取っつき辛いものの、読み進むうちに味わいが増します。ストーリーとしてはこれでもかってくらいに父上乱心。この時代の地主が跡継ぎを残すというのは、ここまで固執しなければいけないものだったのかな、と思いつつ、どろどろな展開。酒蔵を舞台にはおいているが、ストーリーにおいて、酒造りの細やかさが絡むことはありません、あくまで人間群像。肩透かしはくらうものの、筋立て、人物描写、方言からなる文体はやっぱりいいなというのが上下巻通しての感想でした。
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全編、セリフは方言。読み始めた時読みにくさにビックリした。昔の地方の様子や考え方などがよくわかる。女性の強さが印象的。
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次第に視力を失っていく少女が、やがて完全に盲目となり、揺れ動きながらも懸命に生きていく物語。
宮尾登美子氏の著書は、どれを読んでも文章が上手く、安定しているので読んでいて落ち着きます。
物語の展開や登場人物も魅力的で、読み始めると時間を忘れてのめりこんでしまうのもいつものこと。
忙しいときには手に取ってはいけない本。