人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日 (ハーパーBOOKS)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596541147

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  • アルゼンチンの学校へ赴任している英国人教師トムは、休暇中に出掛けた南米旅行で、ウルグアイのプンタ・デル・エステと云う海岸に立ち寄った。
    そこで彼を待ち受けていた光景は、重油まみれで息絶えた夥しい数のペンギンたちの屍だった。
    しかしそこに一羽だけ、瀕死の状態ではあるがなんとか息のあるペンギンを見つける。
    トムは保護するべきか、自然に任せてそのままにするべきか大いに迷うのだが、結局助けることを決意する。
    その後トムとペンギンは、ウルグアイからドタバタ旅行の末に何とかアルゼンチンへ入国を果たし、トムが校内で寄宿している部屋にペンギンを無事連れ帰った。
    トムに保護されたペンギンは「フアン・サルバドール」と名付けられて学校の屋上で暮らすことになる。
    サルバドールの愛くるしい動作は、たちまち校内中の人気者になり、生徒たちへの教育上でも良い影響を与えることになる。
    若き教師トムと愛らしいサルバドールの関係は、最高の親友となるまでの暮らしが実話として綴られている。
    このノンフィクションは、単にペンギンと人間の心温まるお話だけではない。
    いま世界共通の問題は地球環境にあり、温暖化による異常気象が声高に叫ばれ、一刻の猶予も許されない事態に人類は追い込まれている。
    地球生物の歴史上、稀にみる夥しい繁殖を繰り返してきた人類が引き起こした自然破壊は、他の地球生物の存在も希薄なものにしたり絶滅させてしまったりしている。
    トム・ミッチェル氏が綴った『 人生を変えてくれたペンギン-海辺で君を見つけた日 』は、人とペンギンの心温まる実話を通して、我々が生じさせた地球環境破壊への警鐘なのだとの思いに至った。

  • 1970年代のアルゼンチン
    英国から来た20代教師が海辺で、油まみれで息絶え絶えのペンギンを偶然見つけたところから始まるノンフィクション

    1羽のペンギンと1人の教師、そして子供たちとの交流

    情景が浮かぶ描写が多く、読んでて楽しかった

  • 首を傾げて片目ずつ覗き込んでくるペンギンがありありと想像できました。可愛かっただろうなあ。

    一緒にいられた時間はどれくらいだったのだろう。
    長くはなかったようだし、生き物との出会いは悲しい別れで終わるものだけれど。
    かけがえのない時間を過ごせて、お互い幸せだっただろう。

  • ウルグアイの海岸に見渡す限り重油まみれのペンギンの死骸…。そんな中、生きているペンギンを見つけたら私もやっぱり助けたいと思う。
    ただ著者の選択がすごいのは、仕事予定のアルゼンチンへペンギンも連れていったこと!

    新たな職場「寄宿学校」。人の良い舎監と校長、生徒に歓迎されたことで始まる生徒たちとペンギンとの暮らし。
    人懐っこいペンギンがよちよち、ピョンピョン跳び跳ねる姿が可愛くてたまらない♪
    教師とペンギンの関係がすごく素敵でした。
    みんなに笑顔と勇気を与えてくれるペンギンの存在。切ない場面もありましたが生徒たちとの関わりも微笑ましく感動しました。
    面白かったです!

    自然保護についても意識させられる作品でした。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 若く冒険心に満ちたイギリス人が、アルゼンチンの教員として採用される。休暇中に訪れたウルグアイの海岸で、多数のペンギンが重油まみれで死んでいる光景を目撃するが、その中に1羽だけ生き残ったペンギンを見つけ救出する──。当時(70年代)の社会情勢、教員の仕事などを絡めながら、ペンギンとの共同生活をユーモアたっぷりに描いている。NFとして読み始めたが、途中からフィクションなのかと疑うほど面白かった。移民の少年がペンギンのお陰で自信をもつようになるエピソード、エピローグで在りし日のペンギンの姿を発見する場面では目頭が熱くなった。

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