砂男(上) (海外文庫)

  • 扶桑社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594083663

作品紹介・あらすじ

スウェーデンで年間最も売れたクライム・ノベルを記録!
司法精神医学局閉鎖病棟に収容された史上最凶のシリアルキラー……

全身が、
不気味な寒気に
襲われる

【内容】
ある激しい雪の夜、一人の男がストックホルム郊外の鉄道線路沿いで保護された。それは、ベストセラー作家レイダルの13年前に行方不明になった息子ミカエルだった。彼は、自分と妹フェリシアを誘拐した人物を「砂男」と呼んだ――。当時、国家警察のヨーナ警部は捜査にあたったが、それがきっかけで彼の人生は一変していた。相棒サムエルとユレックという男を逮捕。判決後、ユレックは不吉な言葉を吐き、閉鎖病棟に収容される。そこへ妹の監禁場所を知るため、公安警察のサーガが潜入捜査を開始する!

【著者紹介】
Lars Kepler(ラーシュ・ケプレル)
アレクサンドラ・コエーリョ・アンドリルとアレクサンデル・アンドリルの作家夫婦が共作するときのペンネーム。国際的なベストセラーとなったヨーナ・リンナシリーズは、40以上の言語に翻訳され、1千万部以上も売れている。アンドリル夫妻は、ラーシュ・ケプレルのペンネームで執筆する以前も、それぞれが単独で書いた作品が出版され高い評価を受けている。3人の娘とスウェーデンのストックホルムに在住。

感想・レビュー・書評

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  • ラーシュ・ケプレル『砂男(上)』扶桑社ミステリー文庫。

    ハヤカワ文庫で邦訳が途切れて久しいヨーナ・リンナ警部シリーズがこの度、扶桑社ミステリー文庫からめでたく復活。

    とんでもなく不気味な事件が描かれるが、上巻は事件のほんの出だしに過ぎず、下巻の展開が非常に気になる。

    ある雪の夜にストックホルム郊外の線路沿いで、13年前に行方不明になったベストセラー作家レイダルの息子ミカエルが保護される。ミカエルは妹のフェリシアも『砂男』に誘拐されて『カプセル』に監禁されていたと証言。主人公のヨーナ警部は独り13年前から二人の生存を信じて地道な捜査を続けていたが、ミカエルの発見に前代未聞の捜査が始まる……

    本体価格1,000円
    ★★★★★

    • take9296さん
      祝・翻訳再開。こうなったら、扶桑社にはこの先も続けて出してもらいたいですね。
      祝・翻訳再開。こうなったら、扶桑社にはこの先も続けて出してもらいたいですね。
      2020/01/04
    • ことぶきジローさん
      扶桑社ミステリー文庫が全盛期の輝きを取り戻してくれたら!
      扶桑社ミステリー文庫が全盛期の輝きを取り戻してくれたら!
      2020/01/04
  • シリーズもの4作目。初めて読む。上巻はあらすじのみ。

     13年前行方不明になった男性が保護される。彼は双子で、妹と一緒にシリアルキラーに誘拐されたと思われる。その犯人は隔離病棟に収容されているが、妹の居場所を言いそうにない。当時捜査していたヨーナは、自分の妻子を案じ、事故死したように見せかけていた。再び彼は捜査に乗り出すが、潜入捜査として、女性捜査員サーガを送り込む。

  •  連続してスウェーデン・ミステリに取り組む。

     「このヨーナ・リンナ警部シリーズは、当初より8作完結のシリーズで設計され、現にスウェーデンでは、最後まで書き継がれている様子だが、邦訳はこの後『契約』『交霊』の三作でストップしている。版元が8作までやり切るなら読者としてもつきあう気になるのだが、途中で投げ出されているのではどうにもならないね。残念!」

     とはヨーナ・リンナのシリーズ第一作『催眠』のレビューで自分が書いたもの。ファンはハヤカワ文庫の三作から6年間待たされ、今扶桑社ミステリで4作目を手に取ることができたものである。二作目、三作目を吹っ飛ばして、巷で評判の高いこの四作目に取りかかると、『催眠』も悪くなかったものの、催眠を使う医師とのダブル・キャストによりヨーナ・リンナという癖の強い刑事の特徴があまり出ていなかった。

     本書も、サーガ・パウエルという潜入捜査官とのダブル・キャストとは言え、ヨーナにとって因縁の事件がクローズアップされるとあって、シリーズ佳境という言葉が似合いそうなクライマックス感がたっぷりなのだ。おまけにサーガも凄く良い。

     それ以上に閉鎖病棟に収容されるユレック・ヴァルテルというシリアル・キラーが、かのハンニバル・レクターを想起させるサイコぶりで、小説世界を圧倒する。閉鎖病棟のシーンは一秒一秒(一頁一頁?)が息詰まる緊張感に満ちており、そこにややこしい変態新人医師が絡んでくることもあって、病棟全体が予測不能の時限爆弾の存在となる。

     一方で宇宙開発時代のソ連、またその支配下にあったカザフスタン、まだ移民を受け入れる体制になかったスウェーデンであれ、そこに亡命してきた移民の姿など、闇の歴史にまで遡る物語の深度と言い、作品世界の重層構造そのものにも驚かされる。

     意味深げなラストシーンも含めて、非常に人気のあるシリーズであることがわかる全体像となっている。是非、継続して翻訳を願いたいところだ。

     覆面作家であった著者は、その後、二人の別ジャンル作家夫婦によるものであることが判明しており、その筆力は本書でも相当に証明されている。今回のパートナーである美女サーガは、二作目から登場するらしい。遡って読まねばなるまいな。

  • ある激しい雪の夜、一人の男がストックホルム郊外の鉄道線路沿いで保護された。それは、ベストセラー作家レイダルの13年前に行方不明になった息子ミカエルだった。彼は、自分と妹フェリシアを誘拐した人物を「砂男」と呼んだ――。当時、国家警察のヨーナ警部は捜査にあたったが、それがきっかけで彼の人生は一変していた。相棒サムエルとユレックという男を逮捕。判決後、ユレックは不吉な言葉を吐き、閉鎖病棟に収容される。そこへ妹の監禁場所を知るため、公安警察のサーガが潜入捜査を開始する。

    やはり「交霊」から直結していたシリーズ第四作。まさかまさかの潜入捜査が始まった。

  • サーガどうなるのー?下巻へ

  •  ヨーナ・リンナものの4作目。いよいよ正体を現した諸悪の根源ユレック・ヴァルテルとの対決の物語だ。厳重に収監されていながら抜群の存在感をみせるヴァルテルに、決死の潜入捜査で挑むサーガ・バウエル。狂言回しの医師アンデシュ・レンがアホとしかいいようがないが、見事に脱出に成功したヴァルテルの息詰まる追跡劇は圧巻だ。ヴァルテルの意外な生い立ちと共犯者の正体や隠された動機などを、ベールをはぐように少しずつ明らかにして追い詰めてゆくヨーナの捜査も見事に描かれていて、一連の物語のターニングポイントととしてはなかなかのものだ。とりあえず大元の脅威が取り除かれたところで忽然と姿を消したヨーナ。まだまだ物語は続くのだが、この先どうなるのだろう。

  • かつて連続誘拐殺人事件の被害者として,亡くなったと思われていた青年ミカエルが発見された。ミカエルの話では,一緒に誘拐された妹フェリシアもまた,生きたまま囚われているらしい。一方,逮捕された犯人が収容された閉鎖病棟では,不穏な空気が漂っていた。

    シリーズ1作目の「催眠」しか読んでないんですが,4作目だそうです。「催眠」ではヨーナ警部よりも催眠をかける医師エリックが主人公かしらという感じでしたが,「砂男」ではヨーナが前面に出てきて,ヨーナの過去が明らかになります。思ったよりハードな過去だった。。犯人であるところのユレックがとにかく怖すぎる。「あいつと一言でも話すと,操られて自殺するか誰か殺すかすることになるぞ」とか。どんなサイコパスですか。
    ヨーナがユレックを警戒するのはよくわかるのですが,だからって誰か代わりに閉鎖病棟に送り込むぜっていう潜入捜査はひどい。。サーガは無事にユレックから情報を引き出せるのか?しかもフェリシアの命はあと数日の猶予しかないかもしれないのだ!
    という感じで,下巻へ続く。

  • (下)を読み終わってから記す。

  • あっ

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著者プロフィール

ラーシュ・ケプレル
アレクサンドラ・コエーリョ・アンドリルとアレクサンデル・アンドリルの作家夫婦が共作するときのペンネーム。国際的なベストセラーとなったヨーナ・リンナシリーズは、40以上の言語に翻訳され、1500万部以上も売れている。アンドリル夫妻は、ラーシュ・ケプレルのペンネームで執筆する以前も、それぞれが単独で書いた作品が出版され高い評価を受けている。3人の娘とスウェーデンのストックホルムに在住。

〈扶桑社ミステリーのラーシュ・ケプレル作品〉
『砂男』上下
『つけ狙う者』上下
『ウサギ狩り人』上下
『墓から蘇った男』上下

「2023年 『鏡の男 (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ラーシュ・ケプレルの作品

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