死にたい夜にかぎって (扶桑社文庫)

著者 :
  • 扶桑社
3.76
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本棚登録 : 1717
感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594083441

作品紹介・あらすじ

ドラマ化決定の話題作がついに文庫化。
愛が欲しくて愛に振り回された男の実話小説。
忘れたくない失恋(かこ)がある。

「君の笑った顔、虫の裏側に似てるよね。カナブンとかの裏側みたい」――
憧れのクラスメイトに指摘された少年は、その日を境にうまく笑えなくなった。
“悲劇のようで喜劇な人生”を切なくもユーモア溢れる筆致で綴る作家・爪切男のデビュー作。
出会い系サイトに生きる車椅子の女、カルト宗教を信仰する女、新宿で唾を売る女etc.
幼くして母に捨てられた少年は、さまざまな女性たちとの出会いを通じ、少しずつ笑顔を取り戻 していく。

文庫には、アイナ・ジ・エンド(BiSH)による解説「死にたい夜を超えていく」を特別収録。 ドラマは2020年初春に放送予定。

感想・レビュー・書評

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  • 作家を目指す著者と、音楽家を目指す彼女が出会って恋に落ち別れるまでの生活を、過去の明け透けな女性遍歴とともに語られたエッセイ。

    ユーモアの塊が随所に散りばめられていて、未だ中二病のきらいがある私としては、ドツボ度ハマりで一気読み読了、読後感最高。

    兎角、壮絶な経験を積み重ねながら、精一杯生きてきた生き様を、時に面白おかしく、時に悲哀を込めて綴られていて、大いに笑い、深く感動した。

    好き嫌いが分かれる作品かもしれない。
    誇張表現が過ぎるのかもしれない。

    だが私は胸を張って言う。

    この作品は、誰もが持つ暗闇の感情に、ミラーボールのようなキラキラとした希望を与えてくれる、愛に溢れた一冊だ。

  • 実話だと言う事にびっくりした。とても読みやすい文章で、時々吹き出しちゃうくらい笑っちゃう。変態要素少し強めだけど、笑える変態だから不快感とかは無かった。風俗行き過ぎだけど…笑
    登場人物も素敵な人達が多かったなぁ。喫茶店の南さん好きだわ〜。お父さんも不器用だけど全力だったんだな〜と思った。ちょっと古風だけど好きだなそうゆうお父さん。
    最後の新幹線のシーンは泣いてしまった。
    笑って泣いて、そしてなんだか前向きになれる1冊でした。

    • ぴーまんさん
      面白かったです!!
      若干変態ですか、笑える変態です!笑
      面白かったです!!
      若干変態ですか、笑える変態です!笑
      2021/08/09
    • moboyokohamaさん
      ありがとうございます。
      読んでみます。
      ありがとうございます。
      読んでみます。
      2021/08/09
    • ぴーまんさん
      とんでもないです!
      是非読んでみてください。
      コメントありがとうございます♪嬉しかったです!
      とんでもないです!
      是非読んでみてください。
      コメントありがとうございます♪嬉しかったです!
      2021/08/10
  • いやー、面白かった!笑

    複数のフォロアーさんの評価が高く、
    読んでみたいと思っていた本作。

    著者の、表現の仕方や素直な表現に
    笑わせてもらいました!

    羨ましくは全くないけど、笑
    ポジティブな変換が、人生を面白くしてます。

    私も
    「そう思うことにした」って変換できる人に
    なりたいですね!

  • この本を読む前の自分の精神状態は本当に最近の日々が虚しく感じて辛かった。生きがいってなんだろう、なんで俺だけ生きるのがこんなにも辛いのだろう、薬に頼る人生は懲り懲り、そのようなネガティブな感情を抱いていた。だが、【この本にある 辛いことの中にも楽しいことは必ずある。それを見つけて笑っていればなんとかなる。】この言葉に本当に救われた。今確かに私は辛い。でもこのような生活の中でも楽しいことは自分の捉え方次第で無限にあると思えた。楽しいことがあるということを信じるこの考え方によって、今後の人生について考えるとワクワクするようになった。薬に対しても、自分より辛い状況で多くの年月を費やした人も他にもいるんだなと思うと今の自分は恵まれているのかもしれない。人生物事の捉え方次第で幸不幸は分かれてくると思った。【女は花で、男は花瓶である】この言葉にも共感した。最近恋愛をしていない私に言えたことではないが、女性はみなそれぞれ違った美しさを持っている花である。その花特有の美しさを輝かせられるかどうかは男にかかっている。楽しいときに笑い合えるのはもちろん、辛い時にどう支え合えるかがパートナーとの相性を考える上で重要になってくると思った。今、精神的に辛い状況の方、人生ってなんだろうと模索してる方、そのような人にオススメの1冊です。

  • みんなが読んでるから…読んでみようと思った。

    はじめの方は、こんな話だったのか…。と正直ガッカリしたのだけど、読み進んでいくうちに、二人に引き込まれていった。
    辛い状況、望まない状況…そんな時の「私」の逆転の発想がすごくいい。辛い時こその「まぁいいか。」は私に大きく欠けている所だ。
    こんな緩い生き方もまたアリなんだなぁ。
    爪切男さん、ありがとう。

  • 色んな人生があるんだな、というそれだけのこと。それだけのことがこの本には詰まっている。しかしそれが良い。こんな人生なのになぜか羨ましい。

  • 一昨年くらいから話題になっていましたが、なかなか買う踏ん切りがつかないうちに文庫いなってくれたので手に取ってみました。
    図書館から嫌われているのか、通常利用している三自治体の図書館いずれも置いていませんでした。大概何でも置く練馬図書館にもないので相当です。
    そんなに問題な本なのかしらと危ぶみましたが、想像以上に良い作品で驚きました。
    コミカルではあるのですが、この軽快かつ哀愁をにじませる文体で、読んだ一人一人の過去の異性を思い返させるようなパワーが有ります。

    彼が関わってきた女性とのエピソードがメインなのですが、その書きようは恋愛譚ではなくまるでコント。体を張ったコントのようなスピード感です。でもバカ騒ぎではなくそこには一抹の寂しさと人間の営みのかわいらしさが有り、読んでいると妙に切なくなるし、自分の大事な人に優しくしたくなります。
    車いすの女性との初体験シーンからして非常に笑えるのですけど、悪ノリの奥に見えるやさしさを感じてしますのは僕だけでしょうか。
    ドラマ化するようですが、絶対に見ないでしょう。映像化したら非常に陳腐なものになるような気がします。心象風景の描き方が肝となる作品なので、向いているようで向いていない作品と感じました。
    次回作も物凄く楽しみにしています。

  • 文体が素晴らしく読みやすく、一瞬で読破。
    爪切男さんには幸せになって欲しい。

  • 作家の自叙伝。
    自叙伝と知らずに購入。
    文章が面白く、読み易い。
    悪い事も良い事にして考える。
    しかも、女性に対してとても優しい男性。
    現時点で、話題になってる○部○に爪垢を飲ませたい位だ。(爪 切男だけに爪の垢…(=^▽^)σ)
    ‘20.06.25読書完了

  • ミュージシャンになる夢を叶えるために自分の唾を売る女性と恋をし、付き合い始め、結婚を考えるが…
    愛する女性の鬱病発症、浮気、暴力、
    その寂しさを埋めるように主人公は風俗に通い、あらゆる女性に恋をする。
    綺麗事だけでは生きてはいけない世の中を主人公の人生になぞって描かれている。
    決して綺麗ではなく、欲望にまみれた主人公の人間味あふれる生き方に、人間強がっても、苦しい時、弱くなる時があると、何か共感を覚える作品でした。

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著者プロフィール

爪切男(つめ・きりお)/作家。1979年、香川県生まれ。2018年、『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)でデビュー。2021年、『もはや僕は人間じゃない』(中央公論新社)、『働きアリに花束を』(扶桑社)、『クラスメイトの女子、全員好きでした』(集英社)と3か月連続刊行が話題に。

「2022年 『きょうも延長ナリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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