ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594083076

作品紹介・あらすじ

近現代史の書き換えを迫る第一級の史料!

封印されてきた歴史の真実
第二次世界大戦時、アメリカはソ連の諜報活動に操られていた!

江崎道朗氏推薦!
「ヴェノナ文書によって、第二次世界大戦だけでなく、対日占領政策と現行憲法制定、そして朝鮮戦争に至る近現代史の見直しが迫られている」

『ヴェノナ文書』とは、アメリカとイギリスの情報機関が、1940~1944年のソ連の暗号を解読したもので、1995年のアメリカの情報公開法によって一斉公開された。
本書はその内容を明らかにした『Venona:Decoding Soviet Espionage in America』の日本語訳である(監訳者:京都大学名誉教授 中西輝政)。

中西輝政氏が注目する4つのポイント
1「暗号解読」という営みに対するアメリカをはじめとする主要国の国家的執念の凄さ
2 解読されたソ連暗号通信から明らかになった事実の驚くような中味
3 なぜ米ソの冷戦が始まったのか、という20世紀の大問題に「ヴェノナ」が関わっている
4 かくも重大な世界史的秘密が長期間、多くの人々の眼から隠されてきたことへの驚き

感想・レビュー・書評

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  • 読んでから、だいぶ時間が経ってからの感想です。
    冷戦という状況がそのまま描かれたものです。こんなことが、歴史の裏側で起こっていたのかと驚かされることの連続でした。
    歴史上重い出来事がこれでもかと続くので、なかなか読み進められませんが、世界情勢を見ていく上での必読書です。

  • アメリカにも共産主義者が多く暗躍した時代が太平洋戦争前夜であったとは。

  • 『#ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』

    ほぼ日書評 Day353

    「◯◯文書」などと言うと、子供の頃に親しんだUFO本よろしく、幾分胡散臭く感じてしまうが、このヴェノナについては、工作活度をやられていた側(米国)とやっていた側(旧ソ連)、双方の文章を付け合わせることで、その真正性が明かされると言うのがまずは驚きだ。

    アメリカは「移民の国」なので、外国人スパイ活動がやり易い。

    今日でも、Web上の偽サイトやフィッシングメール等に対し微かな違和感を覚え、結果、危うい一線を越えずに済む世界の住民たる我々とは真逆の世界だ。

    ルーズベルト政権内に多くの「合法」並びに「非合法」の工作員がいたことは、本書評シリーズでも何度か触れてきたが、そもそも「合法」工作員なる存在があったのかという驚き、さらに工作員同士は複数のグループに分断され、彼ら同士は顔も名前も知らない。一部の活動が発覚しても、一網打尽になることを避けるためだ。
    もちろん、一部の人間は、心底、思想信条ゆえにそうした活動に携わっていたのであろうが、それ以外は金のためなのか? 盛んに行われていたというリクルーティング活動含め、そもそもの活動動機を知りたいものである。

    トロツキーの息子も消された疑惑や、ドイツという共通の敵を媒に味方と思わせることで、さしものユダヤ人さえ手玉に取ったという件も、その活動の苛烈さの証左だろう。

    同時に、ソ連は米国の原爆開発計画も把握しており、それがその後の日本の運命を変えるとともに、極めて短期でのソ連による原爆開発成功に繋がった。何たる米国の脇の緩さよ。

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  • 最後の章が秀逸。
    この本は、ソ連スパイの話だが、今のアメリカに置いて中国やDSと読み替えると現状が理解しやすくなる。

  • HJ3a

  • 第2次世界大戦時、アメリカ ルーズベルト・トルーマン民主党政権は、ソ連の対米諜報活動(米連邦政府内・民間に潜入したソ連のスパイ)に操られソ連や中国共産党を懸命に支援していた事が判明。それが1995年に一斉公開されたソ連暗号解読文書「ヴェノナ」によって白日の元にさらされた。
    大恐慌により「資本主義に未来は無く、ソビエトのシステムが最も有効な代替案」と、共産主義のイデオロギーに傾倒していく。
    「言語、歴史、習慣、伝統の異なる世界の100以上の諸民族の間に、豊かで色とりどりの多角的な文化的生活を--------」美辞麗句満載の当時の宣伝文句である。

  • 恐ロシア…
    読み切るのが大変でしたが、暗号の複雑さ、スパイの手口、当時のルーズベルト政権のダメさ加減、共産主義が分かる文献でした。かぁぁ

  • 加筆修正の上、書評はブログに書きました。
    https://dark-pla.net/?p=2198

  • 人間関係が複雑でよくわからない部分もあるが、第二次大戦中のアメリカの政権中枢にソビエトのスパイが潜り込んでおり、それもヒスやホワイトといった歴史に名を残す人物までもがそういった属性であったというのは大きな驚きだ。
    しかし、あれだけ素朴なロシア人がこれだけのことをするのだから、イギリスやアメリカはもっと巧妙にスパイ行為を行っていると考えてよいのだろう。

  • ソ連のスパイ多すぎぃ!というのが率直な感想。ここまでインテリたちを魅了した共産主義って何だったんだろう…と今の視点で見ると思う。最後、ソ連とか中国に亡命して、ソ連の崩壊を目の当たりにした元スパイたちはどんな心境だったのかな…と思った本だった。

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