プライマリー・バランス亡国論

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594077327

作品紹介・あらすじ

プライマリー・バランス(基礎的財政収支)の赤字を恐れるな。
政府は積極的な財政出動によって、早急に景気を回復させるべきだ!

「2020年までにプライマリー・バランスを黒字化する」という目標を達成するために行った消費増税や予算のカットが、長期デフレから立ち直れない要因であるという事実を、実証的データをもとに解明する。
「財政赤字は絶対悪」との思い込みを各種データから覆す、目からウロコの日本国民必読の書。

【章だて】
第1章 「プライマリー・バランス」とは何か?
第2章 「PB改善」で日本は貧困化・後進国化する ~消費増税のディープインパクト~
第3章 なぜ、「世にもキケンな消費増税」がなされたのか?
第4章 正々堂々と「PB目標」を取り下げよ
第5章 「財出拡大」が「財政再建」をもたらす
第6章 企業と政府の負債(PB赤字)が経済を成長させる
終 章 「PB制約撤廃」が、日本を救う

【小見出しより】
政府は「家計」と全然違う。むしろ「企業」に似た存在である
「PB目標」に真面目に取り組んだ結果、破綻したアルゼンチン
消費増税によるPB改善で、国民は一人当たり「10万円」貧しくなった
消費増税のインパクトを完全に読み間違えた学者・エコノミストたち
国際標準の視点から見れば、日本の財政は既に「改善」し始めている
「成長」で税収は増える。しかも消費増税よりも、より多く増える
「自国通貨で借金」をしている日本政府は、ギリシャと全然違う
「国債暴落Xデー」というデマ
1997年の消費増税によってデフレ化し、かえって財政が悪化した
「財政政策」を行った国が、リーマンショックからいち早く立ち直った

感想・レビュー・書評

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  • 政府が目指すべき財政政策の指針がプライマリーバランスではだめだということ。この本を読めばプライマリーバランス目標を掲げること自体が、将来の日本経済を危うくすることが理解できる。政府関係者も当然わかっていると思うが、なぜこのいびつなプライマリーバランス黒字化に固執するのか。テレビも新聞も異議を唱えないのかが逆に不安になった。それとも本当にわかっていないのか?
    将来に警鐘を鳴らす良書。

  • 日本には大量の借金があってこのままなら破綻する、だから政府支出は増やせない、というナイーブな思い込みが、今の日本の衰弱と財政悪化の根源的な原因である。2020年PB黒字化目標は廃棄すべし。

    コロナで更に借金が増えて、この先どうなるんだろうという不安が、国債については安心していいってことでしょうか。

  • 言いたいことはわかる。客観的な数値などを使っていて理論的である。平易に書いてあって、わかりやすい。だが、全体的に攻撃的で、批判的でどうにも素直に受け取れない。
    消費税がデフレを招いているという説も、金融政策は、デフレ脱却に効果が薄いというのもわかる。でも、ムダな公共工事がはたしてよかったのか。維持費の増大、公共投資に頼りきった経済がはたして健全なのか。日銀の国債引受は無限にできるのか。なんというか、前提を無視しているような気がしてしまう本だった。
    確かにアルゼンチン(IMF等国外から借金)、ギリシャ(EUの健全化目標に縛られるうえ、通貨発行権なし)とは違うというのはわかる。でも、どこまでもいけるものなのか。MMTってこういった主張なのだろうか。もうすこしほかの本を読むなりして理解を深めないとハラ落ちしないなと感じた一冊だった。

  • いつもどおりの藤井節、歯切れも良く、データも充分な展開でした、勉強になりました。⭕️

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著者プロフィール

京都大学大学院工学研究科教授、1968年生。

京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員、東京工業大学教授等を経て現職。

2012年から2018年まで安倍内閣・内閣官房参与としてアベノミクス、国土強靱化等の政策アドヴァイスを担当。

2018年より保守思想誌・『表現者クライテリオン』編集長。


「2024年 『「西部邁」を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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