地震と原発 今からの危機 (神保・宮台マル激トーク・オン・デマンド)

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594064280

作品紹介・あらすじ

3・11級の地震が予測される日本で数十兆円の税金をムダにしながら「原発」を選ぶことに合理性はあるか。

感想・レビュー・書評

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  •  この本は6月に出版されていた本であるが、震災から6ヶ月を迎えようとするこの時期に読むのも問題意識を新たにするという意味で価値がある。大きな気づきは半年経ってもなにも変わっていないということだ。原発も停止されていないし、核燃料サイクルの放棄も表明されていないし、マスコミの電力会社依存も変わっていない。東電は破産させず、延命し電気料金への上乗せで賠償を行おうとしている。中国地方では原発懐疑派の地方議員が議席を失い、反原発の流れが国民レベルで生じてもいない。震災以後、確実に悪化している状況もある。
     震災直後、あれだけ毎日報道されていた原発事故の状況も最近では殆ど報道されなくなった。いまの原子炉の現状はどうなっているのであろうか?冷却水の放射能除去システムはようやく稼働したが、放射能漏れはどの程度続いているのであろうか?
     半年が経過しようとする今こそ、震災後の状況を点検して、その遅々とした対応に再度怒りを高める必要がある。そのためにも、本書を読むことを私は強くお薦めする。特に、神保氏と宮台氏のエピローグは重要である。

  • 緊急出版ということもあり、つくりはやや甘い。
    (総括した本を作ったほうが、情報性は高いだろう)

    ただし、地震直後の一連の報道において、マル激が果たした役割は決して小さくなかったと思っているし、
    その応援の意味も込めて、高く評価。

    個人的には地震学者の方のコメントがとてもリアル。
    これを受け止めて行動することは容易ではないけれど、
    (絶対安全はない)何とかしていきたいと考えている。

  • 日本という国がいかに経済優先主義で、国民を顧みない社会であるのかを教えてくれる本。勿論、経済自体国民を潤すための要素だが、果たしてそれさえ庶民の為ではなくて、一部の特権的な国民のためにあるものという感じさえする。アベノミクス然り、TPP然り。ところであれから二年がたって、福島の教訓は生かされることもなく、原発推進を掲げる安倍政権の支持率は隠然としている様相だ。結局、私たちはあれから何が変わったのか。その問いだけが頭の中に何度も響いた。

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著者プロフィール

ビデオジャーナリスト。1961年東京都生まれ。国際基督教大学(ICU)卒業。1986年、コロンビア大学ジャーナリズム大学院卒業後、AP通信など米報道機関記者を経て1999年日本初の独立系インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」を設立。同局報道番組キャスターのほか、CS朝日ニュースター「ニュース解説・神保哲生の眼」、TBSラジオ「Dig」などでもキャスターを務める。

「2012年 『メディアの罠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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