わが心臓の痛み 上 (扶桑社ミステリー コ 7-12)

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594038021

作品紹介・あらすじ

連続殺人犯を追い、数々の難事件を解決してきたFBI捜査官テリー・マッケイレブ。長年にわたる激務とストレスがもとで、心筋症の悪化に倒れた彼は、早期引退を余儀なくされた。その後、心臓移植の手術を受けて退院した彼のもとに、美しき女性グラシエラが現われる。彼女は、マッケイレブの胸にある心臓がコンビニ強盗に遭って絶命した妹のものだと語った。悪に対する怒りに駆り立てられたマッケイレブは再び捜査に乗り出す。因縁の糸に繰られ、事件はやがてほつれ目を見せはじめるが…。

感想・レビュー・書評

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  • 初のコナリーですが非常に面白かったです。

    初めはただのコンビニ強盗と思われた事件が、調査が進むに連れてどんどん違う形に変化して行き、最後の最後に張り巡らされた伏線とカチリと噛み合うのは見事の一言。

    殺人の受益者として生きることとなった主人公の葛藤の描かれ方は素晴らしく、最後マッケイレブが決着をつけるシーンは絵になる美しいものでした。そして何よりこの邦題素晴らしいですね。コナリーの他の作品もぜひ読んでみたいです

  • 上巻を読み終えた時点では 原題「Blood Work]の意味・・血液検査が何を語るのか、見えてこない。

    だが、元FBI捜査官マッケイレブが持つ痛み~心臓移植の病歴が伏線の嚆矢・・どう展開して行くかと。

    ただの刑事でない所が捜査のやりにくさを物語り、ストーリーの随所で彼の呟きともとれる苦渋が染みでている。
    ボッシュシリーズに比べ硬派、地道という香りだが共通するのはその人間性。
    『抽象概念だけでは対峙しきれぬ邪悪・・具現化させ滅ぼすことができる人間の形にする必要がある❣」との必要性を熱く抱くマッケイレブの人間味~映画化してみたいと思わせるのが解る。
    結構あちこちに埋められた地雷=伏線をどう処理して行くのか、下巻

  • いいねぇ。新キャラ、マッケイレブ。

  • FBI捜査官のテリー・マッケイレブは心臓を悪くして引退し、2か月前に心臓移植手術を受けたばかり。そんな彼のもとに見知らぬ女性が現れ、移植された心臓は殺された妹のものだったと告げる。

    ハリー・ボッシュ・シリーズでおなじみの著者による作品。『ザ・ポエット』を読んだときと同様に、今回も巧みなミスリードにしてやられた。犯人の意外性に関しては、ボッシュものより秀逸な出来に思う。

    2002年、映画化。『ブラッド・ワーク』(主演:クリント・イーストウッド)。

  • 読みやすい。
    ここのところ、スェーデンの刑事小説を
    読んでいたので、
    久しぶりにマイクル・コナリーを読んで読みやすさに感動した。

    ストーリー展開の巧みさや、怒涛の展開ばかりに目を奪われていたが、
    改めて読んでみると、人物の書き分けがうまいことがわかる。
    まぁ、キャラクター設定がちょっとべた過ぎるきらいはあるが。

    (下に続く)

  • 面白かった!
    BLOOD WORKの意味がわかって表紙のタイトルを見直したときは成るほど!と唸り、いくつもの謎が解け、ぞっとする瞬間もあり、男の子とのハートウォーミングなシーンも前半にはあり、映画化されるのもわかるな。

  • 4月24日読了。図書館。

  • ハードボイルドは、時代と多くの先駆者たちの影響によって様変わりしてきた。現代は“ポスト・ネオ・ハードボイルド”の時代らしい。一括りに論じれば、主人公と事件の距離がより密接になっている共通点があるのだとか。ハードボイルドの定義について分析できるほど多くを読んではいないが、先ほどの共通点はなんとなく理解できる。フィリップ・マーロウやサム・スペードらよりも、主人公が自ら進んで事件と対峙しようという印象は強い。本作品はまさに典型的。

    死と再生という対極のテーマを、丁寧にきめ細かく扱っている。それぞれの立場を重視しながら、決して感情的になることはなく。どこかで爆発してもいいのに、ギリギリのラインを保って理性を押さえ込んでいる。なぜなら彼らは大人だから。そう、コナリー作品に登場する人物たちは、誰もがみな大人なのである。責任ある大人の下した決断は軽くない。だから読んでて胸につまる。

    ミステリ作家としてのスタンスもいい。事件へのアプローチや手掛かりを無駄にしないところも好き。途中までは完全に星五つだったのだが、動機が判明した時点でちょっと引いた。こういう動機は好きではない。あ、だから主人公はFBI捜査官なのか、と納得はしたが虚脱感がなくなるわけではない。一種のサプライズかもしれないが、こういう動機で事件に別の面を持たせてほしくはないのだ。

    ただ、そうは言ってもやっぱりコナリーは面白い。相性が良くて不安材料が見当たらないから、いつまでも読んでいたくなる。他シリーズのキャラがなにげに顔を出してるのがずるいんだよなあ。

  • フリーの主人公が捜査を行う理由としてはベタな感じすらします。しかし犯人を追いつめる過程は、地道に関係者にあたるもの、遺留品の科学的分析、殺人現場のビデオ映像の解析など、非常に現実的なものです。これらの捜査方法は現在のテレビドラマでは駆使されているためか、パソコンを使用していないので、古くささを感じますが、例えばホームズの時代の捜査法のように、そういうものと割り切ってしまえば面白さは減ることがありません。とはいうものの、犯人像は意外性が薄く、少しガッカリした感は否めませんでした(私は別の人を犯人だと考えていました)。分量が多かったのでもう少し短くてもよかったなー。私としては、心臓を提供されたからといって、そんなものに協力する必要はない、というような悪態をつくキャラのほうが好きなので、☆☆☆★というところです。

  • 元FBI捜査官テリー・マッケイレブ。コナリー7作目。

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著者プロフィール

Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。

「2023年 『正義の弧(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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