パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃

  • ほるぷ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593533862

作品紹介・あらすじ

アメリカの寄宿学校に通う12歳の少年パーシー・ジャクソンは、ある時突然、ギリシャ神話の神々の息子のひとりであると告げられる。仲間のアナベスとグローバーとともに、旅に出ることになったパーシーに、予言の神が下した神託は4つ。おまえは西へ行き、そむいた神と対面する。おまえは盗まれたものを見つけ、持ち主に無事に届ける。おまえはおまえを友と呼ぶ者に裏切られる。おまえは結局、もっとも大切なものを守りそこねる。さらわれた母親の運命と、まだ見ぬ父親への複雑な思いをかかえて旅するパーシーの冒険の結末は…。アメリカ探偵作家クラブ賞受賞の実力派ミステリ作家によるギリシャ神話とミステリの融合。スピーディな展開、二転三転する犯人…、新感覚ミステリ・ファンタジーシリーズ第一弾。

感想・レビュー・書評

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  • 次男に「一番面白いお話」とお勧めされたので読んでみた。
    ギリシア神話をモチーフに、12歳のパーシー・ジャクソンを主人公とした冒険ファンタジーです。

    西洋文明というものはギリシア神話の神々とともにあり、神々のいるオリンポス山は昔はギリシアにあったがその後は世界を転々としている。そのオリンポス山があるところが世界でも輝いている場所ということ。
    そして現在オリンポスがあるのはアメリカのニューヨーク。
    …ということで、現在にもギリシア神話の神々や怪物たちが存在していたら?という背景で、親や学校でうまく行かない子どもたちが自分自身を見つめ直したり成長したりグレたりするシリーズです。


    主人公パーシー・ジャクソンは難読症とADHDで学校生活もうまく行かないし、母の再婚相手は最悪野郎だった。
    ところがある時「きみはギリシア神話の神様と、人間の女性とのハーフだ」と告げられる。
    ギリシアの神々は太古の昔からの営み…つまり人間界に間接的に介入したり、恋愛したり、その結果子どもを作ったりしてきたんだそうだ。
    ギリシア神話の神々は死なない。そして怪物たちも巨人族たちも死なない。倒されたらしばらく消えるがまた蘇る。そして怪物たちはハーフの子どもたちの匂いを嗅いで襲いかかってくるのだという。
    だからそんなハーフの子どもたちを集めた訓練場があり、パーシーもそこに行くことになった。

    ギリシアの神々の中でもビッグ・スリーと呼ばれるゼウス、ポセイドン、ハデスの子どもたちは歴史上でも活躍と戦争とを引き寄せてきたので、もう人間との間に子どもは作らないという約束をした。
    しかしパーシーの父は、子どもを作らないと約束したポセイドンだったということが明らかになる。

    そして訓練場の子どもたちのなかでも認められた者たちは冒険の旅に選ばれる。
    今回パーシーが冒険の旅に選ばれた。
    ちょうど今天界は大戦争の危機にあった。大神ゼウスの雷撃の杖(ライトニングボルト)が盗まれ、神々が疑い合って一触即発、このままでは人間界にも多大な影響が及んで第三次世界大戦が始まってしまう。
    それを阻止するためパーシーが受けた使命は「雷撃を取り戻す」ということだった。
    神々は直接お互いに手が出せないから英雄たちを使っているので、パーシーは「それっていいように利用してるってこと?」なんて思うこともある。

    パーシーは下半身がロバ…「メェエエ!ぼくはロバじゃなくて、半分ヤギ!」…下半身がヤギのサテュロスの親友グローバー、そして女神アテネの娘のアナベスとともに冒険の旅に出ることになった…。


    物語としては、ギリシア神話の世界が現代アメリカにあったら?という冒険ファンタジー要素に、現代社会に溶け込んだ姿で出てくる神々(革ジャンバイカーのアレスや、アロハシャツのポセイドンなど)、次々に襲ってくる怪物や巨人たちと戦うバトル、そしてゼウスの雷撃を盗んだのは誰で目的はなんだという推理、そして家族や学校でうまく行かない子どもたちがグレちゃったり自分自身を見直したりする心情などが入り混じっています。
    語り手が12歳のいわゆる問題児少年なのでなかなかテンポが良いし、緊迫のさなかであっても笑えるジョークも出てます。
    少年冒険成長物として楽しく読める一冊目です。

  • 久々星5つの評価をつけたファンタジーの児童書です。
    そして2009年1冊目の本がこれになりました。

    <blockquote>ストーリー
    数々の学校を問題児として退学させられてしまうニューヨークの12歳の少年パーシー。またもや寄宿学校を退学となってしまうのだが……。そのきっかけとなったある教師から襲われた事件、しかし誰もその教師を覚えていない、など、なぜか身の回りで不思議なことがおこり始める。そしてギリシャ神話の神の息子だと告げられ、あれよあれよという間に、冒険の旅に出ることに。</blockquote>

    まさに、ギリシャ神話と現代が融合した、アメリカ版、ハリーポッター。まさに、ギリシャ神話と現代が融合した、アメリカ版、ハリーポッター。
    なぜかギリシャ神話に出てくる神々がアメリカにおわす、なんて設定は、ファンタジーの中でも
    ぶっとんでいて面白い。
    高橋克彦氏の著作に○○が生きていて地底に……
    みたいな設定はあるが、これはギリシャ神話。
    自分勝手で人間くさい神々が、
    ギリシャ神話のイメージそのものとして出てくる。

    ギリシャ神話自体に詳しくないので、
    私個人のイメージということですが……。

    でも、改めてギリシャ神話を読みたくなりました。

    それにしても、読んでいて感じたのは、「神様って何?」とか「英雄って何?」とか
    そういうことでした。

    それほどまでに人間くさく、自分勝手もいいところ。
    私の抱いている「神」とはほど遠いような気がします。
    それだけに、非常に面白い展開となりうるものなのかなぁと思います。
    ちょっぴり、西遊記とかに似てるのかなぁテイストが、そんな風にも思います。

    つまり、正統派、王道、冒険ものファンタジーといって良いと思います。

    少しだけわかりにくいところもあります。
    どうしてもアメリカ文化やさらにギリシャ神話自体がモチーフとなっている分、
    ある程度前提でわからないとわかりにくいです。
    でもファンタジーが好き、冒険もの好き、という人ならば楽しめる作品です。
    あまり「魔法」はこの作品自体には出てこなかったように感じます。

    ちなみに、どうやら映画化という話もあるらしいです。
    どんな風な映像になるのか、楽しみです。
    もちろん、続いて次の作品も読んでみようと思っています。

    この本からの教訓。
    ☆人間は自分のフィルターを通してモノを見る。
    人間は目で見たものを、自分の知っている現実に当てはめようとする。
    ○真実を見る目を養わないといけませんね。

    ☆怪物さえ……ときどきかまってもらいたいものだ
    ○人はひとりで生きていけない…んです。

  • 言わずと知れたシリーズですが・・・我が家の中1・小4兄弟が大はまり中。ほっとくと、休日一歩も家から出ずに読んでいる小4。ハリーポッターと比べると、なんといっても違いはこのアメリカンな「ノリ」の軽さ。ニューヨークからハリウッド、映画スターの名前なんかも会話にでてきて現代的。

    DVDで観た後に読み始めて、あっという間に現在第二シリーズ読書中。んでもって、中1はギリシア神話の本も図書館で借りてきて熟読。親も呆れるほど、やたらと神話に詳しい男になってしまいました。それなりに長いので、映画を見てイメージしてからだとぐいぐい進むみたいです。(実はワタシはぱらぱらっとめくっただけなので、ごめん!★3つにしときます。息子の超推し本ということで!)

    小4は1冊読むのにやっぱりものすごい時間がかかります。それでも引き付けられるみたい。この引力がすごい。

  • 神話に出てくる神々の名前に多少親しみがあるほうが楽しめる。文章よりも映像のほうが楽しそうな雰囲気。

  • 軽快な読み口と、ちりばめられた笑いがありますが、主人公が12才のため感情移入が難しく、途中で断念しました。

  • 5年生になる直前の春休みに息子読了。
    「ぼくたち負け組クラブ」の作中に出てきたので予約して借りてみた。

    500ページ越えの本だとも知らずに(汗)
    息子は1日ちょっとで息子は読み終えて驚いた。
    読みやすく、テンポが良い本のようだ。


    テレビを制限しているので、
    息子はそんなにものを知らない。
    アメリカは知っていても、ラスベガスやニューヨークがどんな感じか、アロハシャツ着た神さまが出てきても「?」だったと思う。

    それでも先へ先へと思わせるのは作者と訳者の紡ぎ出すものが魅力的なんだろうな。
    やりたいことが沢山ある男の子が
    本に齧り付いて読む姿が見たい親御さんにはオススメ。

    だが、受験塾に通うお子様には時間がかかりすぎちゃうよー!!短くても面白い本は沢山あるよーと言葉を添えたい。

  • 面白いです。
    子供でも楽しめます。
    最初は、ギリシャ神話を全く知らなかったけれど、なんとなくわかるようになってきました。

  • アメリカの寄宿学校に通うパーシーは、校外授業で訪れた美術館で怪物に襲われる。自分がギリシャ神話の神々の息子のひとりだと知ったパーシーは、神託を受け仲間と共に盗まれた雷撃を探す旅に出るのだった。

    まだ読んでいなかった人気作。今更とは思わず手に取り読みました。
    ギリシャ神話のオリンポスの神々が現代アメリカにおり、神話時代同様人間との間に子どもができているという設定がいいです。
    その子どもたちが訓練所に集められ神と人間の間の子「ハーフ」の力を伸ばしているというのは、ハリーポッター以来の伝統のような感じもしますね。パーシーの父親が実は…というくだりもある意味王道ですね。

    そして冒険の旅に出てからがこの物語の真骨頂。現代アメリカを舞台にポップでスピーディな展開が待っています。短いエピソードを小気味良く重ねていくのは、読んでいて楽しいです。
    そこにギリシャ神話の怪物や神々が絡んでくるのも、幕の内弁当的な楽しさがあります。オールスター総登場という感じでしょうか。

    物語終盤に一気呵成に物語は進み、パーシーに決断を何度も迫ります。この盛り上げ方とパーシーの覚悟がカッコイイのですね。
    最後の最後にこれからの展開を示唆するものが現れ、物語は次巻に続く。これは面白い。
    面白い要素を詰め込んで、読み手を飽きさせず楽しませます。しかもその見せ方がうまい。これは人気になる訳だと納得したのです。いやあ続きが楽しみだ。

  • 2010/3/15 予約、2010/7/27 借りる。 8/9 読み始め、8/16 読み終える。

    映画を先に見たけれど忘れていることも多く、幾分内容がちがうなぁと思いつつ、楽しく読めました。
    映画では話は完結した印象でしたが、本では次の探検が待っています。
    シリーズものなので、次も読んでで見たいな!

    → 2010/3/15 「映画:パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々を見る」 

    ギリシャ神話(ギリシア神話)を読んでみよう ⇒ ギリシャ神話

    内容 :
    ある時突然、ギリシャ神話の神々の息子のひとりであると告げられた12歳のパーシーは、盗まれたゼウスの武器を探して、アメリカを横断する旅に出る−。
    実力派ミステリ作家による、新感覚ミステリ・ファンタジー第1弾。

    著者 :
    1964年米テキサス州生まれ。テキサス大学で英語と歴史学を専攻。
    「ビッグ・レッド・テキーラ」でシェイマス賞、アンソニー賞、「ホンキートンク・ガール」でアメリカ探偵作家クラブ賞受賞。

  •  ハリー・ポッターより自分に向く内容だと信じて借りる。
     子どもたちに数知れず借りられたせいか、スピン(しおり紐)が根元から千切れている。
     アメリカ版『聖闘士星矢』みたいなものと思って読み始めたら、ギリシャ神話風味の X-MEN だった。

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著者プロフィール

1964年、米テキサス州サンアントニオ生まれ。テキサス大学で英語と歴史を専攻。
『ビッグ・レッド・テキーラ』(小学館)でシェイマス賞、アンソニー賞。『ホンキートンク・ガール』(小学館)でアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀ペーパーバック賞を受賞した実力派ミステリー作家。初めて執筆したファンタジー「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」シリーズ(ほるぷ出版)は全世界でシリーズ累計5000万部となり、映画化された。その他の作品に、「ケイン・クロニクル」シリーズ(KADOKAWA)などがある。

「2021年 『アポロンと5つの神託 太陽の神』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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