QUIZ JAPAN全書03 東大生クイズ王・伊沢拓司の軌跡 Ⅰ ~頂点を極めた思考法~
- ほるぷ出版 (2015年10月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593310227
作品紹介・あらすじ
「高校生クイズ」2連覇。開成中・高から東大へ進学した伊沢拓司が初めて明かす、勝利への方程式。秘蔵クイズ問題500問も掲載!
感想・レビュー・書評
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ギリシャ語で怪物を意味する言葉に由来する、一兆倍を表して用いる単位の接頭辞は:テラ
緊急時故に広告が一切載らないため、実は各社が自腹を切っているビッグニュース用の新聞は:号外
江戸時代、9+4=13から十三屋と呼ばれたのは何屋さん?:櫛屋
英語ではある程度物事を理解できるようになってから生えることからWisdomTeethと呼ばれる一番大きい奥歯は:おやしらず
フランスではコクリコcoquelicot、アメリカではシャーレイポピーshirley poppy、中国では虞美人、この花は:ヒナゲシ
はりはり漬けは切り干し大根。はりはり鍋は?:水菜
海のパイナップルとは:ほや
モーリシャスの国鳥で、ポルトガル語の「のろま」という名の飛べも走れもしない鳥は:ドードー
元は酒をお燗するための物で、急な用事で使うものという意味の茶器は:急須詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伊沢さん天才だと今までずっと思ってきた。しかし、伊沢さんも最初は凡人であった。そこからいかに努力するかで決まるということがわかった。この本から多くのことを学んだ。
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高校生クイズ2010、2011年優勝チームメンバーであり、東大進学後もクイズ界で活躍する伊沢拓司さん。
彼の開成クイズ研究会での活動を主に描いたエッセイ。
開成中学へ入り、クイズに魅せられ、個人的なスキルを磨くとともに開成クイズ研究会を盛り上げたいと獅子奮闘する活動記録を事細かに記している。
私は自分が小学生時代から高校生クイズが好きで…はや30年以上?見続けていたのだけれど、思い返せば彼が優勝した時というのもうっすら記憶にある。
メンバーに田村正資さんというイケメンがいて、彼が二年連続出場してたことや、このくらいの時期は高校生クイズが「知力、体力、時の運」ではなくほぼ「知力」オンリーになっていたなぁなど、ほんとうっすらとだけれど記憶にあった。
今回この本を読んでその頃の「開成、やっぱり凄いなぁ!頭の出来が違うんだろうなぁ~」という単純な印象が変わった。
頭の良さは勿論あるだろうけれど、それに甘んじない努力がやっぱり隠されていたのだ。特に伊沢さんはクイズを競技として研究し、傾向や対策を練って日々努力していたのがよく分かった。天才は天才でも、単なる天才ではないのだ。様々な大会に出向き、一般には売られていないクイズの問題集を買い集め、学生、社会人問わずたくさんの人と交流し、切磋琢磨してきて、その集大成として高校生クイズでの優勝を目標として掲げ、達成した。彼が中学で開成クイズ研究会へ入った時にはメンバーは10人に満たないマイナーな部活だったとは思えない!
クイズが好きな人の中には黙々と自宅にこもって知識を蓄える…という人も勿論いるかもしれないけれど、伊沢さんは外へ外へ出て行っていて、他校と交流して情報を交換したり、大会で活躍して注目を集めることで交友関係を広げていったり、クイズプレイヤーってこういう風に活動してるんだ!と目から鱗なことがたくさんあった。
部活動青春物としても面白いし、クイズに強くなりたいという人も読んでみると数多のヒントが得られると思うし、私のように高校生クイズの裏側を知りたい!開成クイズ研究会って何してるの?とかミーハーな気持ちで読んでも勿論面白いと思う。
今回Ⅰ「理論編」ということでⅡ「実践編」に続くとのこと。
2010年の伊沢さんが高校一年生での高校生クイズ~その年度末までしか語られていないので次巻も楽しみです。 -
前から感じていたけど、伊沢君は、戦略的思考のきちんとできる人だと再認識した。
高校生クイズで2連覇できたのは、クイズの実力もさることながら、この戦略的思考が他校の出場者を凌駕しており、最も効果的に高校生クイズの対策と準備を進めてきたということが大きいと思う。
また、彼は、クイ研に打ち込み過ぎて受験勉強が遅れた分を1年で取り戻し、東大に無事、現役で合格している。やはり、受験にも戦略的思考が重要なのだ。
伊沢世代の後、高校生クイズであまり開成高校が活躍していないのが少し残念。番組の方向性が学力重視から変わってしまったこともあるが、やはり彼の抜けた穴を埋められなかったということかなとも感じる。