火狩りの王〈一〉 春ノ火

著者 :
  • ほるぷ出版
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593100224

作品紹介・あらすじ

黒き森を、火狩りが駆けるーー。人類最終戦争後の世界。大地は黒い森におおわれ、人々は人体発火病原体に冒され発火する身体を持つ。火狩りは炎魔と闘い、唯一安全に扱える〈火〉を手にするために、三日月の鎌をふるう。近年、火狩りたちの間でささやかれる噂があった。「千年彗星〈揺るる火〉を狩った火狩りは、火狩りの王と呼ばれるだろう」。 11歳の灯子と15歳の煌四、彼らの運命が交差するとき、物語が動きだすーー。(読者対象:小学高学年から)

感想・レビュー・書評

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  • おおお!すごいものに出会ってしまった。手を出してしまった!
    児童文学でファンタジー、心踊ります。

    人類最終戦争後のずっと先の世界、人間は火を扱えない体になってしまった。
    人類に文明をもたらした火を…。
    人間が扱えるのは、炎魔というモンスターを狩ったときに得られる火だけ。
    世界は炎魔がはびこる黒い森に大部分を覆われ、人間は結界の中でしか暮らせない。

    紙漉きの村で暮らす灯子は、ある日森で炎魔に襲われ、ある火狩りに助けられる。かわりにその火狩りは命を落とし、その遺品と相棒の犬を返すため灯子は旅立つ。
    そして首都に住む煌四は母親を失い、生きていくために世界の秘密に関わる仕事をはじめ…

    もじもじとした灯子に最初やきもきしたけど、徐々に覚醒するんだろうなという感じもよい!これから交差するであろう二人のストーリーが楽しみ!全4巻、ゆっくり楽しみます。

  • 人類最終戦争後の世界。人体発火病原体に侵された人々は、神々の子孫であり長寿と異能を持つ神族により統治され、結界に守られた土地で細々と暮らしていた。そして、火は森に棲む炎魔と呼ばれる獣から火狩りたちが狩って入手するものとなっていた。
    森で炎魔に襲われたところを火狩りに助けられ、代わりに死んだ火狩りの遺品を首都まで届けることになった灯子のパートと、裕福な商人に引き取られ、火の研究に没頭する、煌四のパートが交互に描かれる。
    灯子のパートは戦闘シーンが多く、血なまぐさく落ち着かない印象がある。そして、全体に暗い。

  • 世界観が少し「風の谷のナウシカ」と似ているなと感じました。
    人類最終戦争後は、これまでの世界と違い、
    人間の身体が、近くに火花が散るだけで自然発火するようになってしまったという。
    神族と呼ばれる統治者によって作られた箱庭のような世界に生きる人々は黒い森に点在する村で細々と暮らしている。
    そこは神族の結界に守られており、その結界の中では人々が自然発火することはない。
    人々は普通の火を使うことができなくなり、炎魔と呼ばれる様々な獣が姿を変えたものが宿す火のみが人々の熱源となった。
    その炎魔を狩る人々を「火狩り」と呼ぶ。
    物語は、とある火狩りが一人の少女を炎魔から救ったことから始まる。

    人類最終戦争後、黒い森の中ということもあり全体的に暗いトーンで1冊は終わる。
    続きが楽しみなお話です。

    表紙は大好きな絵師、山田章博さん。

  • 16:守り人、奏者、彩雲国、十二国記などなど、ファンタジーに胸をときめかせた方はぜひ!グロテスクな世界に立ち向かう子どもたちの真っ直ぐさ、ひたむきさが描かれます。天然の火を使えなくなった人類が「炎魔の炎」を頼りに生きるさまが情緒豊かに綴られ、神族による支配の歪みや不穏、神族に敵対する「蜘蛛」の暗躍が語られます。ともかく情報量が多いのだけど、すっきり整理された描写でどんどん読めてしまう。
    少年少女の冒険、と括るにはあまりにもシビアでしんどい展開だけど、これからも二転三転するだろうし、たぶん泣く。でも、目が離せないお話に出会えてすごく嬉しい……!
    春に「影ノ火」、秋に「星ノ火」と続刊観光予定とのことで、また完結するまで死ねない本ができてしまった……。山田章博さんの挿絵もうっとり。これは本棚に置いておきたいやつです。

  • 山田章博さんが挿絵です。十二国記が大好きな私としてはもう最高。
    物語の世界観は、人が突然発火、黒い森、魔獣を刈って火を得る世界(その他色々あります)
    数人の登場人物達がいずれ出会い、敵?と戦ったり、成長したり、何かしら変えていったりしそうな予感…伏線がたくさんあるので、次巻からより面白くなりそう!

  • 山田画伯の画装なのと友人に薦められて。
    十二国の月の影上巻を読んだ時も、当時ティーンズレーベルで苛酷で救いの無い話だと思ったけど、こちらも児童書なのに残酷で苛酷な道のりが少女たちの前にある。
    いや、でも続きが気になるし、この世界の謎も気になるなぁ。
    山田画伯の絵は、こういうファンタジーでディストピアめいた世界観合うよね。

  • ファンタジやSFはあまり得意じゃないのだけど、これはもうひさしぶりに読み続けたいと思う世界観。
    上橋菜穂子著『鹿の王』を読んだ時に感じた高揚感が蘇る。これはいける!と心が浮き立つような。
    とにかく登場人物たちに惹かれる。たくさんの人が死んでいく、というか殺されていくけれど、その中で生き残っていく仲間たちに強いシンパシィを感じるのだ。
    特に灯子たちのパートは、まるで自分も物語の中に入り込んで共に旅しているようで。
    物語の背景も、もしかするとそう遠くはない未来に同じような世界があるのではないか、と感じる。煌四たちの物語は特に。
    これがまだ最初の最初、ここから物語が始まるのだと思うと、もういてもたってもいられなくなる。いったいどうなるんだ、灯子は、そして煌四は。第二弾が今年の春で、第三弾が秋って。それまでこの不安なままで待てというのか。
    あぁ、じれるじれる。はやく続きが読みたい。灯子の世界に早く戻りたい!

  • 朝読書で読み終えました。
    イラストレーターが同じだからか、十二国記を思い出させる異世界ファンタジー。
    十二国記よりは読みやすいです。続きが気になる。

  • 面白い材料がそろっているはずなんだけど、今一つのめり込めない…なんでだろう?場面転換が頻繁過ぎるのかなぁ…

  • たまたまツイッターで表紙を見かけ妙に気になり読んでみたらものすごく好みでした。嬉しい。
    週末戦争の後、人は火の粉が爆ぜただけでも内部から発火するようになってしまった。火を使いたいときは炎魔という獣の姿の荒ぶる種族を殺し、その血を使わなければならない…という設定。
    わりかし暗めで人がバンバン死ぬので苦手な人はご注意。
    どうにもならないいきなりの大事件が起きる導入もいいし、キャラクターもいい。主人公の二人も最高だし、火狩りの女性明楽も良すぎる。戦闘シーンがめちゃくちゃかっこいい!犬もかわいい。最高。チワワ!
    シビアな世界観のファンタジーです。面白いよ!

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著者プロフィール

1984年、兵庫県生まれ。児童文学作家、日本児童文学者協会員。「雨ふる本屋」シリーズなど児童書のジャンルで活躍する中、2018年に冒険ファンタジー『火狩りの王〈一〉 春ノ火』を刊行、同作は全5作のシリーズとなりのちにアニメ化するなど大きな話題となる。他の著書に「すすめ!図書くらぶ」シリーズ、『魔法の庭へ』『日曜日の王国』など多数。

「2023年 『ネバーブルーの伝説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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