愛の罠にはまれ! (白泉社花丸文庫 ひ 5-6)

著者 :
  • 白泉社
4.43
  • (45)
  • (31)
  • (6)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 253
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592877318

作品紹介・あらすじ

オオスズメバチ出身の篤郎は、過去に深く傷つけた義兄・郁への罪悪感から立ち直れず、幸せになってはいけないと自分を責め続け生きていた。そんなある日、ヘラクレスオオカブト出身の兜が目の前に現れ!?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ムシシリーズ4作目。
    だーかーら!まずは人の話を聞けよ!と攻につっこみ入れながら読むのがこのシリーズのデフォです(笑)
    今回はシリーズ通してハイクラスの良心のような存在だった兜と、前作でのヒール篤郎のお話。
    読み応えがっつりで、ジェットコースターのような展開にこちらの感情は揺さぶれっぱなしになりました。

    そして驚きなのが、良心の塊のような兜が、まさかの超絶ゲス攻で、とんでもないヒールだった篤郎が、根っこの優しいとんでもない不憫健気受だったってところでしょうか。強気ですが健気です。不安定な強気大好き。
    もう何この良い意味での裏切り感!!
    血のつながらない兄への行いにより、ずっと自分を卑下して生きていた受が、攻と再会したことにより惹かれていくという話。
    今作に来て初めてのハイクラス同士ですが、受は薬物中毒の後遺症により成長が止まってるので、基本的にか弱いです。

    そしてか弱いちゃんが大好きな攻は、持ち前の優しさでもって、受の凝り固まった心を解していくんですが、こいつがもうとんでもないゲスで……。
    攻の傲慢・無神経・鈍感っぷりに、散々受は傷つき痛めつけられ、どうしようもないところまで追い詰められて心が袋小路です。
    凄く優しい子だから、流され屋さんでもあるんですが、あまりの痛さに読んでて吐き気を催してくるほどの強烈さ。
    その痛みに共感するごとに、攻に対してむかっ腹が立ってくるんですが、受の前ではじめて弱みを見せたあたりから、どうにも憎めなくなってしまうのが不思議なところ。

    私は基本的に家族、動物、こども、年寄りネタに関しては、涙腺ゆるゆるになってしまいますので、もうこの継母と受の再会場面で涙ぼったぼた。
    親というのはこどもがどんな状態になっていても、生きてくれてさえいたらそれでいいと思ってしまうものですが、この継母の凄いところは、それが血の繋がってない連れ子にも同じ愛情を向けられるところ。
    何だか本編CPというよりは、この親子や兄である郁との家族の関係に感動してしまい……。

    後半は、あれだけ受に酷い仕打ちをした攻ざまぁ(笑) な状態で、非常に楽しかったんですが、もっと攻をこてんぱんにのしてくれた方が盛り上がったと思います。
    ページもぎりぎりなので期待はしてませんでしたが、出来れば最後にいちゃらぶ見たかったです。
    妊娠Hには萌えないし、無理なのはわかってんですけどね、ちょろっとこう、産まれました~時間経ちました~イチャラブイチャラブだったら最高。

    お話の内容でいえば★5なんですが、何でそうじゃないかってと、別にこれ受が女の子でも成り立つ話じゃん……と思ってしまったので。
    出産BL嫌いじゃないけど、1作目もそのケースなので、え?また? という気持ちになったのもあります。

  • シリーズで1番すき 一見完璧に見える、超人的な人でも欠陥があって、それさえも愛してくれる人が見つかるって奇跡的なことだな

  • このシリーズの攻は、最初はみんなクズだというのはお約束なんだろうか…。
    前作で登場していた兜が攻で登場。お相手は、前作主人公の郁を酷い目に合わせていた篤郎。
    篤郎がクズだったのはともかく、前作では優しそうに見えていた兜の本性に、兜よお前もか…と思わず空を見たとか見なかったとか。
    そんな意外性もありつつも、とても面白かったです!
    優しさに見えた兜の真意に、更生した篤郎が傷つき悩む。郁との再会や、お馴染みの方々のサポートもありで見どころも十分。
    マヤマヤが評した篤郎の人物像には納得。ラストもそのように流された篤郎だったけど、本人たちが幸せならそれもいいよね。

  • 虫シリーズ四作目であり、シリーズ三作目「愛の裁きを受けろ!」に登場したカイコガ出身の郁の義弟、篤郎が主人公のお話です。しかも、初のハイクラス×ハイクラス!

    三作目では悪役に徹しており、郁が話す幼少期での優しい彼がどうしても彼と被ることはありませんでした。だからこそ、この作品を読むことでなぜあんなにも仲が良かった郁に対して薬漬けにし複数人から性的暴行を加える原因を作ったのかその経緯がわかります。

    前作で自ら更生施設に入り、その後自分の行動を深く悔いる篤郎は退所後も自分の中に罪の意識を感じ、幸せにならないことが償いだと毎日を過ごしていました。そんな中、かつての知人であり迫った経験もあるヘラクレスオオカブト出身の兜の登場により大きく変わることとなります。

    -----------------

    ひたすら二人の「愛」に対する考え方の違いにもどかしさを感じる作品でした。深くて重すぎる愛の形しか与えられない篤郎と、30歳までという期限が決まっているからこそ愛を与えられない兜。

    マヤマヤのツンデレだと思っているかもしれないけど、流されやすいだけと一蹴していたのが個人的にはとてもツボでした。

    あっちゃんは可愛い。

  • 愛の巣へ落ちろ!シリーズ4作目
    兜甲作(ヘラクレスオオカブト)×蜂須賀篤郎(オオスズメバチ)

  • シリーズ第4弾。基本シリーズものはあらすじなど見ないで読み始めるんですが、まさか3作目の最低ヤロー・篤郎がくるとは! 相手はヘラクレスオオカブトの兜、初のハイクラス同士でした。このシリーズは泣いてばかりです… 篤郎が過去してきた事で自分を責めながら生きてる姿が切ないし、郁や母親と再会するシーンはこっちも涙です。わりとお気に入りだった兜があんな男だったなんて! ちょっとショックだったわ… でもこれからはあっちゃん命になるであろうラストで良かった。

  • ムシシリーズ4作目。
    ヘラクレスオオカブト・兜×オオスズメバチ・篤郎。

    前作で登場した郁の弟の篤郎。
    篤郎救済あってほしい!って思ってたので。
    篤郎がどうしてあそこまで堕ちたのか、あのような凶行に走ったのかが分かり読んでて切なくなり、そして本当の篤郎は優しく繊細な心の持ち主だったんだという安堵もあってハマってしまいました(笑)
    そして、兜!
    一番温厚で頼もしい存在のイメージが強かったのに
    一番酷い(笑)ゲスい!
    そんな兜の酷い言葉、態度に傷つき涙する篤郎が可哀想で。
    後半のオロオロする兜はちょっと可愛くもあったけど。
    澄也はちょこちょこ登場してたけど今回はマヤマヤ登場!
    マヤマヤ、カッコイイ!
    マヤマヤの幸せがみたいです!

  • 前作が読むのが辛かったので
    すごい長い間積読にしていたのですが早く読めばよかった!シリーズが病弱受なので前作までの子たちがチラッと元気にしてるのを読めるとホッとしますw
    4作目だから大丈夫だと思いますが、BLでもニッチな属性含む話なので注意が必要ですね!

  • 個々人の背景をより掘り下げる小説は、漫画以上にキャラクターが好きになれないと、作品そのものも好きになれないと痛感した。受は想像以上に思考が暗いし、攻は最後まで下衆…。

    絡みの場面はさすがのエロさだったし、サブキャラ(過去作のメインキャラ?)がみんないい味を出していたので少し評価を足してこの結論で。

  • フォロワーさんの何人もが兜がゲスい?と聞いてたので、どんだけのもんかと思って読了いたしましたが。今思い返してもゲスい。酷い(笑)
    篤郎も何故こんなのに…と思いましたが、割れ鍋に閉じ蓋。と言っていいのかわかりませんが、自分の愛を思う存分注げる相手が出来て良かったと終始涙なしには読めない一冊でした。

全19件中 1 - 10件を表示

樋口美沙緒の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×