人生は攻略できる (ポプラ新書 245)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591178980

作品紹介・あらすじ

「強く願うだけでは夢は叶わない。なにひとつ攻略法を知らなければ、いつまでもレベル1のままだ」ーーベストセラー『言ってはいけない』シリーズの著者が提言する、新時代の人生戦略。【もくじより抜粋】はじめに 人生は「攻略」できる世界編1 人生はロールプレイングゲーム・大富豪の子どもは不幸になる?・人生は「物語」  など世界編2 「自分らしさ」は友だちのなかでつくられる・友達は学校でしか生まれない・キャラちがいと自分さがし  など世界編3 「好きを仕事に」の法則・子どもの人生に子育てはたいして関係ない・会社は社員が幸福になるための道具  など攻略編1 お金・「自由」とは、イヤなことをイヤだといえること・誰でも億万長者になれる社会  など攻略編2 仕事・「サラリーマン」は日本にしかいない絶滅危惧種・サラリーマンは世界でいちばん会社が嫌い・「ぬるい日本」で億万長者になる  など攻略編3 愛情と友情・「幸福の資本」で人生が決まる・来るべき時代の人生戦略  などおわりに 幸福に生きるためのヒント【著者紹介】橘 玲(たちばな・あきら)作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎)でデビュー。同年刊行の『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部を超えるベストセラーに。06年、『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補。『言ってはいけない』で2017年新書大賞を受賞。そのほか著書として『上級国民/下級国民』(小学館新書)、『バカと無知』(新潮新書)、『シンプルで合理的な人生設計』(ダイヤモンド社)などヒット作多数。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の本は何冊か読んでいるが、また面白いところに視点を置き掘り下げたなぁと感心する。
    ちょっとためになるものや、良く調べたなぁと思うものまで。
    テイカーとギバーという表現は今風なんだろうか、ひとから与えられることに慣れて当たり前になっている若者…そして自分もそうかも知れないと考えさせられた。
    ジェファーソン高校のセックス関連図も、それはと思いつつもそうして繋がっているというものや、末端とその円にいるものとの関連性は社会の中でも充分にあることなのではと考えさせられるものだった。

  • 橘玲の本を読み、新しい幸福論や人的資本の大切さに共感しました。他の著者との共通点も発見しました。変わる時代に「幸せ」の指針として、スティーブ・ジョブズのシンプルで質素な生き方が理想的と感じました。異なる視点を求めつつ、この本の提案には魅かれました。

  • ・友情は学校でしか生まれない。異なる友達集団は交わらない。つまり、友達集団は排他的な集団である。
    ・ジェファーソン高校での調査から。各グループに属さず、それでもメインの位置にいる生徒がいる。彼らはリーダー同士の情報交換の要。フィクサー。

    ・現代の家族では、断然共働きのほうが豊かになる。というか、専業主婦は1億4000万円の差が出る。だから、アメリカやヨーロッパでは専業主婦はいなくなった。

    ・お金を増やすために大事なこと3つ。
    ①宝くじは買わない。②マイカーもマイホームもいらない。③ウマい話は絶対自分のところには来ない。

    ・AIが進化しても代替できない仕事は共感力が必要とされる職業。例えば看護や介護。だから、アメリカでは自動車工場などで働くブルーカラーの男性が職を失うのに対して、「ピンクカラー」と呼ばれる女性はAIの離京を受けずにいる。そのためアメリカでは男性と女性の平均収入が逆転してしまった。

    ・伽藍とバザール。日本の終身雇用型の社会は伽藍。壁に囲まれた閉鎖的な空間。人は「失敗しないように」を一番の目的とするので、「ネガティブゲーム」になる。それに対してバザールは参入も退出も自由な空間。こちらのゲームは「ポジティブゲーム」で、できるだけ良い評判を多く集めることにある。そのため新しいことに挑戦しやすい。

    ・これからの時代は「ギバー」になること。有限のものを与えるのではなく、ギブしても減らないものを与える。①面白い情報を教えること。②面白い知り合いを紹介すること。

    ・人間関係は、「弱いつながり」をたくさん作ること。

    10代から20代前半に向けて書かれた本かな。でも、何歳の人が読んでも役立ちそう。たとえ話は学校が多いけど、同じく閉鎖空間なら、典型的な日本の会社に勤めている人は共感する部分も多いのではないか。また、本作ではフリーランスを勧めている。専門職の。これからはフリーランスの時代が来る理由も詳しく書いてあって、心強く思う人も多いのではないか。
     ともだちのような「強いつながり」ではなく、少し知り合い程度の「弱いつながり」が大事だという部分も新しい意見だと思った。

  • 若者向けに書かれた本。お金について書かれた部分は、分かりやすく、素晴らしい。人生設計のような大きなテーマで書かれている。さすが橘玲氏。有益な本だった。

  • 橘玲の本を読むと、社会の「事実」を突きつけられる事が多い。





    今回の本は2019年3月にポプラ社刊から刊行した単行本に加筆・修正を加えていれば新書化したものだ。





    タイトルに使っている「リスパ」とは、「リスクパフォーマンス」のことだ。





    「同じリスクならリターンの大きな方を選ぶ」あるいは「同じリターンならリスクの小さい方をを選ぶ」ことを言うと説明している。





    著者は「人生をロールプレイングゲーム」だと例えている。





    ゲームには攻略法があるが、人生に攻略法なんてあるかと思う人もいる。





    良く考えると著者の言う通り、人生にもしていいこととしてはいけないことがある。





    そう考えると人生=ゲームと捉えるのは自然なことだ。





    会社、学校、社会にまつわる様々な「現実」について取り上げている。





    おわりにどうすれば幸福になれるのかと著者は考える。





    幸福の研究を行うと「モノよりもコトの方が幸福感は長く続くことを明らかにした」と述べている。





    楽しいことやきれいな景色を見た体験は、高級ブランド品を持つよりも心の中に残り続ける。





    橘玲は、本書でもブレることなく、社会の「事実」を浮き彫りにしていく。

  • ●人生というゲームを攻略する戦略は、「失敗しても良いリスクを取って、試行錯誤しながら経験値を上げていく」ことだ。やり直せる限り、失敗は経験になるから。
    ● SNSのリスクが高いので、一切手を出さないと言うのも1つの選択。でも、その一方で「検索してもヒットしないのは存在しないのと同じ」と言う現実がある。
    ●高齢者が増え、若者がどんどん少なくなっていく。そうなると需要と供給の法則によって若い人の「市場価値」はこれからどんどん高くなっていく。なんでも好きな仕事選ぶようになるだろう。だとしたら、このチャンスを生かさない手は無い。
    ●ポジティブと言うのは何でもかんでも素晴らしいわけではない。真面目と言うのは、悲観的で不安感が強く、失敗を恐れて、常に慎重な行動をすることだ。日本人は、ネガティブ度が高い国民と言われている。そのような社会では、意識的にポジティブになるったほうがうまくいくことが多い。
    ●人生は物語だから。最後がプラスになること。終わりよければ全てよし。物語のない人生が1番不幸。
    ●欧米や日本のような先進国は、それなりに平等な社会になってきた。そういう社会では(最終的には)肩書や学歴ではなく、実績で個人が評価され、その結果、ちょっとした不運はいずれ何の影響もなくなるのだ。
    ●歳をとってもできることがあるけれど、それは「誰でも出来る事」だ。
    ●友情空間が失われた時、人はそれを青春の終わりと感じる。しかし、それでも友情空間は、全ての人々の人生に決定的な影響与える。運命共同体が世界の全てなら、子供はだれでも、そこに自分がうまくやれるようにしようとするはずだからだ。この(無意識の)努力によって、キャラ、すなわち、人格や性格が作られていく。
    ●友情は学校で平等体験を共有した仲間とのあいだでしか生まれない。また排他的な集団である。
    ●集団の人数の法則、5人50人150人。キャラがかぶらずに1つのグループにしてまとめられるちょうどいい人数が5から7人なのだ。
    ●僕たちは、見知らぬ人と会ったとき、無意識のうちに次の8つ(ビッグエイト)を知ろうとする。①明るいか暗いか②精神的に安定しているか神経質か③みんなと一緒にやっていけるか自分勝手か④相手に共感できるか冷淡か⑤信頼できるかあてにならないか⑥面白いかつまらないか⑦賢いかそうでないか⑧魅力的かそうでないか。
    ●人格と言うのは、君の内面にあるものではなく、「周りの人たちが君をどう見ているのか」という評価の平均点だ。
    ●友達集団でごく自然にキャラ決まるのは、それが自分を1番目立たせる方法だからだ。理由は異性に注目されたいから。
    ●全く同じ歳の(同じ遺伝子)を持っていても、どんな友達集団に入るかで、人生は大きく変わってくる。キャラは偶然に決まるのだ。
    ●「やればできる」は間違い。好きでも得意でもない事は「やってもできない」、そもそも頑張ることさえできない。「やらなきゃいけない」が、「やりたくないよ」にほとんど抵抗できない。
    ●最初から「好き」がわかっていて、夢に向かって一直線に進んでいける人を除けば「好きを仕事にする」方法は多分1つしかない。それはトライ&エラーだ。その時に大事なのは、会社ではなく仕事を選ぶことだ。
    ●一流になるための、1万時間の法則(1日10時間としても1000日≒ 3年間)の訓練や実践が必要。なぜこんなに努力ができるかと言うと、それが好きだからだろう。
    ●会社とは、社員が幸福になるためのただの道具だ。道具なのだから、使い倒せばいい。(踏み台にする)
    ●好きなことより得意なことを選んだ方がうまくいく。アメリカでは「ビジネスで成功してから好きなことをやる」と言うライフスタイルが定着しつつある。

  • リスパという新しい概念を知ることができた。また世界編は完結でわかりやすくまとまっているので読みやすいと思う

  • 高校生や大学生向けでした。

  • ギブしても減らないのは面白い情報。

  • これを読む前に他の本で似たような内容を読んでいたので再確認という感じだった。とはいえ、私は幸福に生きるには危うい側の考え方、働き方をしているので危機感は更に募った。考えなければ。

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著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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